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敏腕秘書歴50年のおばあちゃん、弱小国の宰相に転生する 〜孫のような幼王様を泣かせる悪臣は、容赦なく書類の山に沈めます〜  作者: ペクチン21時


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第39話 定時退勤と、孫(王様)との約束

「――というわけで、リトアニア教区の監査結果は『極めて健全であり、むしろ他国の模範となるホワイトな運営である』と、総本部に報告書を提出しておきます」

数日後、完璧にシルバの軍門に下ったヴァルター卿は、機嫌よく大量の温泉土産を馬車に積み込み、総本部へと帰っていった。

業界最大手の査察すらも、合法的なビジネスの利益に取り込んでみせたのである。

「シルバ様、これで本当に、国内外の脅威はすべて去りましたね……!」

秘書官のアルが、信じられないものを見るような目でシルバを見つめる。

「ええ、アルさん。これでようやく、我が宮廷の『定時退勤ルーティン』が確立できます。……さあ、時計を見てごらんなさい。ちょうど十七時(定時)ですよ。残った書類は明日の私に任せて、全員速やかに退勤しなさい」

「はいっ! お疲れ様でした!」

役人たちが笑顔で一斉にデスクを片付け、帰路につく。

薄暗く、誰もが過労と恐怖で怯えていたかつての宮廷は、今や大陸で最も定時退勤が徹底された「超ホワイト企業」へと変貌を遂げていた。

シルバが廊下を歩いていると、トコトコと小さな足音が響き、十歳のレオン王が制服の袖をぎゅっと握ってきた。

「シルバ! 今日はお仕事、もう終わり?」

「ええ、レオン様。本日も完璧に定時退勤です。お約束通り、今夜は私が美味しいオムライスを作って差し上げますね」

「わあ、やったぁ! ぼく、シルバの作るご飯が世界で一番大好きなんだ!」

レオンの満面の笑みを守り抜いた。その温かい達成感に、シルバの内面は、深い満足感で満たされていた。

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