妖術師の覚悟 《陸》
『結界!』
間一髪湊は『結界』を展開し赤鬼の攻撃を弾くと再び『模倣』を発動し『三日月』を赤鬼に叩きつけた
「危なかったね湊」
「うん…来るよ!」
土煙が晴れるとそこには赤い表皮が漆黒へと変わり果てた赤鬼…いや黒鬼がそこに居た。黒鬼は先程以上の速さで明に棍棒を振るう
受け止めたはずなのに…
ガードには成功したが、勢いを殺しきれず吹き飛ばされ壁を突き破る。壁に激突した衝撃で全身の骨が砕かれ血が辺りに舞う。そんな状態になろうとも明は意識を手放さず、詠唱を始めた
『模倣』
黒鬼の烈火の如き猛攻を湊は『模倣』を繰り返し発動し、何とか捌く
『式紙!』
湊は以前と同じように黒鬼の視界を奪いほんの一瞬の隙を突いた
『模倣!』
湊の放つ『斬虹』により、同時に7箇所を切り刻まれた黒鬼は膝を付いた
まだ足りないのか!?明の固有妖術を完璧に模倣したんだぞ!?
黒鬼が再生を終え、再び棍棒を振るおうとしたその時
「湊離れて!」
『奥義《須佐男》!!』
詠唱を終えた明が放つ一撃は大地を裂き、雲も裂く。そんな一撃を回復し切っていない体で受けた黒鬼は遂に耐えきれず灰となった
「明!!」
身体中から血を流し倒れた明に湊は近づく
「こんな状態で《須佐男》なんて使っちゃったから…ね」
「明…喋るな…傷が」
「湊…私はここまでみたい……だからあなたに託す!天叢雲剣を!」
湊は瀕死の明から天叢雲剣を受け取る。それを見届けた明は笑みを浮かべながらゆっくりと意識を手放した
明……
湊は2本の剣を腰に携えるとゆっくりとその足で神殿へと向かった




