鮮やかな朝食
そう言えば言い忘れていた。アルカイドは姫の執事と言ったのを覚えているだろうか?ならば私は何だ?と思うだろう。私は護衛兼執事なのだ。メインは護衛、朝などは執事という事だ。
今は朝食のため、食堂に居る。そこには、さすが貴族と言うほどの豪華な料理が並んでいる。色鮮やかに。
姫が朝食を摂っていると、ドアが開け放たれ、アルカイドが姿を現した。
「シェアト姫、遅れて申し訳ありません」
入ってくるなり頭を下げる。……まずはドアを閉めろ。
「いいわ、アルカイド。気にしないで」
姫は持ち前の笑顔をアルカイドに向ける。それに、ありがとうございます、と笑顔で答え、姫の隣に来る。何故隣か?…執事の指定ポイントか何かだろう。
私は、姫の隣を離れ、開け放たれたドアを閉めた。そして姫の下へ戻る。姫は、今はアルカイドと談笑中。まったく、朝食を済ませていないというのに。
姫の笑顔とアルカイドの笑顔。あの2人の間に、私は入る事は出来ない。私は影だから。たまに執事をして、姫を護衛するだけ。表向きの良い2人の仲に入る事は出来ない。はずだが、
「ねぇねぇ、アル。あなたは犬派?猫派?」
こうして私を話に加えてくださる。って待ってください。何の話ですか?
「えっと…猫派…ですね」
「ほ~ら!やっぱり猫だよぉ」
「僕は、犬派なのですよ」
「…一体何の話を?」
疑問を、私は姫に充てた。
「猫と犬、どっちが良いか」
姫は、振り向きながら言ってきた。…実に庶民的な話をしていますね。
「それよりも、アル。君が猫派?僕には悪魔派に見えるけど?」
それに少し吹き出した姫。何だ…?悪魔派って……。て言うか姫、笑うとこですか?今の?
「なら、姫は、虎派だな」
少々からかってみる。
「な、何よ!虎派って!」
「なるほど、分かりやすいね、アル」
「何で何で?」
私は、小さく溜息を付く
「ただ」
続いてアルカイドが
「単に」
「「凶暴」」
……………………………
「誰が凶暴よ!誰が!」
姫にしては珍しくむきになっている。まぁ、この辺りもまた可愛いが。
「今のは姫の話ですよ?」
「う、うるさいうるさい!」
そう言ってポカポカ叩いてくる。愛着が沸いてくる。
一段落付いて、
「アルカイド、今日の予定は?」
姫の顔つきが変わる。仕事モードに入ったのだ。・・・多分
「今日の午前中は特に用事がありません。しかし、午後はレッスン。加えて隣国の王に顔合わせです。
その後はいつも通り、王様とのお夕食でございます」
言い終わると、読んでいた手帳を片手で閉じる。
「じゃあ、今日の午前は何の用事も無いのね?」
笑顔で訊いてくる姫。
「ええ、そうですよ」
「やった!じゃあ今日の午前は3人で…「申し訳ありませんが、私は用事があります」
こういう日に用事がある。私は呪われてるのか?
「ですから、今日は帰ってくるのは昼過ぎになりそうですね。」
「…そう。じゃあ仕方ないか。がんばってね、アル」
私は、姫の言葉に頭を下げながら
「姫の仰せのままに」
とだけ言った。
次回は、お仕事中のアルの視点です。
ごゆるりと…




