妖術師の覚悟 《漆》
「──────来たか…湊」
「統…」
「最強の妖怪だとしても所詮は獣か……こい!俺の手で確実に仕留めてやる!」
湊は二本の剣を引き抜くと統に切り掛かる
ギギギィィィィィィッ!!
統の《ゲイ・ボルグ》とぶつかり合い、周囲に金属の擦れる音が広がると同時に火花が舞う
「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
湊の猛攻を的確に統は捌き、反撃を繰り出す。間一髪頭蓋を貫かれる前に躱すが、頬に小さな切り傷が付く
「次こそは貫いてやる!!」
『模倣』
《ゲイ・ボルグ》と『三日月』か激しくぶつかり、統の手から《ゲイ・ボルグ》が弾き飛ぶ
勝った!
湊がそう確信し剣を振るったその瞬間
ブゥゥゥゥゥゥゥ!!
到底拳からは出ないであろう音と共に湊の体に13連撃が叩き込まれた
「槍が無ければ勝てると驕ったな!その時点ですでにお前の負けは決まっている!!」
統は湊の頭を掴み地面に叩きつけるとそのまま腹部をぶっ叩き吹き飛ばす
「はぁ…はぁ……はぁ………」
《天雲》が…
湊は統の拳を食らい、砕けた天雲を投げ捨て、天叢雲剣を強く握る
13連撃は同時じゃない…『斬虹』で…いやあれは7連撃を同時に行う事はできてもその二倍は流石に捌き切れない…なら『斬虹』を同時に2回……そうか!『模倣』は真似する能力じゃ無い…理想の動きを行う能力。なら……本来出来ない事『斬虹』を2回同時に発動することだって
「あっはっはっはっは!!忘れていたよ!『模倣』の能力!!」
「痛みで頭がイカれたか…ならば終わらせてやる!」
ブゥゥゥゥゥゥゥ!!
統は湊に近づき再び13連撃を叩き込む
『模倣ッ!!』
湊はもう一本天叢雲剣を作り出し、両手でそれぞれの天叢雲剣を握ると『斬虹』を両腕で行い、不規則な13連撃を同時の14連撃で切り落とすと、湊はそのまま距離を詰める
まずい!
「逃すかぁぁぁぁぁぁッ!!」
逃げようとする統の足を湊は即座に切り落とすと、そのまま統の首を切り裂いた
───あと少しだったんだがな…俺の理想郷─────
統は届かなかった理想を抱きながら地獄へと堕ちていった




