勝つ為の策
光一に案内され湊は闘技場の準備室へと入った。
「ここにある物なら好きに使うといい私は先にいくよ」
光一はそう言うと木刀を一本だけ持ち場内へとはいった
うーんそう言われても…
湊も木刀を一本手に取る
俺はこれしか出来ないからなぁ
「はぁ……緊張する…なんでこんな目に……」
湊は顔を叩き雑念を払う
「よし…やるからには全力で!」
うおおぉぉぉぉぉぉぉ!!
「あの高嶺の花を堕とした秘密を教えてもらうぞー!」
「相手はなんだって妖術師の中でもトップクラスの実力を持つ、あの《黒剣》なんだ!あんたじゃ絶対に勝てないぞ!」
湊が場内へと足を踏み入れた瞬間、耳を塞ぎたくなるほどの歓声と様々な野次が飛び交う
「以外と早かったね…湊くん」
「俺はこれしか知らないので」
湊と光一の戦いを盛り上げるため解説者がマイクを握り熱い言葉を次々に投げ飛ばす
「まさかまさかの突如決まった《黒剣》と《高嶺の花を堕とした男》のエキシビジョンマッチが!いよいよ始まります!」
俺だけなんかショボいというか…ダサくない?
「今回実況を務めさせて頂きます高橋と」
「解説の田中です」
高橋はさらに言葉を紡ぐ
「突然決まったと言うのに現場にはすでに1000人を超えるオーディエンスが集まって居ます!ネットからの観戦者も、盛り上がっている様です」
「その様ですね。お!いよいよ始まります!」
「構え!」
湊と光一は審判に促されるまま構える
実況は…無視……!立ち姿だけで分かる…光一は俺より数十段以上強い
「勝利条件は光一氏は湊氏を気絶させること。湊氏は光一に一太刀浴びせること。なおこの勝利条件は光一氏の提案であり、変更はありません。『式紙』、『結界』の使用と、相手を殺害することはルールにより堅く禁止されています。ご注意を!」
審判は闘技場中に響き渡るほどの大きな声で高らかに叫ぶ
一太刀……か。かなり甘い勝利条件…それほどの実力差ってことか。俺が勝つにはそれを埋めるほどの不意を突いた攻撃以外ない!
湊は必ず光一に一太刀を浴びせガス爆破事故の真相を聞き出すため闘志を燃やす
誰も知らない、俺すら知らない俺の固有妖術を今ここで会得する…そうすれば格上の敵だろうと一太刀くらい浴びせられる…はず!!
「それでは……始めッ!!!」




