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悪魔の島 ―選ばれし20人、生存率0%  作者: 虫松
塔の秘密編

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第2話 塔の入口 ― 生きている構造

それは“近すぎた”巨大な塔。


遠くに見えていたはずのそれが、

今は目の前にある。


挿絵(By みてみん)


巨大すぎて、距離感が狂う。


「……でかすぎるだろ……」


慎吾が呟く。


見上げる。

首が痛くなるほど。

空に突き刺さっている。


そして“音”。


ドクン……


ドクン……


鼓動。


生き物のような、

低く重いリズム。


彩花の顔が強張る。


「……これ……ただの建築じゃない……」


壁に触れる。


ぬるい。


硬いはずの外壁が、

わずかに“沈む”。


「……柔らかい……?」


次の瞬間。


ドクンッ――


内部から何かが“流れた”。


光。


細い筋となって、

壁の中を走る。


まるで――


血管。


彩花が息を呑む。


「……これ……“組織”だ……」


慎吾

「……は?」


「建物じゃない……」


「“生きてる”……」


沈黙。


理解が、追いつかない。


だが。


否定できない。


美和が一歩、前に出る。


「……開いてる」


入口。


扉はない。


ただ、

“裂け目”のように開いている。


内側は暗い。


だが――


光が、脈打っている。


呼吸するように。


招くように。


美和が呟く。


「……来てって……言ってる」


慎吾が腕を掴む。


「待て」


美和は振り返らない。


「……怖くないのかよ」


少しだけ笑う。


「……怖いよ」


「でも……」


塔を見る。


まっすぐに。


「ここに来るために、生き残った気がする」


その言葉。


否定できない。


彩花が低く言う。


「……この塔……島全体と繋がってる可能性がある」


壁に走る“管”。


それは地面へ。


森へ。


そして――


島全体へ広がっているように見える。


「血管みたいに……エネルギーを送ってる」


「つまり……」


慎吾が言う。


「この塔が……全部を動かしてる……?」


風。

生物。

異常な進化。


すべて。


彩花

「……あり得る……」


ドクン……


ドクン……


鼓動が強くなる。


まるで。


侵入者を“認識”したかのように。


その時。


背後。


「No… no… no…」


振り返る。


マルコ。


目が焦点を失っている。


体が震えている。


塔を見て、後ずさる。


「…no entrar… no… morir… todos morir…」


意味は分からない。


だが。


拒絶。


恐怖。


それだけは伝わる。


彩花

「……危険なのは確定ね」


慎吾

「今さらだろ……」


美和が、一歩。


塔の中へ。


踏み入れる。


その瞬間。


ドクンッ!!


塔が、強く脈打つ。


光が一斉に流れる。


まるで――


血が“循環”するように。


慎吾

「……うわ……」


内部。


完全に“体内”だった。


壁。


天井。


床。


すべてが、

生き物の内側のようにうねっている。


無数の管。


太いもの。

細いもの。


それらが複雑に絡み合い、

光を流している。


ドクン……


ドクン……


空気が重い。


湿っている。


呼吸するたびに、

何かが体に入ってくるような感覚。


彩花が呟く。


「……これ……島の“中枢”だ……」


慎吾

「……気持ち悪い……」


美和は、ただ、前を見る。


奥へ。

奥へ。


「……行こう」


迷いがない。


呼ばれているから。


慎吾は、手を握る。


「……離れるな」


彩花が続く。


マルコも後からついてくる。


入口で震えながら、

ぶつぶつと呟いている。


「…no… no… dios… no…」


神を否定する言葉。


あるいは“ここが神そのもの”だと、理解しているのか。


塔の奥、さらに強くなる鼓動。


光。


そして“何か”が待っている。


塔=生きている進化装置

島全体を制御する中枢の可能性


物語は、完全に核心へ入る。

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