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比べてみなければ、分からない

便別台帳を整備していくと、次に必要になるものがあった。

比較だ。

夜勤の数字だけを眺めていても、夜勤の仕事が多いのか少ないのか、それだけでは判断できない。

日勤と比べる必要がある。

ただし、単純に荷物の個数だけを並べればいいわけでもなかった。

個数が違う。

重量も違う。

働いている人数も違う。

そして、同じ荷物を扱っていても、仕事をする時間帯が違えば、作業の集中の仕方も変わる。

そこを無視して、どちらが忙しいかを決めるのは難しい。

たとえば、荷物が千個あるとする。

それを一時間で扱うのか。

三時間かけて扱うのか。

同じ千個でも、現場の状況は違う。

さらに、その作業を何人で行うのか。

一人なのか。

二人なのか。

それ以上なのか。

人数が違えば、一人当たりの負担も変わる。

だから、個数だけでは足りない。

重量も見る。

人員も見る。

一人当たりの業務量も比較する。

そうやって、夜勤と日勤を同じ土俵で見られるようにする必要があった。

数字を集めるだけなら、記録を続ければいい。

だが、比較するには、比較できる形に整理しなければならない。

それで、勤務比較表を整備していった。

夜勤と日勤。

個数。

重量。

人員。

一人当たりの業務負荷。

これまで別々に見ていたものを、横に並べる。

やっていることは、単純だ。

だが、単純なことほど、今まできちんと行われていなければ、意外な結果になる。

そして、2026年春。

3月から5月の実績を比較すると、一つの傾向が見えてきた。

夜勤は約60%。

日勤は約40%。

従来の「夜勤は荷物が少ない」という認識とは、異なる結果だった。

……あれ?

夜勤って、少ないんじゃなかったっけ。

もちろん、この数字だけですべてが決まるわけではない。

荷物の個数と重量は同じものではないし、仕事の負荷は総量だけで決まるわけでもない。

作業時間や人員配置、付随する業務も考慮しなければならない。

だからこそ、個数だけではなく、重量や人員、一人当たりの業務負荷も含めて比較しようとしていた。

それでも、少なくとも一つのことは分かった。

「夜勤は荷物が少ない」という認識だけでは、実態を説明できない。

それまで当たり前のように語られていた話と、実績の数字が一致しなかったのだ。

俺たちがやりたかったのは、夜勤のほうが大変だと決めつけることじゃない。

日勤より夜勤のほうが優れている、などと言いたいわけでもない。

ただ、実際にどれだけの仕事をしているのか。

それを確認したかった。

そして、確認した結果が、従来の認識と違っていた。

それだけのことだった。

……それだけのことなんだけどな。

現場の実態を確認したら、今までの説明と数字が合わなかった。

普通なら、ここから考え直せばいい。

なぜ違うのか。

どこに原因があるのか。

何を見落としていたのか。

ところが、数字が違うということは、単に計算結果が違うという話では終わらなかった。

そもそも、なぜ夜勤は少ないと思われていたのか。

その疑問が、次に出てきた。


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