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■第121話 深奥への疾走と、歓喜のギルドと寺院

いつもお読みいただき、ありがとうございます!

それでは、本編をお楽しみください!


熟練パーティとの見事な共闘を終え、僕は晴れやかな気分で『はじまりの迷宮』のさらに奥、未踏の最深部エリアへと足を踏み入れていた。


(仲間と連携して戦うのも、やっぱりいいもんだな。前回の『解体地獄』での失敗は僕のペースの強要が原因だったけど、お互いの役割を理解して噛み合わせれば、あんなに凄まじいシナジーが生まれるんだ)

パーティ戦闘への苦手意識は、いつの間にか完全に消え去っていた。


そして、その共闘で得た『連携の感覚』や『力の受け流し』は、僕のソロでの立ち回りをもさらに上の次元へと引き上げていたのだ。


「グルオォォォォッ!!」


最深部に近づくにつれ、現れる魔物たちの威容も一層跳ね上がっていく。

体長5メートルを超える『ギガントオーク』や、全身を漆黒の甲冑で包んだ『ダークトロール』。一匹一匹がボス級の脅威であり、それが十数体の群れをなして押し寄せてくる。


かつての僕なら、力任せのフルスイングでゴリ押し、スタミナを猛烈に消費していた場面だ。

だが、今の僕は違う。


「フッ……!」


襲い来る巨大な鉄槌を、肩の力を抜いた『雲海の剣』で滑らせ、スッと側方に受け流す。巨体が自重で体勢を崩した絶妙の隙へ、脱力した最速の一閃を滑り込ませる。

ズバッ!!


「グ、オ……!?」


手応えは驚くほど軽い。最小限の運動エネルギーで急所を断ち切られた巨獣たちが、次々と地響きを立てて倒れていく。

息が乱れることもなく、万が一スタミナが減っても『体力回復ポーション』を一口呷れば即座に全快だ。まさに敵なしの快進撃だった。


「よし、魔石の回収も完了!」


最深部の強敵たちが落とす魔石は、大きさも純度もこれまでの比ではなかった。拳ほどもある大きな輝く魔石を、僕はホクホク顔で麻袋へと詰め込んでいった。


数時間後。

ズッシリと肩に食い込む麻袋を担いで地上へ戻った僕は、まず冒険者ギルドへと向かった。


「受付ちゃん、ただいま! 今日の換金をお願いするよ」


ドンッ! とカウンターに置かれた麻袋から溢れ出たのは、これまで誰も見たことがないような巨大で眩い深層の魔石の山だった。


「……っ!? こ、これは、迷宮深層のギガントオークやダークトロールの魔石……!? こんな量を、たったお一人で!?」


受付ちゃんは目を丸くし、口を大きく開けて硬直した。


「ええ。新しい戦い方を試してたら、面白いくらいどんどん倒せちゃってさ」

「す、凄すぎます、銀騎士様……! ギルドの創立以来、この『はじまりの迷宮』のここまで深い階層が攻略された記録はありません! ダンジョンの深奥まで、もうあとほんの僅かですよ……っ!」


興奮気味に顔を紅潮させる受付ちゃんから大量の金貨を受け取り、僕は「ありがとう!」と手を振って、次なる目的地――『平凡な寺院』へと足早に向かった。


「神官ちゃん、寄進に来たよ!」


カランコロンとベルを鳴らして境内に入ると、いつものおさげ髪の神官ちゃんがパタパタと駆け寄ってきた。


「あ、一般人様! お帰りなさ――って、きゃあぁぁっ!?」


僕が祭壇の前にデンッと捧げた極上の巨大魔石の輝きに、神官ちゃんは目を輝かせて歓喜の声を上げた。

「すごいです、一般人様! こんなに綺麗で大きなお供えもの、女神様も大喜びです! 当寺院の歴史に残る寄進ですよっ!」

「はは、受け流しと脱力が上手くいってね。おかげでポーションの消費も抑えられたよ」

「素晴らしいです! 女神様からの感謝の印として、特注のポーションを限界まで補充しておきますね!」


ぴょんぴょん跳ねて喜ぶ神官ちゃんから、出来立ての『体力回復ポーション』とバフポーションをたっぷり受け取り、僕の消耗品ストックは再び完璧な状態となった。


宿屋に戻り、質素だが温かい部屋のベッドに腰を下ろす。


「ギルドの受付ちゃんも言っていた通り……いよいよ、この『はじまりの迷宮』の深奥が見えてきたな」


最初はただの「平凡なダンジョン」だと思っていた。

だが、そこには多勢に無勢の過酷な集団戦があり、泥臭い解体作業があり、道場での特訓やひよっこたちの育成、そして熟練者との共闘があった。

ステータスのゴリ押しに頼っていた僕が、技術と脱力を手に入れ、一歩一歩踏破してきた原点回帰の冒険。


「最深部には、一体どんな『平凡で過酷なボス』が待っているんだろうな」


僕は胸の奥でふつふつと湧き上がる高揚感を感じながら、純銀の『雲海の剣』を静かに磨き上げた。

長かった第六部の旅も、いよいよクライマックス。ダンジョン最深部での最終決戦に向けて、僕の闘志は静かに、しかし最高潮に燃え上がっていた。


最後までお読みいただき、ありがとうございます!


少しでも「面白い!」「次も読みたい!」「ヒョロガリ頑張れ!」と思っていただけましたら、

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