第45話 泣きついてきた大国を書類の山に沈めます
シルバ様! バレンシア公国の特使が、国境の検問所で『頼むから温泉に入れてくれ、鉄はタダでもやる!』と、涙目で懇願しているそうです!
数日後、アルがもたらした報告に、シルバはロッキングチェアーを揺らしながらクスリと笑った。
あらあら、まあまあ。ずいぶんと早く降伏してきましたね。前世でもね、下請けをいじめて優位に立とうとした元請け企業が、こちらの代替技術の完成によって立場が逆転し、青い顔で頭を下げにくるケースはよくありましたわ
シルバは手元にあった、バレンシア公国向けの「新たな業務提携契約書」をアルに手渡した。
アルさん、彼らにこの書類を突きつけなさい。温泉の利用再開の条件は、我が国の鉄の輸出ルートの関税を永久に免除すること、そして我が国の働き方改革マニュアルをバレンシアの宮廷にも導入し、彼らのブラックな労働環境を改善することです
相手の国の労働環境まで改善しちゃうんですか!?
当然です。彼らの国がホワイトになれば、我が国の温泉に遊びにくる『有給休暇中の顧客』がさらに増えて、我が社の利益が潤いますからね
シルバはレオン王を優しく抱き寄せ、その小さな頭を撫でながら、窓の外の青空を見つめた。
「さあ、レオン様。悪いネズミ(大国)の嫌がらせも、綺麗にお掃除できました。今夜は温泉の新しいお土産として、『特製温泉プリン』の試作をしましょうね」
「わあ! プリン! ぼく、シルバとプリン作る!」
国際的な経済戦すらも、おばあちゃんの実務能力と主婦の知恵で一瞬にして解決し、すべてを「利益と孫の笑顔」に変えていく。
隠居生活を邪魔する不穏分子は、大国だろうが組織だろうが、笑顔で書類の山に沈めてみせる。おばあちゃん宰相の無敵のセカンドライフ




