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敏腕秘書歴50年のおばあちゃん、弱小国の宰相に転生する 〜孫のような幼王様を泣かせる悪臣は、容赦なく書類の山に沈めます〜  作者: ペクチン21時


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第34話 リトアニア温泉リゾート、大繁盛

一ヶ月後、不毛の地だった北部の山岳地帯は、見違えるような美しい「温泉街」へと変貌を遂げていた。

木造の温かみのある旅館が立ち並び、至る所から白い湯煙が立ち上っている。

「うわぁ……! シルバ、お水がすごくあったかくて気持ちいいね!」

新設された王室専用の露天風呂で、レオン王は小さな身体を湯船に沈め、幸せそうに目を細めていた。

「ふふふ、お気に召して何よりです、レオン様。湯冷めをしないように、上がったら特製のミルクを飲みましょうね」

湯船の縁に腰掛け、足湯を楽しみながら、シルバは満足げに微笑んだ。前世で定年退職したら温泉三昧の生活を送りたかったチヨの夢が、異世界でまさかの「プロデュースする側」として実現した形である。

「シルバ様、大変です! 温泉の噂を聞きつけた王都の商人や役人たちで、宿泊施設の予約が来年まで一杯になってしまいました!」

湯上がりのアルが、番頭のような顔をして報告にやってきた。

「さらに、隣国のガルディア帝国からも、貴族たちが『極上の療養地がある』と聞きつけて、高額な外貨を支払ってでも入国したいと殺到しています。……国家の新しい財源が、とんでもない勢いで増えています!」

「あらあら、まあまあ。それは嬉しい悲鳴ですね」

シルバはハーブティーを一口すすり、不敵に目を細めた。

「大国に資源や領土で勝てないのなら、こうした『サービス業(観光利権)』で相手の財布から合法的に外貨を毟り取る。これぞ弱小国が生き残るための、最高のビジネスモデルですよ。マクシミリアン司教から没収した神殿の土地も、次はリゾートホテルに改装しましょうか」

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