戦いとは
「はぁ」
湊は固有妖術が発動しなかったことを再び思い出し憂鬱な気分になりながらコンビニへと向かう
何がダメだったんだろう…妖力の量なら足りてるはずなんだけどなぁ
湊はコンビニで5キロの無洗米を買うと帰路に着いた
───────妖怪!?
本来妖怪は死の危機で無ければ見えないが、妖力を得た今の湊には彼らの存在が手に取るようにわかる
「キシャァァァァァァァァ!!」
「そこか!」
湊は背後から襲いかかってきた3メートルはあろう巨大人面蜘蛛の奇襲を避け距離を取る
妖怪は恐怖に妖力が集まり形になった存在…虫なんかはよく妖怪になってるって明も言ってたね。それにしてはだいぶキモいけど…人面の蜘蛛とか鳥肌が立つ…
湊は無洗米を端に置くと一枚の紙を取り出し妖力を込めた
何かあった時のために武器を持っていて良かった
紙が妖力で燃え落ちると煙と共に竹刀が現れた。湊は明に習ったように構え、妖力を全身と竹刀に流し込む
よし…妖力による肉体強化と竹刀の強度上昇が出来た!あとは…実戦……!
「キシャァァァァ!」
「うぉぉぉぉ!」
人面蜘蛛はナイフのような切れ味を誇る爪で湊を切り刻もうとするが、湊は竹刀で弾き返し隙だらけの胴体に一太刀浴びせる
力強ッ!それに硬い!もっと鋭い…本物の剣じゃ無いと話にならない…
再び湊へ飛び掛かる
「おら!ってえぇ!砕けた!!」
湊は人面蜘蛛の眉間に突きを食らわせるが竹刀の方が砕けてしまった。このままでは湊はバラバラに切り裂かれてしまう絶体絶命のピンチだが湊は冷静に紙を取り出し妖力を込め発動させた
『結界!』
間一髪のところで人面蜘蛛の攻撃を防いだ湊は再び懐から紙を3枚取り出し妖力を込めた
『式紙!』
3枚の『式紙』を飛ばし人面蜘蛛に貼り付けると同時に爆破させた
「はぁ…はぁ……た…倒した!初めての戦闘で!倒した!!やった!」
湊の喜びも束の間、先程の人面蜘蛛の数倍…いや数十倍は濃く、悍ましい妖力が正面からビシビシと感じ始めた
今の戦闘で何かが来た?…なんだ…何がくるんだ??
ドシッ!!ドシッ!!ドシッ!!
足音だけで彼が圧倒的な強者なのであると物語る
「アァ……ガァァァァァァァァァァァァァァッ!!」
鬼の唸り声と言う表現はあるが彼は表現などでは無く、その姿はまさしく…
猛獣の如き牙、4メートルはあろう巨体、俺より二回り以上大きな棍棒を片手で持ち上げる怪力、赤い皮膚、額から生えた禍々しくうねった黄色い…一本ツノ……妖怪なんて詳しく知らない俺でも知ってる超有名妖怪……
「赤鬼…」
湊は彼の名を思わず口にする。その瞳は絶望か、期待か、怪しくゆらめいていた




