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最終回 【パパの最愛の2人で飲み会?】

 ***************[side アロマ·side 陛下]


 まさか、パパの遺骨の前で陛下と飲み会になるとは思わなかったです。


 “忌中払い”?って言うのかな?


「お前は、もう酒を飲めるのか?」


「自分は、26です。」


「そうか。サリューがお前をあの女に押し付けられた年であるな。」


「ああ、そうでした。」


 急に僕は、ニコニコしてしまった。


 陛下は、おかしなものを見るようになさっている。


 パパは、僕の今の年でパパになっていたんだね。


 それにしても、皇帝陛下は、パパ情報がすごいね。


「酒はサリューよりは飲めるのか?」


「父だけです。あんなにお酒が弱いのは。

 家では、夕食に水を飲んでいるのは父と姪や甥の子供達だけです。」


「ククク。」


 陛下が、お笑いになった。


 それから、静かにどちらともなく、

 パパの危なっかしい事を色々思い出して話ながら、

 陛下と飲ませていただいた。


「お前は、飲んでも顔にも出ぬのか?」


「ワイン一杯で、ぐでんぐでんになるのは父だけです。」


 パパの遺骨につい目をやると、陛下が仰った。


「これを、そのうちには“島”に撒いて来てやろうと思う。」


「“島”?ですか?」


「聞いておらぬか?」


「はい。」


「昔、子供の頃のサリューを連れて行った。

 その後も、気に入ったようで時々足を伸ばした。

 その後に、サリューにくれてやった。

 “あれ”にしては珍しく、押し返しもしなかったが。」


 子供の頃?それは、新情報!!知りたいなあ。


 でも、ここでがっついたらダメだよね。


「気がついたら、サリューが4人を‘島’で構い出した。」


 4人?殿下達だね。パパ陛下の愛情を変な有効活用しちゃったんだ。

 パパらしいけれど。

 それって、婚約の宝石を、他人に貸すようなもんじゃないのかね?


「あれー。それは駄目ですよね。

 パパって、ちょっとそういう鈍いところがあるんですよね。」


「そうであろうが?分かるか?」


「ええ、何も陛下からの賜り物を、

 他の事に使っちゃったら駄目ですよね。

 帝国中を探して見たら、皇女様方のご養育に相応しい場所など、

 いくらでも見つかりますでしょうに。」


「そうだ。あれは、授けた私の想いなどを考えもせぬのだ。」


「すごく分かります、陛下。

 たぶん、パ…父は、ちょうど良い場所を探す事が『面倒臭くて』

 場所を空かせておくのが『もったいない』とでも思ったのではないでしょうか?」


「ああ、そうだった。

 “あれ”は、直ぐにそう申していた。」


 パパの遺骨の前で、パパを()き下ろし。

 ちょっとごめんなさいパパ。


「お前の先程からの、パ父とはなんだ?」


「はあ、陛下には、お聞き苦しく申し訳ございません。

 父の元で仕事を始めるにあたり、

 自分の口癖の“パパ”を一回言うと、

 俸給の1割を減給すると言われておりまして。

 十回で、無俸給で働かされる事になるそうで。」


「ははは、本当に引かれたか?俸給から。」


「陛下、それがひどいんです。

 口だけだと思いましたのに。

 父は、本当に俸給から減額して。

 明細書を見て、俸給が無くてびっくりしました。

 それが、数ヶ月もずっとです。」


「わははは。それでどうした?

 お前とて、先立つものが無ければ困るであろうが。

 あれのことだ。そっと影からでも金を授けたか?」


「いいえ、陛下。

 父は本当に、くれなかったんです。」


「ほお。身内に甘い“あれ”にしては珍しい。」



「はい。でも父は、抜けているのかわざとなのか分からないところで。

 僕が学生の時に、学費と生活費、書籍の費用を賄いますのに、

 父の名義のカードを預けられておりました。

 それを、そのまま返せとも言わないので持っておりましたので。

 しばらくは、父の名義の口座から、勝手に使わせてもらっていました。

 たぶん、父はそれを気がつくどころか、預けた事さえも忘れているのだと思います。

 父は、金銭に細かいところが全然ありません。大雑把です。

 自分の為に贅沢は、いたしませんが。


 たぶん、父はすごく頑張って僕に“お仕置き”をして鍛えたつもりで。


 僕よりも、自分が頭を抱えて四苦八苦の想いでおりましたのではないかと。

 なんだか気の毒なような、かわいいような気がいたしました。」



「ははは。実にサリューらしい。

 “あれ”は、頭は、間違いなくこの帝国で比類なく切れるのだが。

 どうも、自分の足元は、危なっかしいところがあるのだ。」


「はい。もっと父を……手伝いたかった……です。」


「………そうか。」


「必ず、父にもう一度だけ会えるはずと、この頃は言い聞かせております。」


「?どこでだ。」


「父は、過保護なところもありましたから、

 いつか自分が向こうに赴いた時に、

 きっと迎えに出て来てくれているはずです。

『迷子になるかと迎えに来た』と。

 父に、叱られないように、もう少し頑張ってからいった方が、

 父を悲しませる事がないのだろうと……

 ですから……。

 もう少し。もう少しと今は毎日思って……おります。」


「サリューの息子、アロマと言ったな。

 私もまだ、整理はつかぬ。

 これを、“島”に撒いて来る時には、お前も来るか?」


「はい。是非にも。」


「ただ、分からん。

 生涯その気にならぬかもしれぬ。」


「はい。」


「しばらくは、こうしてたまに“これ”の前で、話をするのも悪くはなかろう。」


「はい。」


「“あれ”が、サリューがそのように望んだのであったのなら、

 もう少しお前も励め。

 私も、……そうありたい。」


「何が《早期退職》であろうか。

 自分だけ、さっさと……。本当に、勝手な……。

 いつも……いつも。」


 陛下の涙は、決して顔を上げて見てはいけないと思った。


 でも、パパの為に……。

 ありがとうございます。皇帝陛下。



目に入れて下さった方が、どう思って下さったのだろう?

今日の暇潰しや気分転換になってたりしたら嬉しいなあと思っております。


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