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変態おじさんと不良銃騎士と白い少年  作者: 鈴田在可
第四章 不良銃騎士と白い少年

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46 パワセクハラ、からの失敗

R15注意


パワハラ、セクハラ注意、強要注意、ヒーロー暴走注意

 支隊本部の鍛錬場で魔法使いブラッドレイ一家の次男シリウスにゼウスが襲われたその日――――


 シリウスの父アーク・ブラッドレイ二番隊長から、再びゼウスの命が狙われる可能性があるという忠告を受けて、夜、何人かでゼウスの警護を固めながら寝ることになった。


 しかし昼間はハロルドも巻き込まれて殺されそうになったので、ゼウスの警護は他の者でやるから休めと言われて、ハロルドは入浴した後に自室の寝台で横になっていたが、なかなか眠れなかった。


 ハロルドが考えるのはゼウスのことや、その婚約者メリッサのことだった。


 それから、()()()()も――――


 眠れずにいると、そのうちに隣の支隊長の部屋から、ガタゴトと頻繁に物音が聞こえてきた。


 何だろうと思いつつも、本日鍛錬場で起こった騒動のことなどを考えていたハロルドは、ほとんど気に止めていなかった。


 するといきなり、バタン! と、廊下側ではなくて支隊長の部屋と続きになっている扉が、音を立てて勢い良く開かれた。


 そこから、入浴後らしく寝衣姿の美貌の支隊長フランツが、無許可でハロルドの部屋に入って来た。


「やっとこの扉が開いた! これで夜這い仕放題だな!」


「よ、よば……」


 ハロルドは「夜這い」という言葉に面食らったが、ガタガタやっていた音は、扉の前に積まれていた荷物をフランツがどかしていた音のようだと気付いた。


 ハロルドも手伝っているジェフリーの遺品の整理は、まだ完了していない。


(支隊長…… もしかして殴ったから怒っているのかな……)


 目に爛々と力を込めながらこちらを睨んでいるように見えるフランツを見て、ハロルドはそう思った。


「支隊長、昼間は殴ってすみませんでした」


「あの程度どうってことな…… いや……」


 寝台から身を起こしたハロルドが謝ると、フランツは言葉の途中でなぜか言い淀んだ。


「そうだな、上官を殴るなんて懲罰ものだな」


「本当にすみません……」


「以前も俺とシャワーを浴びるのを拒んで嫌がっていたな」


「そ、それは…… 恥ずかしかったから」


「お前の✕✕は俺のものなんだから見せるのを嫌がるとは言語道断だ。拒まれて傷付いた俺への詫びとして、もっと恥ずかしいことをしてもらおうか。


 俺の目の前で✕✕をしろ」











「ああ、でも俺はジェフと二人きりの時は良くしてたな。ジェフは訓練生の時に結構やらされてたらしくて、誘われて――――――」


 ははは、と、どうってことないように笑って話すフランツを見ていたら、ハロルドはムカムカしてしまった。


「…………わかりました。やります」











 ハロルドが✕✕に必死だった間、フランツは――――











 ハロルドは抵抗しなかった。


 頭の中には他の誰でもない、フランツの存在しかなかった。ハロルドは『初めてをこの人に捧げても良い』と思った。






 そして――――










 

「いだだだだだだだだだっ!」


 彼らは失敗した。


 フランツは、「その道のプロ」とフランツが呼称する、頼れるオネエことショーンに助けを求めた。


 支隊の集会室にてゼウスの警護要員をしていたショーンは、何も説明されずに連れて来られたので、「何事ですか?」と訝しんでいたが、「✕✕が痛い」と寝台の上で泣いているハロルドと、「正しいやり方を教えてくれ」と恥ずかしげもなく(のたま)ったフランツを前に、血相を変えた。


 ショーンがハロルドの✕✕の状態を確認しようとすると、フランツが「駄目だ!」と叫んで断固阻止した。


 ため息を吐いたショーンは、ひとまず、どんな状態で行為に及ぼうとしたのか聞き取りをして、再びため息を吐いた。


「いきなり✕✕✕✕✕じゃなくて、✕✕✕なりをちゃんと事前に準備しないと、事故の元ですよ。


 愛情を持って、充分すぎるくらいに――――――――……………………」


「肝に銘じよう」


「とりあえず清潔にしてください。今何か薬を持ってきますから」


 と言って、一旦離れたショーンが自室から塗り薬を持ってくると、部屋の中ではハロルドがフランツに舐められていた。


「風呂場で洗っておけって意味で言ったんだよ! 誰が舐めろって言った!? ああ゙?」


 ショーンは元々野太い声だが、男に戻ったような半ギレの口調で圧を増し、尊敬語も取り去った状態で叫んでいた。


 ショーンは、フランツ(変態)を鍛え抜かれた筋肉の力でもって強制的に部屋から追い出すと、鍵を掛けた。


「ハロルドぉぉぉ! ショーン! 俺のハロルドに手を出したら許さないぞ!」


 ダンダンダン! とフランツが隣の部屋と繋がる扉を叩いて、中からわめいている。


「あーもう(うるさ)い。お話するので少し待っててください」


 就寝前のためか結んでいなかった栗色の髪を掻き上げながら、投げやりにそう言い放ったショーンの様子からは、彼のフランツへの敬愛度は、ゼロになったらしいことが感じられた。


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《転章直前と転章以降の時間軸の、本作品以外のシリーズ別作品に書いたハロルド周辺の話のまとめ》
※【 】の中はその時のフランツの状態やフランツとの関係性など

・シリーズにハロルド初登場とハロルド家族(父、四姉、五姉、六姉)が出てくる話【フランツと出会う前】
「その結婚…」の恋の危機編の「遠距離 2」から「同期と上官 3」あたりまでの約6話

・ハロルドたちが南西列島へ出立する直前の話【フランツと出会う前】
「その結婚…」の恋の危機編の「ハロルドの秘密」と次話「「彼女」との別れ」の2話

・南西列島に着いて以降、ハロルドが戦闘能力高めと仲間にバレていた話【フランツとは単に上司と部下】
「その結婚…」の恋の危機編の「友の実力」と次話「届かない便り」の2話

・南西列島が獣人に襲われたらしいと首都に伝わってる話【フランツにとってこの時にハロルドが特別な存在になる】
「その結婚…」の首都からの撤退前編の「アンバー兄妹 2」の後半部と、次話「銃騎士隊の魔王」の後半部の2話

・ハロルドとフランツの微ラブラブ話【フランツのハロルドへの思いは友情以上恋愛未満】
「その結婚…」の悲恋編の「慣れない距離感」

「その結婚…」の悲恋編の「告白」と、
次々話「ヒーロー(仮)は遅れてやって来る」にもハロルド視点の話あり

・【フランツ、ハロルドの服を乱す→胸を見る→殴られて恋と気付く】
「その結婚…」の悲恋編の「三角関係?」
と、
「その結婚…」の悲恋編の「疑問解消せず」の中頃 に脱がされシュチエーションになるまでの経緯等の説明あり

・フランツ、夜な夜なハロルドの寝袋に侵入する(セクハラ止まり)【フランツ、アタック中】
「その結婚…」の悲恋編の「疑問解消せず」の前半部

・ハロルドがゼウスを守ろうとして危機が去った後に、(以降は本編持ち越し)フランツたぶん襲いながら告白する予定【フランツぶち切れ】
「その結婚…」の悲恋編の「襲来」 と、次話「命を張らせないでよ」の2話


※※※


今作品はシリーズ別作品

完結済「獣人姫は逃げまくる ~箱入りな魔性獣人姫は初恋の人と初彼と幼馴染と義父に手籠めにされかかって逃げたけどそのうちの一人と番になりました~」

の幕間として書いていた話を独立させたものです


ハロルドの思い人であるゼウスの恋模様がわかる別作品

完結済「その結婚お断り ~モテなかったはずなのにイケメンと三角関係になり結婚をお断りしたらやばいヤンデレ爆誕して死にかけた結果幸せになりました~」(注:異性恋愛もの)

こちらもよろしくお願いします
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