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悪魔の島 ―選ばれし20人、生存率0%  作者: 虫松
マルコ編

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第1話 マルコ編、統率と生存術

悪魔の島の朝。

湿った空気の中、5人は円を描くように立っていた。


重い沈黙。


その中心にマルコ。


マルコが一歩前に出る。


低く、強く言う。


※彼らはスペイン語で話している


「聞け」


「ここは俺が指揮する」


言葉は通じない。


だが。


“命令”だということだけは、全員に伝わる。


マリアが眉をひそめる。


「……何て言ってるの?」


カタリナは冷静に分析する。


「指揮を取るって顔してる」


マルコは続ける。


「ここに民主主義はない」

「生きるか、死ぬかだ」


ハンナが短く通訳する。


「……命令系統を一本化するって」


沈黙。


反論は出ない。


リディアだけが呟く。


「……Something’s wrong」


だが誰も止めない。


生きるために、従うしかないからだ。


マルコは地面に棒で図を描く。



「役割を決める」


一人ずつ指差す。


ハンナ。


「斥候」


リディア。


「観察」


マリア。


「記録」


カタリナ。


「資源管理」


そして自分。


「指揮」


※彼らはスペイン語で話している


「変更はしない」


ハンナが補足する。


「役割を固定すると、判断が速くなる」


カタリナが小さく頷く。


「合理的ね」


マルコが隊列を並ばせる。


前・中・後。


距離も細かく指定する。


「距離を保て」


ハンナが言う。


「固まると一気にやられる」


「でも離れすぎてもダメ」


リディアが呟く。


「……軍隊」


マルコが指を立てる。


「音を出すな」


足音を止める。


呼吸を抑える。


森が、静まる。


その瞬間。


カサ……


草が揺れる。


“何かがいる”


誰も声を出さない。


ハンナが手で制止。


「止まって」


全員、止まる。


マルコが上を指す。


太い木の枝。


揺れている。


「下がれ」


一歩下がる。


次の瞬間。


ドサッ!!


木の太い枝が落ちる。


もし進んでいたらマリアが息を呑む。


「……今の、危なかった」


マルコは一言。


「迷うな」


焚き火。


マルコが言う。


「恐怖は悪くない」


「恐怖は人を生かす」


リディアが静かに返す。


「……恐怖は人を壊すわ」


マルコは即答する。


「弱い奴が壊れる」


空気が凍る。


■結果

・食料確保

・水確保

・安全確保


完璧だった。


マリアが呟く。


「……正しいのかもしれない」


カタリナも頷く。


「結果は出てる」


ハンナは黙る。


リディアだけが言う。


「……違う」


誰も聞かない。


火の周りに座る5人。


全員、静かだ。

命令通りに。


リディアが呟く。


「……Something’s wrong」


マリアが聞く。


「何が?」


リディアは答える。


「みんな、考えるのをやめてる」


視線の先。


マルコに誰も逆らわない。

誰も疑わない。


それは安全じゃない支配だ。


マルコが夜空を見る。


「完璧だ」


だが森の奥で。


何かが動く。

秩序では防げない“何か”。それが、近づいている。

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