元世界最速の妖術師
「私の固有妖術は『三日月』と言い、鞘にしまった剣を再び引き抜く事で斬撃を飛ばす術です。剣術であれば私より明さんのほうが数段は上なので私からは剣術は教えられない。ですから早速模擬戦と行きましょう。もしかすると途中で湊さんの固有妖術も進化するかもですし」
「分かりました……では…行きます!!」
湊と宗吉は竹刀を引き抜き早速互いに切り掛かる
「頑張れお兄ちゃんー!宗吉も頑張ってー!」
「頑張れー!」
縁側に明と凛は座りながら二人の戦いを眺めていた
鍔迫り合いに打ち勝った宗吉は目にも止まらぬ速さで湊の懐に潜り込むと怒涛の3連撃を脇腹と腹部と胸部に叩き込んだ
速さだけなら赤鬼以上じゃないか!?
宗吉の速さに翻弄されながらも、湊は自前の感の良さで危機を凌ぐ
「速いでしょう?自慢ですがこれでも10年前までは最速の妖術師だったんですよ?」
宗吉の言葉を聞いた明はやはりと疑問が解消された
「やっぱりそうだったんだ!光一から聞いた事があったんだ。斬撃を飛ばす世界最速の《光速》の妖術師…宗吉のこと……ようやく思い出せた…」
「お姉さん宗吉の事知ってるの!?」
「ふぇぇ!?お…おおおお姉さん!?えっと…う…うん一応……すごく強い妖術師だって」
「ふふん!私の宗吉はさいきょーなんだよ!10年前の時だって私を庇ったから負けただけでほとんど勝ってたんだよ?宗吉はさいきょーなの!」
湊と宗吉の戦いは熾烈を極めていた
竹刀を鞘にしまった…来る!!
「耐えてくださいね………行きます!」
周囲の空気が凍てつく。冷や汗と共に明確な死の予感を感じ取った湊は回避をやめ全力で防御に回った。
『三日月』
引き抜かれた刃と共に放たれた空間すら引き裂いてしまいそうな斬撃は、湊の竹刀を軽々と叩き折るとそのまま轟音と共に湊を森の中まで吹き飛ばしてしまった
「あっ…やりすぎてしまった。勝負となるとつい加減が出来なくなってしまう……私の悪い癖だな。所で湊さん生きてますか?」
「………ギリギリなんとか」
数本の木を薙ぎ倒しながら吹き飛んだ湊は額から血を流しながら立ち上がる
「出来そうかい?」
「いえ………もう一戦お願いします!」
湊は明から竹刀を新たに受け取ると再び宗吉に切り掛かった




