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第四話

AIにチェックさせてるけど、誤字脱字が多い…

見つけ次第報告して頂けると助かります。

お手数ですが何卒宜しくお願い致します…

俺はキルディザスター(笑)を瞬殺した後、帰艦命令が出るまでの間ちょくちょく補給で母艦のブリストルに戻りつつ、頼みの綱のランカーがくたばって統制を失った雑魚を狩りまくってスコアを伸ばした。


海賊共が、ある程度散り散りになって逃げてったら、撃破されたSAFや沈められた艦のクルーたちの救助パートに移行したけど…

もちろん、そこで逃げたふりして戻って来たり、投降するふりしたりして襲い掛かろうとした頭の無いゴミもいたけど、見つけ次第俺のスコアにしてやったよ。


「うおおお!!!ギャレット上級曹長が戻って来たぞぉ!!!」

「よくぞご無事で!!!ギャレット上級曹長殿!!!」

「あんたは本物の英雄だぜ!!!」

「キャー!今日も俳優みたいなハンサム顔に浮かべた不敵な笑みが素敵だわぁ!!!」

「ランカーを殺ったって事は!上級曹長殿はランカー確定!?」

「マジかよ!俺たちが見てんのは伝説の幕開けなのかよ!!!」


帰艦命令に従い、母艦に戻って早々俺は割れんばかりの歓声に包まれた。


まるで野球やサッカーなんかの試合のスタジアムの歓声みたいだなぁ。

パイロットスーツ越しでも肌で感じるよ。

これだよこれ!俺が求めていたものは!


あ~この周りの喝采!羨望の眼差し!

GISDFの上官が、ニタニタ嫌らしく笑いながら口先だけ褒めてまた無能の尻拭いさせてきたのとは、比べ物にならんくらい自己顕示欲が満たされるッ!

これこそが俺の求めていた暮らし!人生!雑魚狩りして英雄と呼ばれるイージーモードな人生ッ!!!


あの雑魚は腐ってもランカーだったし、これだけのスコアがあれば俺もランカー確定かな?

ランクなんか飾りみたいなもんだけど、これからの俺の輝かしい人生には飾りが要るから、ランカーになる必要は当然ある!


機体から降りて、周りに手を振りながらそんな事を考えていると、周りの人だかりが割れた。

そこを通って現れたのは艦隊司令たちだ。


「ジャック・ギャレット上級曹長!任務を終え、帰艦いたしました!」


敬礼して俺は艦隊司令にそう言った。

…ギリギリまで色々理由をつけてスコアを稼いでたのが不味かった?

あっ、違うっぽい。なんか艦長たちと一緒に俺に敬礼してる。


「ギャレット上級曹長、よくぞ…よくぞ成し遂げてくれた!」

「君の活躍のおかげで、AL4α駐留艦隊と第4パトロール艦隊は壊滅を免れ、コロニーに住む人々の尊い命が守られた。君はアルビオン防衛軍の誇りだ!」


滅茶苦茶褒めてくれるじゃん…

しかも、心からの言葉だって伝わってくる…

兵員の練度はカスだけど、上の人間の民度はGISDFより遥かに上だな…


「君がしてくれた、わが身を顧みぬ献身には…必ず報いよう!詳細な報告は後で構わない。今は一先ず体を休めてくれたまえ!」

「は!ありがとうございます!」


任務を達成した報酬に、更なる任務を寄こしてくるGISDFの腐れ上層部は、彼らの爪の垢を煎じて飲むべきなのでは?

俺の言葉に、満足そうに頷いて去っていく彼らを見て、心からそう思った。


とりあえず、上の許しも出たから部屋で寝るつもりだが、その前に俺はおやっさんと話すことにした。


「やあ、おやっさん」

「おう、ジャック坊!聞いたぞ!ランカーの海賊相手に大立ち回りしてたんだって?相変わらず大したもんだ!」


「よしてくれよ…GISDF時代にFランク帯のランカーは何人も斃してるんだぜ?」

「あの時は、周りも腕利き揃いで第四世代機に乗ってたろ…?謙遜も過ぎりゃ嫌味になるぜ?」


「おっとぉ?それじゃ、俺は“ランカーを討ち取ったスーパーエースのジャック様だぞ!”って、偉ぶってた方がいいかな?」

「ああ!そうしとけ!調子は乗れるときに乗って、それを上手く乗り熟さねぇとな!」


そう言って俺たちは笑い合う。

やっぱ、この人は変わんないなぁ…

みんなが俺を尊敬して、憧憬の眼差しで褒めたたえてくれるのはいいけど、等身大の俺を見てくれる相手も欲しいんだよね!(強欲)


「機体の事は任せとけ!いつも通り万全な状態にしてやるよ!」

「あぁ、シンデレラのかぼちゃの馬車を頼んだぜ?魔法使いさん!」


俺は彼の言葉に冗談めかして返事をする。

本当、この人は頼りになるんだよなぁ…


「ははははは!!!随分屈強なシンデレラがいたもんだな!」

「おうよ!俺たち魔法使いの魔法で、お前らのかぼちゃの馬車をピカピカにしといてやるよ!」

「十二時過ぎても踊り続けられるぜ!」


おやっさんのこういう冗談に冗談を返してくれんのほんと好き。


「頼もしいねぇ!なんせ、おやっさんの魔法のおかげで生き延びて、防衛軍の総司令官になったシンデレラもいるしな!」


俺は彼との掛け合いを楽しんだ後部屋に戻った。

ブレイカースクワッド時代程じゃないが、長時間SAFに乗ってたんで普通に疲れてるしなぁ…

艦隊司令も休んでいいって言ってたし、何時間か寝たら報告書を書くわ。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



その後、俺の所属する第1パトロール艦隊はAL4αコロニーにしばらく駐留することになった。


コロニー駐留艦隊は三隻撃沈されて残りもドッグで修理中…

余裕で全滅判定が出る状況だな…

第4パトロール艦隊も二隻撃沈で残りはドッグ入りと、無事な艦が無い状態だ…


中々悲惨な状態だが…

まぁ、倍以上の敵相手にそれで済むあたり大健闘だったと思う。


ここAL4α宙域は、惑星AL4の軌道上に近い宙域の一つで、近くに居住地であるAL4αコロニーがある。

レアメタルであるステラリウムが見つかったのは、資源採掘に使われている惑星AL4の衛星の一つだったから、キルディザスター(笑)はAL4近くの宙域を制圧し、ステラリウムを独占して利益を得ようって腹だったんだろう。

死んだから本当かどうかはもうわかんねーけど。


そういう事で、当面の間はコロニー駐留艦隊の代わりに、第1パトロール艦隊が駐留することになったってわけさ。

第4パトロール艦隊のやってたアルビオン星系外縁付近の巡回は、本土防衛艦隊が出てきてやってくれるらしい。


なんでも、この星系の元老院議員の先生がステラリウム鉱山はアルビオン星系の生命線だから、本土の守りを薄くしてでも守るべきだと指示したらしい。


仮に単なる人気取りだとしてもその判断は妥当だねぇ…

実際、本土である惑星AL2とAL3近辺にも駐留艦隊はいるし、その辺で対処できない数の艦隊が星系の奥底まで侵入してる時点で、既に王手かかってるようなもんだろうし…


近くから速攻で駆け付けた第4パトロール艦隊に、完全にビビり散らしながらも救援に向かう事を決めていたここの艦隊司令…

思った以上にここの星系の人たちって気骨があるのかな?


まぁ、それはさておき。

俺は俺の仕事に集中しよう。


俺の仕事とは…


「5番機!動きが遅すぎる!死にかけのジジイの方がまだ機敏な動きが出来るぞッ!もっと!ブースターを使って!動けッ!!!」

「3番機!発砲するときに動きが止まりすぎだ!SAFは人間と違って動き回りながら撃てるんだぞ!もっと動きながら攻撃しろ!!!」

「6番機!相手を倒した後呆けるな!実際の敵味方入り乱れる戦場では、その場で無防備に突っ立ってるのは殺してくれって言ってるようなものだ!!!」

「8番機!なんだそれは!お前は歩けるようになったばかりの赤ん坊かなにかか!?SAFの基本はブースターを使った移動だぞッ!!!歩き回るだけのSAFなんぞ装甲車や武装ヘリなんかに蜂の巣にされてお陀仏だろうがッ!!!ブースター吹かすのが怖いならせめて走れぇ!!!!」


我が軍の超低練度カスパイロットの訓練である。

その低練度カスパイロットどもが、曲がりなりにも訓練を受けたプロだったという事を俺は思い知らされていた。


今回の戦いで駐留艦隊は大打撃を受け、その穴埋めのために新兵たちを採用したため、元々低かった練度が更に低下して悲惨なことになっている。

そのため、辛うじて訓練を受けていたカスどもとは違い、何も知らない適性だけはあった文字通りの素人たちを訓練し、ブースター使って飛んできて走り回りながら弾をばら撒けるカスに調教しなければならないのだ。


「ええい、2番機なにをモタモタしとるか!貴様は今までなにを学んできおった!」

「9番機!さっさと立ち上がりなさい!その程度ではあなたにもSAFにも異常はないでしょう!?」

「1番機!トップアタックの後すぐに追撃を加えろ!その武装と当たった位置だと、敵を仕留め損ねている可能性もある!」


現在、俺は第1SAF中隊と駐留艦隊のSAF部隊の合同訓練を、他の教官とモニターしながら通信機に向かって怒鳴っている。


見て思ったのは、GISDFって練度高いんだなって事…

SAFに適性があっても、パイロット向いてなきゃ志願してきても弾くし、訓練中にパイロットとしての才能が全くない奴は弾いてたからなぁ…


アルビオン防衛軍みたいな、星系一つ分程度の規模しかない組織は人口の問題もあってか、余程のことが無い限り十三歳以上かつ一定以上のQBRCがあれば受け入れている。

当然、そうまでしてかき集めたパイロットは、本人に余程問題が無い限りクビにはできない。


「…演習は以上で終了だ。各自ハンガーに機体を戻し、一時間後までにブリーフィングルームへ行くように。今回の総評を行う」


この中で、最も階級の高い壮年の教官が、眉間を抑えながら訓練の終了を告げた。


「はぁ…諸君、お疲れ様。この後のため、今回の記録からある程度総評を決めておきたい」

「今後の反省点について、諸君らの意見を聞いておきたい」


溜息を吐きながらそう言ったのは、一番階級の高いウィリアム・クリストファー・ケリー少佐だ。

彼にとってもこの惨状は頭が痛くて仕方ないようだ。


「うーむ…なんというか…今回入って来た新兵どもは…その…いつにも増して出来が悪い」

「8番機に至っては走る事すらできていない…」

「不測の事態に直面した場合、その場で硬直する者もいるというのは…中々致命的です。この後はその辺の訓練を徹底すべきではないですかな?」


教官の一人、アントニー・ヘロルフ・ポンエー中尉がそう口にする。

まぁ、ポンエー中尉の言う通り実際に出来は恐ろしく悪い。

教えた通りに機体を飛ばすどころか、走り方を忘れて歩いてる者までいたほどだ…

それに硬直したら死ぬし、その辺は反射的に行動できるくらい叩き込んだ方が良い。


「その…やはり、少年兵…年少のパイロットは養成所へ送り返した方が良いのではないでしょうか?」

「9番機などは転倒したり、さほど高くない高さから落ちた衝撃で、すぐに行動不能になっていましたから…」

「また、年少者以外にも転倒状態から自力で起き上がれない者もいたので、そういう状態から起き上がる訓練も増やすべきです」


少年兵だけでも送り返そうと言ったのは、カティ・マクネアー大尉。

彼女はこの中では唯一の女性で、厳しくも優しい一面があり、見目の良さも相まって候補生や兵たちから人気がある。

元々、マクネアー大尉は子どもを戦わせる事に心を痛めていたため、少年兵たちに厳しく当たっているが、それも子どもたちにさっさと除隊してほしいからだ。


まぁ、それを抜きにしても体の出来上がっていない子どもだと、フィジカルの問題もあるのか疲れるのが速いし、強い衝撃を受けた後の復帰が遅いように見える。


「ふむ、なるほど…二人の意見はわかった。ギャレット上級曹長、貴官からなにかあるかね?」


あっ、ヤベェ…俺だけ何も言ってないからサボりだと思われてる?

なんか言わねぇと…

うーん…ぶっちゃけゴミ過ぎて話になんねーんだよな!


でもそう言ったら、俺の“英雄”としての顔に泥パックだからなぁ…

まぁ、根本的に…


「フィジカル面が貧弱な者が多いですね」


うん、もうそれなんだよね。

この程度の訓練で中盤から露骨に動き悪くなってたよね。

体力不足だよね?パイロットは体が資本だよ?

まともなのは俺の後輩(これ俺の後輩だよね?後輩っぽいよね?俺の後輩です)バレット少尉だけだよ。彼と休日にジムで出会ったけど、体力の重要性を理解してたしな!


「特に、新しく補充したパイロットたちは、途中から明らかに疲労が目立っている者が多いです。それは特に18歳未満の年少者たちに顕著に見られています」

「また、元々我が軍に在籍しているパイロットたちも、お世辞にも新兵たちより体力的に優れているとは言えません」

「よって、年少者たちはマクネアー大尉の言う通り、最低限の基準に満たない者は養成所へ送り返す事も検討すべきでしょう」

「また、最低限の基準に達している者たちも、もっとフィジカル面の強化を行うべきでしょう」


あっ、良かった!ケリー少佐も頷いてる。

他の教官も頷いてるし…

あっ、自分の提案にある程度の援護射撃をしてもらえたのが嬉しいのかな?

マクネアー大尉少し嬉しそう。


「うむ、どれだけ操縦技術があっても、戦い抜くのには体力が最も重要な要素である!貴官はそれをよくわかっているのだな!流石は元ブレイカースクワッドだ!」


ケリー少佐嬉しそうだな…

俺の発言はそんなに琴線に触れたのか?


「では、次に今回の演習で動きがよかった者を…」


動きがよかった奴では、皆がバレット少尉を挙げた。

次点に、7番機の“サラ・コールリッジ伍長”の名前が挙がった。

多分、名前的に女性かな?

SAFパイロットは下士官以上が多いから、多分養成所出たばかりの人かな?

元々駐留艦隊にいたなら、前の戦いで減った人員の穴埋めで、昇進しててもおかしくないからね。


俺は面識がないから、多分駐留艦隊の所属だろう。

どんな人なんだろ?

これから俺も教官として会う事もあるだろうな。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



AL4αコロニー、アルビオン防衛軍駐留基地のモニタールーム。

ここは今、教官たちの怒鳴り声と緊張で満たされていた。


「5番機!動きが遅すぎる!死にかけのジジイの方がまだ機敏な動きが出来るぞッ!もっと!ブースターを使って!動けッ!!!」

「3番機!発砲するときに動きが止まりすぎだ!SAFは人間と違って動き回りながら撃てるんだぞ!もっと動きながら攻撃しろ!!!」

「6番機!相手を倒した後呆けるな!実際の敵味方入り乱れる戦場では、その場で無防備に突っ立ってるのは殺してくれって言ってるようなものだ!!!」

「8番機!なんだそれは!お前は歩けるようになったばかりの赤ん坊かなにかか!?SAFの基本はブースターを使った移動だぞッ!!!歩き回るだけのSAFなんぞ装甲車や武装ヘリなんかに蜂の巣にされてお陀仏だろうがッ!!!ブースター吹かすのが怖いならせめて走れぇ!!!!」


他の教官の声をかき消すかのように、怒涛の叱責を行う男がいる。

アルビオン星系では既に知らぬものはいない、サリヴァン総司令官に次ぐアルビオン星系の英雄…

ジャック・ギャレット上級曹長である。


そのあまりにも容赦のない叱責に、周りの教官も自分の事ではないにも関わらず思わずすくみ上る。マクネアー大尉などは若干涙目になっているほどだ。

地獄の様な最前線で、強者たちとしのぎを削ってきたその男の存在に、教官たちも緊張が隠せない。

しかし、教官たちはそれをなんとか表には出さず、通信機のマイクの先にいる自分の担当への指導を行う。


「ええい、2番機なにをモタモタしとるか!貴様は今までなにを学んできおった!」

「9番機!さっさと立ち上がりなさい!その程度ではあなたにもSAFにも異常はないでしょう!?」

「1番機!トップアタックの後すぐに追撃を加えろ!その武装と当たった位置だと、敵を仕留め損ねている可能性もある!」


彼らもジャックの気迫に負けじと指導を行う。


「…演習は以上で終了だ。各自ハンガーに機体を戻し、一時間後までにブリーフィングルームへ行くように。今回の総評を行う」


そう、ケリー少佐が演習の終わりを告げると。

教官たちによる今回の演習のまとめが行われる。

今後ための反省点を各教官は挙げていく。


「うーむ…なんというか…今回入って来た新兵どもは…その…いつにも増して出来が悪い」

「8番機に至っては走る事すらできていない…」

「不測の事態に直面した場合、その場で硬直する者もいるというのは…中々致命的です。この後はその辺の訓練を徹底すべきではないですかな?」


と言ったポンエー中尉。

ケリー少佐は頷きながら思った。


(やはり…全体的な質の低下は否めんな…)

(無い袖は振れないが…不測の事態に全く対応できんのはなぁ…気長に訓練する他無いが…果たしてそんな時間はあるのだろうか。またこんな事があれば…)


彼は思わずコロニー駐留艦隊の未来に悲観的になる。


(それに…根本的な問題に言及しとらん)


彼の脳内にはパイロットの体力不足の事が浮かび上がる。


次に、マクネアー大尉が恐る恐るといった態度で口を開く。


「その…やはり、少年兵…年少のパイロットは養成所へ送り返した方が良いのではないでしょうか?」

「9番機などは転倒したり、さほど高くない高さから落ちた衝撃で、すぐに行動不能になっていましたから…」

「また、年少者以外にも転倒状態から自力で起き上がれない者もいたので、そういう状態から起き上がる訓練も増やすべきです」


そんな彼女の意見にケリー少佐は若干呆れつつも内心同意した。


(間違ったことは言ってはおらんのだ…もっと堂々と言わんか)

(SAFパイロットは怪しい者以外、来る者拒まずの軍の基本方針だが、使えんものは要らん。使い物になるまで養成所から出さないか、さっさと除隊させるなりすれば良いのだ)

(少なくとも一定以上の体力が無ければ要らんよ)

(全く…優しすぎるのも問題であるな。貧弱なガキどもなど、前線ではお荷物にしかならないから送り返せとでも言えばよかろうに…)


そして、彼は先ほどから何も言わず沈黙を保っている男の方を見た。


(な、なぜ何も言わん!?間違っているというなら口にしてくれ!)

(えーい!いっそのこと直接聞いてやる!)

「ふむ、なるほど…二人の意見はわかった。ギャレット上級曹長、貴官からなにかあるかね?」


ケリー少佐は緊張した面持ちでジャックを見つめる。

やがて、少しの逡巡の後彼は口を開いた。


「フィジカル面が貧弱な者が多いですね」


それを聞いたケリー少佐は内心激しく同意した。


(うむ!それだ!その意見を待っていた!ようやくだ!)


やっと、自分と同じ意見の者が出たのだ。

根本的に足りないものを指摘してくれるものがいたのだ。


「特に、新しく補充したパイロットたちは、途中から明らかに疲労が目立っている者が多いです。それは特に18歳未満の年少者たちに顕著に見られています」

「また、元々我が軍に在籍しているパイロットたちも、お世辞にも新兵たちより体力的に優れているとは言えません」

「よって、年少者たちはマクネアー大尉の言う通り、最低限の基準に満たない者は養成所へ送り返す事も検討すべきでしょう」

「また、最低限の基準に達している者たちも、もっとフィジカル面の強化を行うべきでしょう」


その彼の意見を聞いたケリー少佐は、思わず彼にハグをしたくなった。


(まさに!まさにその通りだ!)

(そうか!彼は我らに対し苛立っていたのではない!ただ、他の教官の意見に耳を傾け、議論が行き詰ったところで根本的な問題を指摘しようと思っていたのだな!)

「うむ、どれだけ操縦技術があっても、戦い抜くのには体力が最も重要な要素である!貴官はそれをよくわかっているのだな!流石は元ブレイカースクワッドだ!」


彼は自分と同じ意見の者が出た事に気をよくしていた。

有能な人間が自分と同じ意見だったためだ。


「では、次に今回の演習で動きがよかった者を…」

(二人の教官たちも優秀だ。そこに彼のような男が加わるのだ…)

(必ずや、コロニー駐留艦隊のパイロットを一端のSAF乗りにしてくれだろう!)


ケリー少佐はジャックがいれば、必ずコロニー駐留艦隊SAF部隊を再建できる。そう確信していた。

ゴミ過ぎて話にならないなどと思われていたとは知らずに…


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