カドラプル
真白菜月は書痴気味の中学三年生。
この一年、雨宮広慈の書いた一冊の本だけを繰り返し読み続けていた。
作者の病死のために完全とはとても言えない物語だったが、ところどころ欠けたかたちを、菜月は何より愛している。
中でも、解決されないままの三つの伏線は、菜月をどうしようもなく魅了した。
梔子の谷。
沈丁花の館。
金木犀の丘。
勇者がたどることのなかった旅路。
そこでどんなお話が広がることになっていたのか。
菜月は、いつもこう願っていた。
「わたしがそれを見られたらいいのに」
──その願いは、唐突に叶うことになる。
0.プロローグ
告白のあと
2018/11/03 22:05
(改)
1.沈丁花の館
1.真夏から切り取られる
2018/11/06 23:57
(改)
2.此方と彼方が出会う
2018/11/15 23:53
(改)
3.水面から落ちていく
2018/11/27 21:00
(改)
4.慣れた目で見ていて
2018/12/11 22:35
(改)
2.梔子の谷
1.実りに埋もれて冬を待つ日
2018/12/27 21:52
(改)
2.墨の海を泳ぐ
2019/01/05 23:29
(改)
3.あなただけの地獄
2019/01/31 22:50
(改)
4.持てる者
2019/03/03 21:12
(改)
3.金木犀の丘
1.泡と鰭
2019/03/31 22:02
(改)
2.水底に咲ける
2019/04/17 22:02
(改)
3.橙のリボンで結ぶのは
2019/05/15 19:05
(改)
4.どこからどこまでが、あなたなのか
2019/05/29 19:57
(改)
幕間 トリロジーを待ってる
唇を塞ぐ指
2019/06/04 00:11
見上げる瞳
2019/06/08 01:02
(改)
大切にはひとつ足りない
2019/06/11 22:45
4.カドラプル
1.遠い漣
2019/06/20 21:10
(改)
2.灯火は消えない
2019/07/06 00:18
(改)
3.慈しみの雨の下
2019/07/25 23:35
4.月白は朝の向こう
2019/08/15 16:00
幕間 白い箱
扉は開いたまま
2019/08/16 16:00
(改)
断章
覚めたのは夢じゃない
2019/08/17 16:00
5.エピローグ
不肖の弟子の告白
2019/08/21 16:00
(改)