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敏腕秘書歴50年のおばあちゃん、弱小国の宰相に転生する 〜孫のような幼王様を泣かせる悪臣は、容赦なく書類の山に沈めます〜  作者: ペクチン21時


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第53話 ガルディア皇帝への「逆買収(M&A)」

ロア王国からの内部リークにより、連合の進軍ルートや作戦の脆弱性を全て把握したシルバが、次に目をつけたのは、連合の最大の武力である『ガルディア帝国』であった。

深夜、ガルディア帝国の皇帝カイルのもとに、シルバからの「親書」が秘密裏に届けられた。

かつてヘッドハンティングを断られ、逆に業務改善提案書を送りつけられた若き皇帝は、その手紙を開いた瞬間、声を上げて笑った。

「ハハハ! 面白い、やはりあの男は退屈させないな!」

手紙に書かれていたのは、連合に参加している他の四カ国が、戦後にガルディア帝国を裏切り、帝国の経済を孤立させるために結んでいた「秘密の関税協定」の証拠データであった。ロア王国から買い取った情報である。

「カイル皇帝陛下。大国としてのプライドのために、あなたを裏切る気満々のブラック企業(教会連合)の片棒を担ぐのは、あまりにも『投資対効果』が悪いとは思いませんか?」

手紙の最後には、シルバからの圧倒的な「ビジネスプラン」が記載されていた。

『帝国が今回の包囲網から離脱、あるいは中立を維持する場合、我が国が発見した「超高純度の鉄鉱山」の採掘権の三割を、帝国に独占供給いたします。教会という古い利権に縛られるか、リトアニアと共に未来の産業を独占するか、賢明なトップとしてのジャッジを期待しています』

「……フッ、教会の退屈な神説に付き合うより、シルバ殿と手を組んで大陸の経済を牛耳る方が、遥かに実利がある。決まりだな」

皇帝カイルは不敵に微笑むと、その場で「ガルディア帝国は、今回のリトアニア遠征への兵力拠出を『無期限で凍結』する」という公式声明の書類にサインをした。

最大最強の矛であった帝国が、開戦前にシルバの「利権割譲」によって、完全に中立化されたのである。

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