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敏腕秘書歴50年のおばあちゃん、弱小国の宰相に転生する 〜孫のような幼王様を泣かせる悪臣は、容赦なく書類の山に沈めます〜  作者: ペクチン21時


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第49話 おばあちゃん、ブラック企業の洗脳(悪癖)を解きます

ルードヴィヒさん。真面目に働くことと、理不尽に酷使されることは、全くの別物ですよ

オフィスへふらりと様子を見に現れたシルバが、絶望して膝をつくルードヴィヒの前に静かに立った。

その氷の瞳は冷徹だが、どこか前世で過労に苦しむ部下を何人も救ってきた、ベテラン上司としての温かい眼差しが宿っている。

「シルバ、宰相閣下……」

前世でもね、『気合いと根性』を免罪符にして、部下に終わりのない残業を強いる無能な上司(経営者)がたくさんいました。ですが、そんなブラックな環境で疲弊した頭から、良い政策や新しいイノベーションなど生まれるはずがありませんわ

シルバはエレガントに、かつ機能的に官服の袖をまくり上げた。

「あなた方の国が鉄の生産量を誇りながらも、民の不満が溜まっていたのは、まさにその『組織の構造欠陥が原因です。今日からあなたには、我が国の効率的なタスク管理、そして何より大切な『定時退勤の義務』を徹底的に学んでもらいます」

て、定時退勤の、義務……?

ええ。十七時になったら、どんなに仕事が残っていても強制終了です。温泉に浸かって、美味しいご飯を食べて、脳を完全にリフレッシュさせる。これができない者は、我が国の研修から即刻不採用としますわ。

シルバの容赦のない、しかしあまりにも甘美な「ホワイト命令」に、ルードヴィヒはゴクリと息を呑んだ。

そしてその日の夕方、定時きっかりにオフィスを追い出され、リトアニアの極上露天風呂に浸かったルードヴィヒは、「……素晴らしい……もうバレンシアには帰りたくない……」と、湯煙の中で完全に骨抜きにされるのだった。

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