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百妖伝記  作者: いかのおすし
第五章 成魚は大海へ出る
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悪夢 《弎》

数十分前………

  

突如として統が現れ地下神宮に出入りを禁ずる強力な『結界』を張ると落武者を置いて姿を消した。落武者は地下神宮にいたほぼ全ての妖術師を切り裂く。ただ一人を除いて 


私の剣技を受け止めるとは…やるな!おそらくは封印妖怪なのだろうが、文献にこのような妖怪は載っていなかったはず


光一は落武者の太刀を受け止めると固有妖怪を発動し、落武者を黒い風で切り刻もうとするのだが


『黒風』が効いていない!?いや全て叩き落としているのか……ふっふっふ…なるほどこの妖怪に対する文献が残って居なかったのは目撃者の全員を切り伏せたからか…


その頃ようやく神宮の地下にたどり着いた明が見たのは強力な結界であった 


この結界は統が廃病院で作っていたのと同じ『結界』?一回見た『結界』なら私でも解ける! 


明はすぐさま『結界』を解析し解いた 


「師匠!?」

 

明が目にしたのは腹部を貫かれた光一と落武者の妖怪の姿だった 


斬虹ザンコウ!』 


7つの斬撃が同時に落武者を襲う 


「は?」


だが落武者は容易く捌き切り、明を蹴り飛ばす 


なんなのコイツ…!? 


落武者は異様な構えを取ると明に急接近し、その剣技をその身に切り刻む


「ッ……」

 

振り下ろした刃の向きを変え再び切る剣技を受けた明は吐血し膝をついた 


今のは燕返し!?だとしたらこの落武者のモチーフになった人物は佐々木小次郎ってこと?世界トップクラスの大剣豪じゃない… 少しでも隙が有れば…


落武者の一閃が明に当たる刹那光一が身を挺して庇い上下に分たれてしまった 


「え」 


あまりの衝撃に明は眼前まで迫った落武者の蹴りに気が付かず壁まで叩きつけられそこで意識を失ってしまった 


模倣コンボ!!』 


湊は距離を取りつつ『三日月エア』で牽制する 


なんなんだコイツ?一挙手一投足が宗吉くらい速い!パワーは宗吉よりかは明や光一みたい…隙を見せた瞬間斬られる! 

湊は『模倣コンボ』を何度も何度も発動しなんとか落武者の攻撃を避けていたが、二十秒のクールタイム中に着々と攻撃を受けていた 


このままじゃジリ貧だ…何か外部からの刺激……そうだ!明を起こす!そして『須佐男』で消し飛ばす!!それしかないし、思いつかない! 


湊は懐から『式紙』を取り出し浮遊させると、閃光弾のような光を放った 


「……ん………はっ!!」 


飛び起きた明はなぜかそこに居る湊に戸惑う


「明!俺が時間を稼ぐ!!」 


「─────了解!!」 


だが充分な信頼を培った二人には多くの言葉など無くとも意思疎通出来た

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