↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
7/95

記録は、やがて台帳になった

2025年、夜勤の実態に疑問を持ち、記録を始めた。

その後、データが蓄積されるにつれて、単に記録を残すだけでは足りないことが分かってきた。

何がどれだけ動いているのか。

どこに荷物が集中しているのか。

夜勤と日勤で、実際の処理量はどう違うのか。

それを比較できる形にする必要があった。

2025年後半には、分析の必要性を意識するようになった。

そして、2026年初頭。

便別台帳を整備していくことになる。

到着時刻を基準に、便ごとの荷物の動きを整理する。

夜勤は19時から翌朝6時まで。

日勤は朝6時から19時まで。

勤務帯を分け、到着した荷物を基準にして実態を確認する。

こうして、記録は少しずつ分析の土台になっていった。

最初から、立派な資料があったわけじゃない。

最初から、完成した分析方法があったわけでもない。

疑問があった。

だから、記録した。

記録が増えた。

だから、比較する必要が出てきた。

比較するには、整理しなければならない。

整理すれば、今まで見えていなかったものが見えてくる。

そういう順番だった。

少なくとも、最初から結論ありきで進めた話ではない。

俺たちは、実際に起きていたことを、後から確認できるようにしようとしていた。

それだけだ。

……ところが。

数字を集めれば集めるほど、別の問題も見えてくる。

夜勤と日勤では、見ている荷物が違う。

担当する便が違う。

荷物が到着する時間帯も違う。

同じ営業所で働いているのに、見えている現場が違うのだ。

そして、見えている現場が違えば、同じ営業所の仕事について話していても、認識が食い違うことがある。

これは、単純にどちらかが嘘をついているという話ではなかった。

見ているものが違う。

だから、判断も違ってくる。

その可能性を、数字が少しずつ示し始めていた。

この時点では、まだ一年間の取り組みがどこまで進むのか、俺にも分からなかった。

便別台帳ができる。

時間帯ごとの荷物量を調べる。

曜日による違いを見る。

夜勤と日勤の勤務実態を比較する。

FL便の動きも調べる。

やがて、それぞれの分析結果をまとめ、継続して確認できる資料を作ることになる。

しかし、それはまだ先の話だ。

この時点で必要だったのは、まず記録を残すこと。

そして、残した数字を、都合のいい解釈で終わらせないことだった。

人の記憶は変わる。

話の内容も変わる。

同じ出来事でも、立場が違えば説明が変わる。

だが、記録された到着時刻や個数、重量は、誰かの都合に合わせて変わってくれるわけではない。

そこが重要だった。

人の言葉を否定するためではない。

言葉だけでは確認できないことを、確認できるようにするためだ。

そして、数字を積み重ねていくと、やがて一つの疑問に行き着く。

夜勤は、本当に荷物が少ないのか。

その答えは、印象ではなく、実績の中にあるはずだった。

俺たちは、その実績を探し始めていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。