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第六話

今回はバレット少尉メインの回です

 AL4α宙域、AL4αコロニー近郊。

 哨戒中のSAFが、小惑星帯にて三隻の不審な艦船を発見する。

 艦の特徴から、先のキルディザスター麾下の海賊艦隊の残党である可能性が浮上する。


 それを受け、第1パトロール艦隊が出撃。

 不審船の拿捕を目論む。

 当該宙域にて、真っ先に不審船の船団を確認したのは、第1パトロール艦隊麾下第1SAF中隊所属のバレット少尉率いる小隊であった。


「ブリストルへ、こちらバレット少尉。不審船の船団を確認。これより当該船団に全方位通信で呼びかけます」

『了解、不審船が敵対的行動を取った際には、発砲を許可する』


「了解、聞いたな?相手が仕掛けて来るまで決して撃つな」

『了解!』

『了解しました』


 バレットは状況を簡潔に報告すると、部下に命令を遵守するよう命じ、通信機のチャンネルを政府が定めている「遭難・緊急呼出用」のものに合わせる。

 そして、不審船に対して停船し、所属を明らかにするよう呼びかけた。


「こちらはアルビオン防衛軍、第1パトロール艦隊である。君たちは航路を外れ、AL4αコロニーの領域に侵入している。直ちに機関を停止し、所属と船籍を明らかにせよ」


 しかし、不審船団は停船するどころか更に速度を上げ、バレット少尉たちの方へ向かって来る。

 そこで、バレット少尉は威嚇射撃を行う事にした。


「ブリストルへ、こちらバレット少尉。不審船団に呼びかけるも停船せず、こちらへ船速を上げて向かってきます。威嚇射撃の許可を」

『了解、威嚇射撃を許可する。最後通告に従わなけらば撃沈も許可する。すでにそちらに他の小隊も急行しているため、撃沈の必要がある場合は無理はせずに増援を待つように』


「了解。さて…これで停まってくれと良いが…お前たち、いつでも交戦可能な状態にしておけ」

「了解!」

「了解しました」


 彼は威嚇射撃の許可を得ると、不審船の付近にマシンガンを発砲。


「直ちに機関を停止せよ。さもなくば撃沈する」


 すると、不審船からSAFが発艦。

 三隻の不審船から計四機のSAFが現れる。


「ッ!こちらバレット少尉!不審船から計四機のSAFが発艦!機体のマーキングから当該船団は海賊で間違いありません!これより交戦します!」

『了解、他の小隊も急行している。…なんとか持ちこたえてくれ』


 バレット少尉は母艦との通信を切ると、部下たちに素早く命じて、敵の前に躍り出た。


「いいか!俺が前に出る!援護はできたらでいい!必ず二人で一機に当たれ!」

『り、了解!』

『了解…!』


 心なしか全員の声が緊張でこわばっている。

 敵は自分たちより多いのだから、それも当然である。

 バレット少尉は、自身を囲もうとする敵の攻撃を小刻みにブースターを吹かして躱す。

 真っ直ぐこちらに向かって来る一機のコグネイトに照準を合わせた。


「当たれッ!」


 バレット少尉は、自機の右肩にマウントされた六連誘導ミサイルを発射。


『ぐわぁ!?』


 敵機は、放たれたミサイルを躱そうとしたが、追尾してくるミサイルを躱し切れず命中。

 しかし、未だ撃墜には至らない。

 バレット少尉は、敵を追撃しようとするが、その直後コックピット内でロックアラートが鳴り響く。


『くたばりやがれぇ!』

「ッ!後ろか!」


 彼は振り向く事なく、機体を横に滑らせて飛んで来た弾を回避した。

 振り向きざまに、敵へ左手のマシンガンを発砲するも躱される。

 次の瞬間、ロックアラートが鳴り響くと同時に、機体の装甲をマシンガンの弾が叩く。


『ほらほらほらぁ!避けないと死んじゃうよぉ~?』

「ぐっ!…機体の装甲に助けられたかッ!」


 バレット少尉は、金属が軋む不快な被弾音を聞きながらスラスターを吹かし、ジグザグの機動で敵に近づく。

 彼は敵の攻撃を何発か食らいながら接近。


「最先任上級曹長の訓練を思い出せ…タイミングは…3…2…1…」

『な、なんだぁ!変な動きしやがって!妙な動きで弾を躱してもよぉ…近づいてきんじゃ意味ねぇだろぉが!!!』


 敵に近づくたびに徐々に被弾が増えていくバレット機。

 海賊はそれを嘲笑しながらバレットに発砲。


『蜂の巣にしてやるよッ!』

「今ッ!」


 一瞬動きを止めたバレット少尉を嘲笑しながら発砲しようとした海賊。

 その瞬間、彼の視界からバレット機が消える。


『は?』


 次の瞬間、彼の頭上からバズーカの弾が飛んで来た。


『あぐぁっ!?』


 着弾したバズーカの衝撃によって、海賊は悶絶して動きを止めてしまう。

 そこへすかさず背後に回り込んだバレット少尉が至近距離でマシンガンを発砲。


「まずは一機!」

『や、やめっ──』


 彼は命乞いする間もなく爆散した。


「ゲイル!ロビン!そっちは大丈夫か!?」


 バレット少尉は、通信で安否を確かめながら部下たちのもとへ急行する。


『た、助けてください!少尉!』

『こいつッ!馬鹿に硬い!隊長ォ!コグネイトだけじゃなくてギガントが混ざってます!』


 返って来たのは切羽詰まった部下たちの声だった。

 コグネイトだけでなく、重量級機である“THI-MM02-GIGANT”が混ざっていたのだ。

 この機体は重量級機故の重装甲とパワーを持っている。

 そのため、中量級機以下のSAFでは二つ以上装備するのが困難な、大型の武装を四つも装備できる強敵である。


「ッ!?今行く!持ちこたえてくれ!」

(クソォ!失策だった!一機に対し三人で当たり、三対一の状況を相手に常に強いるべきだった!)

(俺が自分の腕に驕り、増長していなければ…こんな…部下を危険には晒さずに済んだものを!)


 彼は自身の失策により、部下を危険に晒した事を激しく後悔しながら、部下を救援に向かった。


『ハハハハ!!!どうした坊やぁ~?戦争ごっこははじめてでちゅか~?』

『ぎゃははは!!!オイオイ!あのサリヴァンとジャックがいなきゃこんなもんかよォ!こりゃキルディザスターみてぇに、お前らみたいな雑魚を殺しまくってランカーになるのも遠くねぇや!』


 傷だらけの二機のコグネイトを追い立てる海賊のSAF。

 一機は両手にマシンガンを持ったコグネイト。

 もう一機は、その重量級機の積載量を活かし、両手にはバズーカ、両肩に“ICI-VLS-M73”という連装垂直戦術ミサイルを装備していた。


 この“ICI-VLS-M73”には誘導性能は無いが、狙われればその近辺に12発のミサイルが頭上から降り注ぐ。

 その圧倒的な火力から『天井落とし』、『墓標』などと呼ばれ恐れられている。


 バレットの部下、ロビンとゲイルの機体はなんとか直撃は避けているものの、爆風や破片などを避けきれず徐々に機体に傷が増えていた。

 そこへ更に二丁のマシンガンとバズーカが襲い掛かる。

 二人の命は風前の灯火であった。


『クッソ…なんとかして近づかねぇと!増援はまだなのか!』

『だが…!あの二丁のマシンガンの火力は馬鹿にならない!隊長!早く来てください!』


 二人は、追い立てられながら必死に攻撃を避け、バレット少尉と増援が来るのを待っている。

 次第に、彼らも集中力が切れてきたのか、ゲイル機がマシンガンに被弾してしまう。


『うわっ!?機体が…動かない!』

『ゲイル!?』


 今までのダメージが蓄積していたせいか、被弾したゲイルの機体の制御装置が一時的に硬直。操縦不能になる。

 ロビンはそれに動揺し、迂闊にも足を止めてしまった。


『ハハハハ!!!鬼ごっこは終わりかぁ?』

『そんじゃ良い子は死ぬ時間だァ!!!』


 ギガントに乗った方の海賊が、垂直ミサイルを彼らに向けて放つ…が、次の瞬間放たれたミサイルが横から飛んで来た弾によって誘爆させられた。


『あ?なんだぁ?』

『いいとこで水を差しやがって!』


『隊長!来てくれたんですね!』

『少尉!助かった…俺たち助かったぞ!』


 それは、部下を救うべく急行したバレット少尉が放った弾丸だった。


「遅れて済まない!」


 彼はマシンガンを二丁持った敵SAF に照準を合わせ、誘導ミサイルを放った。


『あぁ?ミサイルだァ~?さっきテメェがやってたのをやりゃあいいだけだろ!』


 そう言って海賊はその場を動かずに、マシンガンで弾幕を張り、ミサイルを自分の手前で誘爆させた。


『ハッ!馬鹿め!』

『ほーほーほー…嬲りがいがありそうなのが増えたじゃないのぉ!』


 そんな油断している海賊たちに、炸裂したミサイル爆炎を突き抜けて、放たれた二発バズーカの弾がそれぞれ命中。


『ぐお!?』

『なんだと!?』


 爆炎を裂いて現れたバレット機。


『なに!?こいつ!ミサイルを煙幕代わりに!?』

「墜ちろ!」


 彼は、バズーカによって相手の機体が損傷した箇所を狙い、至近距離で撃ち抜く。


『嘘だろ!こんな…こんなのありえ──』

『へっ、馬鹿が…死んじまってやんの』


 爆散する仲間を嘲笑しつつ、ギガントに乗る海賊はバレット少尉に向けてバズーカを放つ。


「チィッ!」


 彼はそれをなんとか躱して距離を詰めようとする。


『すっげぇ…あっという間に一機倒しちまった…』

『あれが…サリヴァン総司令官やギャレット最先任上級曹長に次ぐと言われている…隊長の力…』


 二人は激闘を繰り広げる上官の姿に見とれていた。

 …そのせいでレーダーに映る後ろから接近してくるSAFの反応を見落としてしまった。


『死ねぇぇぇ!!!』


 絶叫しながら突撃し、ライフルを乱射する海賊のコグネイト。

 これは先ほどミサイルの直撃を受けるも、撃墜に至らなかった機体である。


『し、しまった!』

『クッソ!応戦するぞ!』


 二人は被弾しながら慌てて振り向き、応戦しようとするが…


『い、今のでブースターが!?』

『嘘だろ!弾がもうない!!!』


 あまりにも迂闊で未熟なせいでそれも叶わない。


『や、やられる!』

『隊長ぉ!!!』

『死ねやぁぁぁ!!!!!』


 海賊の機体が、二人にライフルを向け引き金を引こうとする。


『あ?なん──』


 その瞬間、上から飛んで来たバズーカの弾を食らい、海賊は爆散した。


『無事か!お前ら!』

『遅れてすまねぇ!バレット少尉はどこにいる?』

『おいおい…ボロボロじゃねぇか!?』


 それはやっと来た他の小隊のSAFによる攻撃だった。


『や、やっと来てくれた…』

『隊長ならあっちに!あっちで戦ってるんだ!隊長も助けてくれ!』


 そう言う二人に増援の小隊の隊長は言った。


『もう、あっちにも増援が行ってるみたいだぜ』


 彼の目線の先には、バレット少尉の要る方向に向かっていく三つの光点があった。


 ギガントに苦戦するバレット少尉。

 彼はミサイルを躱し、誘爆させながら近づこうとするが、中々懐に飛び込めずにいた。


「くそ!中々懐に飛び込めない!ミサイルを躱して近づこうとしたらバズーカが飛んでくる!…なんでこいつはバズーカを撃ちながらミサイルを撃たないんだ?」


 彼は何かに気がついたようだ。

 そうとも知らずに海賊は調子に乗りながらミサイルで彼を追い立てる。


『オラオラどうしたぁ?全然近づけてねぇぞ~?』


 彼が再びミサイルを発射した直後、右上からマシンガンの火線が伸びてきた。


『あ?クッソ!またかよ!いいとこで邪魔しやがって!』


 マシンガンの弾が当たってミサイルが爆散。

 そこへすかさずバレット少尉はバズーカを叩き込んだ。


(ミサイルを撃ってすぐにバズーカを撃てない?)

(そうか!こいつは手持ちの武器と肩部の武装を同時に扱える腕も適性もないんだ!ならばッ!)

「このチャンスは逃さん!」

『ぐわっ!?…調子に乗るなよ!このゴミ屑どもが!』


 海賊はバズーカを構えようとするが、増援の小隊に妨害される。


『バレット少尉を援護する!』

『おう!』

『了解!』


 彼らは海賊のSAFに攻撃を加え続ける。


『ぐがぁぁ!!!このムシケラどもめがぁ!!!』


 海賊は増援たちの方を向いて攻撃しようとする。

 しかし、それが命取りだった。


「とどめだ!」


 バレット少尉はミサイルを撃ちながらバズーカとマシンガンを発砲。

 それら全てが海賊に命中する。


『この糞──』


 海賊は恨み言を口にしながら爆散した。


『バレット少尉、すでに不審船の拿捕には成功した。君の部下も無事なようだ。敵の戦力もあれで最後の様だな』


 そう言ってバレット機に近づく増援部隊の隊長機。


「はい、出てきたのは今ので最後です。ご助力感謝いたします」


 彼は礼を言った後、母艦に通信を入れる。

 母艦からの帰投命令が出ると、それに従って帰投した。


 バレット少尉は、部下を危険に晒したことで叱責されるも、相手の方が数が多かったことや敵機を撃墜している事を評価され軽微な処分で済んだ。



 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



 なんか今回俺の出番なかったな…

 一応機体の中でいつでも出られるようスタンバってたけど…

 しかし、バレット少尉は腕を上げたみたいな…

 さすが俺の後輩(後輩だよね?後輩です。ですよね!よかった~!)


 でも、やっぱまだ指揮官としては年齢相応に未熟みたいだね。

 自分か部下の腕がもっと良ければ、ガンガン突っ込んでも良かったんだろうけど…

 ギガントがいるって確認してから行動しなかったのはマイナスかなぁ…


 今回は部下と一緒に逃げ回って増援を待つ方が良かったかもね。


 おっ、噂をすればバレットくんじゃん!


「ハァ…俺はなんてダメな隊長なんだ……俺じゃ最先任上級曹長たちの期待に応えられない…」


 …めちゃくちゃ落ち込んでる

 いや、どうしよ…

 これ俺が期待をかけてるのも原因じゃない?

 元凶が行ったら悪化しない?


 いや、確かに今回の件はバレット少尉が悪いよ?

 ちょっと自分や仲間の力量を読み違えてたのと、相手の戦力を量り切れてなったなかったよね?

 でも、なんにも間違えたりしないとか思ってないけど?


 偉人とかだって、若い頃は馬鹿みたいに失敗したりしてるのに、そうでもない人が失敗しないわけないじゃん?

 気にしすぎ…でもないけど、そんな項垂れて死にそうな顔するほどじゃなくね?


「バレット少尉?どうしたんですか?」


 え?なんか可愛い女の子が来たんだけど?

 見た感じ中学生くらい?

 栗毛のロングヘアの優しそうな顔の美少女…


 この前、好きな女のタイプで盛り上がってた時に、ロングヘアの優しそう顔の美人とかいってなかった?

 え?事案?バ、バレット少尉?違うよね?

 流石にそうだったら期待外れ呼ばわりしに行くけど?


「ああ…やぁ…コールリッジ伍長…どうかしたのかい?」

「どうかしたって…バレット少尉こそどうしたんですか?すごく…落ち込んでるじゃないですか」


 あぁ!この娘がサラ・コールリッジ伍長か!

 才色兼備なんてすごいじゃん!

 十年後には凄い美女になってそうだね!

 しかも優しいとか、同年代からの人気凄そう。


「…いやぁ…これは……その…俺自身の問題だから…君には関係ない」

「うーん…でも、あえてなにも関係ない人に言ってみるのいいんじゃないですか?親しい人相手だと言いにくいんでしょ?」

「……」


 女の子に手玉に取られてるな。

 まぁ、彼は実直で不器用な男だから、昔から女の子相手にはこうなってそうだよな。


「そう…だな、では聞いてくれるかな?」

「ええ、私で良ければ」


 コールリッジ伍長やさしい


「俺は…任務で…失敗をした。自分ならうまくできるって過信してしまったんだ…そのせいで部下を危険に晒してしまった」

「もし、周りが助けてくれなかったら…部下は無事ではなかっただろう」


 コールリッジ伍長がうんうんって頷いてる。

 小動物感あってかわいいねぇ…


「確かに…少尉が部下の人たちを危険に晒してしまったのはよくないですね。でも、部下の人たちは無事だったんでしょ?」

「じゃあ、次からはそうならないように失敗から学んで、次に生かせばいいじゃないですか?私がバレット少尉の部下なら、いつまでもくよくよしてる上官よりも、失敗を繰り返さないって言ってくれる上官の方がいいです!」


 おお。

 いや、ほんとその通り!

 泣き言ならいつでもどこでも誰でも言えるんだよね!

 上官なら上官として、部下の命を預かる姿勢ってのがなきゃ!


「でも…俺は…」

「でももなにもありません!」


 いいぞ!コールリッジ伍長!

 その調子だ!


「気にしてるなら直接部下の人たちにごめんなさいしに行けばいいでしょ!」


 ごめんなさいしに行くって表現いいよね!

 なんかかわいい!


「しかし…俺は…最先任上級曹長の……期待をッ!…ぐすっ」


 泣くな馬鹿野郎!

 大の男の涙ほど見苦しいもんはねぇよ!(パワハラ&モラハラ)

 いや、でも俺がアイツの立場でサリヴァン総司令官に失望されたかもって思ってたら…

 ごめん、俺が悪かった。そりゃ辛いわ…


「もう!そんなに言うなら直接謝りに行けばいいでしょ!」

「そんなとこでうじうじしてないで!ホラ立って!最先任上級曹長のとこ行くわよ!」


 この娘行動力凄いな!

 でも、あんまり厳格な上官とかいたら死ぬほど殴られかねないな…

 よし、ギャレット動きます。


「その必要はないぞ、伍長」

「え!?」

「さ、最先任上級曹長!」


 二人とも慌てて敬礼してる。

 ウケる。


「やぁ、二人とも。コールリッジ伍長とは、はじめましてだったね?」

「は、はい!あ、あの!えーと、とにかくバレット少尉の事でご相談が!」

「ご、伍長!?」


 おお。

 この子大物だな!

 この度胸は気に入ったわ。

 この子後輩?後輩な気がする…後輩だ!

 俺には二人後輩がいます。

 紹介します。俺の後輩のバレット少尉とコールリッジ伍長です。


「ああ、話は聞いていた」

「「エ゛ッ゛!?」」


 二人とも凄い顔!

 そりゃそうだな!本来なら見られたらヤバい場面ばっかりだもんな!

 とりあえず、このハリウッドスター級のイケメンスマイルで誤魔化すか!


「ああ、大丈夫。今回の事は内密にしておくさ」

「それより、バレット少尉は…今回の事を相当気にしているようだな?」


 そうそう、俺からの評価ばっか気にしすぎ。


「え…あ…も、申し訳ございません。俺は…あなたからの期待を…」

「バレット少尉」


「ッ!?」

「君は私の期待を裏切ってなどいないよ?」


「え?」


 なんかバレット少尉が凄い間抜け面なってる…

 うん?コールリッジ伍長がなんか青ざめてない?

 …もしかして、俺が少尉に第一声が励ましじゃないから、そもそも期待なんかしてないって言うと思った?

 この世界じゃあるあるだよな…

 さっさと誤解解かなきゃ!


「少尉…私が君に期待しているのは…成長だ。失敗をしない事ではないよ?」

「君がすべきなのは、私に失望される事を恐れる事ではない。今回の件を反省し、何がいけなかったか…次にこのような事態になった時にどうすべきか考える事だよ」


 って、三年前に俺が失敗したときサリヴァン総司令官は言ってくれた。

 今でも覚えてる。

 だから俺はあの人を尊敬してるんだ…


「す、すみません…俺、俺は…何もわかってませんでした!自分が何をすべきなのかも!」


 おっ、多少はマシな顔になったな!

 でも、頭下げるべきなのは俺じゃないよ


「バレット少尉、頭を下げるべきなのは私じゃないよ?コールリッジ伍長も言ってただろう?」

「今回の件で部下たちに謝って、次からはどうするかを言いなさい。それで受け入れてくれなかったら、その失った信頼をこれからの働きで取り戻したまえよ」


 まぁ、あんまりペコペコしすぎるとあれだが、頭下げるべき時に下げない奴は糞ほど嫌われるし、背後からの流れ弾で最悪死ぬ。


「さぁ!やることはわかったな!」

「はい…はい!」


「じゃあ、行ってこい!」

「はい!ありがとうございます!」


 おお。いつも通りのバレット少尉に戻ったな!

 よかったよかった!


「あ、あの…最先任上級曹長…その…ふぅぅ…」


 コ、コールリッジ伍長!?

 ど、どうしたの?なにか俺間違えた?


「ありがとうございました!」


 ああ…(納得)俺のハンサム顔に見惚れてたのね!

 悪いけど君はストライクゾーンから外れてるんだ!

 素材は良いから十年後に来てね!(屑)


「気にする事はないよ…有望な若者が潰れるのは見たくないからね」

「そ、それでも!ありがとうございました!」


「こちらこそありがとう。彼を気に掛けてくれて」

「い、いえ!」


 いやぁ…いい子だね!

 俺に後輩が増えるなんていい日だな!(異常者)



 無駄に良いジャックのイケメンスマイルに赤面しつつ去っていくコールリッジ伍長。

 まさか、目の前でストライクゾーンから外れるだの、十年後に来いなどと思われているとは知らずに…


「ギャレット最先任上級曹長…あんなに強くて優しいなんて……素敵な人だなぁ…」

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