↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
47/95

公平性とは、負担を一方に寄せることなのか

俺が問題にしていたのは、夜勤の人員を増やすことだけではなかった。

日勤と夜勤、それぞれの業務量を確認し、実際の負担に応じた人員配置を考えることだった。

公平性という言葉は、どちらか一方を優遇することではない。

日勤には日勤の仕事があり、夜勤には夜勤の仕事がある。荷物の量も、到着する時間帯も、作業の内容も違う。

だからこそ、単純に人数をそろえるのではなく、実際にどれだけの仕事を、誰が、どの時間帯に担っているのかを確認する必要があった。

俺たちは、そのためにデータを集めてきた。

ところが、人員配置をめぐる経過を振り返ると、疑問が残った。

2026年3月、俺たちは午前5時30分から6時30分までを夜勤と日勤が重なる時間帯にする案を提案した。しかし、当時は必要ないと判断された。

その後、夜勤に導入されたタイミーについて、ゼロにするよう求められたため、所長と相談し、日勤帯へずれ込む時間の配置をなくす形で調整した。

ところが、その後は日勤側でもタイミーが必要だという話になり、夜勤側の勤務時間を短縮して、その時間を日勤側へ振り分ける方向での話が出てきた。

もちろん、3月と7月では状況が変わっていた可能性がある。日勤側で人手が必要になったのであれば、その必要性も検討すべきだろう。

俺は、日勤側に人員を配置すること自体を否定していたわけではない。

問題は、日勤側で必要になった人員を、なぜ夜勤側の配置を削ることで確保しようとするのかということだった。

日勤側の負担が増えたのであれば、その実態を確認すればいい。夜勤側の負担が大きいのであれば、同じように、その実態を確認すればいい。

双方の必要性を比較したうえで、全体として適切な配置を考える。それが本来の手順ではないのか。

夜勤の荷物量や一人当たりの業務量を分析し、配置の必要性を説明してきた。それにもかかわらず、日勤側で人員が必要になると、夜勤側の配置を減らして対応する方向に話が進む。

その判断に、どのような基準が使われたのか。

夜勤側の負担は、どの程度考慮されたのか。

日勤側へ時間を振り分けた場合、双方の業務負担はどう変わると見込んでいたのか。

そこが明確でなければ、配置変更の妥当性を検証することもできない。

俺には、日勤側の必要性を認めることと、夜勤側の必要性を軽く扱うことは、別の問題に思えた。

一方の人手不足に対応するために、もう一方の負担を増やす。それが本当に全体最適につながるのであれば、その根拠を示せばいい。

しかし、双方の業務実態を比較せず、従来の認識やその場の要請によって夜勤側から調整するのであれば、そこには不均衡が残る。

公平性とは、負担を均等に見せることではない。実際に生じている負担の偏りを確認し、合理的な根拠に基づいて配置を決めることだ。

俺が知りたかったのは、日勤と夜勤のどちらを優先するのかという答えだけではなかった。

なぜ、調整が必要になるたびに夜勤側が調整対象になるのか。

なぜ、夜勤側の実績を分析して配置の必要性を示しても、その結果が判断に十分反映されないのか。

そして、そこまでして負担を一方に偏らせる必要があるのか。

これは、誰かの意図を決めつけて答えを出せる問題ではない。

だからこそ、判断の根拠を確認する必要があった。

俺たちが求めていたのは、夜勤だけを守る特別な扱いではない。日勤も夜勤も、同じように実態を確認し、同じように必要性を検討し、その結果に基づいて配置を決めることだった。

数字を集めてきたのは、そのためだった。

公平性を求めることと、夜勤を優遇することは違う。

そして、負担の不均衡を指摘することは、相手の仕事を軽視することでもない。

双方の仕事を正しく把握したうえで、なぜその配置になるのかを説明できること。

俺は、それを求めていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。