悪鬼の真髄
赤鬼はギロリと黄色く光る眼で湊を見つめるとその丸太の様に巨大な腕で棍棒を振りかざした
『結界』が!?
湊が先程まで展開していた『結界』はまるで埃を払うかの如く容易く砕かれ、その勢いのまま湊は棍棒に弾き飛ばされる
ガガガガガガッ!!!
無数の木々を薙飛ばしながら湊は20メートル以上吹き飛ばされても一切止まらず、川に飲まれるまでその勢いは止まなかった
「はぁ…はぁ…はぁ…」
化け物が…
────────────────────────
「ふんふふんふふんふふーん」
鼻歌を歌いながら湊に隠していたアイスを食べようとする風呂上がりの明の耳に轟音が届く
「え?な、何?この音…まさか湊…??大丈夫かな…………よし!見に行こう」
明はすぐさま身支度を済ませ外へ出た
────────────────────────
『式紙!』
4枚の紙が赤鬼にピタリとくっつき、爆破するが煙の中からは無傷の赤鬼が立っており、不気味な笑みを浮かべていた
「そりゃ…これ程度じゃ焼け石に水だよな」
赤鬼は再び棍棒を振りかざす
逃げ───────!?
うまく動かない足に違和感を感じ、目線を足に向けた時初めて左足が本来曲がらない方へ曲がっていることに気がついた。湊はこれから起こることを察し、恐怖に目を瞑るが、いつまで経っても棍棒は振り下ろされず代わりに金属が激しくぶつかる音と彼女の妖力が目の前に現れた
「────って明!?どうして」
「それはこっちのセリフ!なんでこんな化け物と戦ってるの!?妖力差がわからなかったの?」
「突然現れて足を…」
明は湊の足に視線を移す
「なるほど……とりあえず話は後!今はコイツをどうにかする!」
明は鍔迫り合いになっている赤鬼の腹部を蹴り飛ばし赤鬼を吹き飛ばす
赤鬼相手に出し惜しみは…無し!!
『斬虹!』
明は天叢雲剣を両手で握り一気に赤鬼との距離を詰めると神速の7連撃を同時に繰り出す
「逃げられた……」
斬撃が当たる瞬間赤鬼は突如として霧に飲まれ姿を消した。それを見た明は天叢雲剣を鞘に収めると湊の方へ向かって歩き、先ほど見て抱いた疑問を投げかける
「ねぇ…湊……もしかしてだけど……痛覚…ないの?」
「──────あはは…バレちゃったか…とりあえず帰ろう?早くしないと他の人が来てめんどくさい事になっちゃうしさ?」
湊の顔には哀しい様な、悔しい様な複雑な感情が現れていた




