自分の仕事
実際、“暗殺”とは、仕事柄、仕方の無い事だが、やはり聞こえ、見た目は悪い。それに加え、それ相応のリスクもある。
現に私の仕事、それは“暗殺”だ。私は暗殺が好きではない、加え、人を殺すのもだ。
だが、私はやっている。何故か?姫のためだからだ。
姫と暗殺、どう関係があるか。その質問に答えるには少々時間が欲しいところだ。しかし、理由は簡単。姫を狙う者がいるからだ。
姫は家系上、王族の身だ。だから消してしまおうなんて奴は何人もいる。
植えて間もない種を食べてしまいそうな鳥を追い払う農業者、それが私だ。
それに加え、王の命令でもある。心配性な王は、一人娘の姫が心配なのだろう。だから、私やアルカイドなどがいるのだ。
さて、そんなことを考えながら私は、大通りを歩いている。ジリジリと押し寄せてきた熱気を感じる初夏である。
今回の私の仕事は、ある男の暗殺である。早く終わらせたいが、地味に時間を使うらしい。メンドくさい事この上ない。
そう思いながら、王から渡された標的の写真を懐から取り出す。少々小太りな男だった。
実に気が乗らない。今日は姫は午前中は特に用事が無かったらしい。不運とは重なるものなのだ。
標的が居る店の前に出た。どこか暗さを感じさせる店だ、しかも酒屋らしい。朝から飲んでいるのか?
私は、店の横にある塀に寄りかかり標的が出てくるのをただジッと待っていた。
――――三十分の経過――――
標的は一向に出てくる気配が無い。普通の男ならそろそろ日射病かなんかになってしまうんじゃないかというぐらいの熱気が肌にさわり、汗が出てくる。
――――さらに三十分の経過――――
居ない。そうに決まっている。男がこんな所で朝から飲み、まだ出てこないなどありえない。大体、何で私がこんな事をしなくちゃいけないのだろうか?
そんな事を思っていると、隣からドアの開く音が耳に届いた。
・・・・・・標的、発見。直ちに任務を遂行する。
標的は、フラフラとした足取りで歩いていく。私はその男の後をつけながら、一定の距離を保つ。
男が裏路地に入るのを見た瞬間、私は足のスピードを速めた。
裏路地に入ると、標的以外誰も居ない状況だった。…好機!
私は走り出し、懐のナイフを取り出す。
私の足音に気づいた標的が、クルッと振り向いた瞬間、私は標的を押し倒し、口を押さえ、ナイフを首元に深々と突き刺した。
標的の瞳から光が消えたのを確認すると、私はその場を、証拠を残さず去った。
城の中に入り、時間を確認した。午前11時30分。午前は後30分で終わりを迎えるところであった。
自分の部屋に帰る前に、姫の顔を見ておこうと、姫の部屋に立ち寄った。
コンコン!
規則正しい音が響いた。
「どうぞ」
姫の声が聞こえた。私はその声で部屋の中へと入る。
「おかえり、アル。どんな仕事だったの?」
「いえ、姫にお伝えするまでもありません」
姫には、仕事の事を隠している。標的を暗殺するだけのキラーマシーン化した私は、姫には見せたくないのだ。
これからも、頑張って更新します!では!




