故人の知る真実 《弎》
「──────こうして諦めない心と元気な体を持った英雄は魔王を倒し、お姫様と結婚しましたとさ。おーしーまい」
湊は凛から渡された絵本を読み終えると凛に楽しかった?と聞いた
「うん!」
「……それは良かった」
湊は膝の上に座っている凛の頭を優しく撫でる
「湊さん…少々宜しいでしょうか?」
明との話を終えた宗吉は湊の方へ話しかけるとそのままある提案をした
「先程話した通り私はもう戦えない。そこで私の固有妖術を貴方に伝授したく」
「え?固有妖術って伝授出来るのですか?」
湊の問いに明が答える
「湊の固有妖術は動きであればたとえそれが固有妖術であろうと再現するでしょ?」
「あれ?固有妖術って話していいんだっけ?」
「どっかのバカが配信されてる試合で使ったからね。みんなもう知ってるよ」
「アッハイ…スミマセン」
揚げ足を取ったようにニマニマしていた湊の顔が瞬く間に暗くなる
「君達は仲がいいね……そう、それでね。私の固有妖術は統の妖怪を支配下に置いたり、光一さんの黒い風を作り出したりなどの妖術の進化系ではなく、どちらかと言えば明さんのように体術の進化系なんだ。そして湊さんは明さんの固有妖術を模倣している」
「なるほど……そういうことなんですね。分かりました」
「それともう一つ…君の固有妖術…『模倣』を持って生まれたのは歴史上たった9人だけ。君の前の持ち主は今から200年と少し前に生まれていたんだ。その意味…分かるね?」
前回の百鬼夜行と同じ!
「その妖術師は理想の動きを行う時同時に武器を作り出していたと文献に書かれている。最終的に君にも同じことをできるようになって貰おうと思ってね」
宗吉は文献が少ないから固有妖術の鍛え方が分からないからもしかしたら使えないかも知れないからあんまり期待しないでおいてねと付け足す
つまり俺はこれから宗吉の固有妖術を模倣、俺の固有妖術を鍛えるってことか…
「それじゃあ外に行こうか」
宗吉は竹刀を二つ手に取ると湊に一本渡しながら裏庭に出た




