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敏腕秘書歴50年のおばあちゃん、弱小国の宰相に転生する 〜孫のような幼王様を泣かせる悪臣は、容赦なく書類の山に沈めます〜  作者: ペクチン21時


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第31話 ヘッドハンティングへの「逆提案」

ガルディア帝国の皇帝からの直々のヘッドハンティング(引き抜き)。この破格の打診に対し、シルバが返した「不採用通知」は、帝国の宮廷を大いに震撼させることとなった。

「――『謹んで辞退いたします。なお、貴国の財務健全化に向けた業務改善提案書を同封いたしますので、ご査収ください』……だと!?」

ガルディア帝国の壮麗な皇帝執務室で、若き皇帝カイルは、届けられた返信を前にして呆然と呟いていた。

手紙に同封されていたのは、シルバがわずか一晩で作成した、ガルディア帝国の「関税手続きの無駄」や「地方官吏による中間搾取の構造」を容赦なく指摘した、完璧な現場改善計画書だったのだ。

「私を自分の右腕にしたいのであれば、まずは貴国の法令遵守と業務効率化を徹底し、我がリトアニア王国と『対等なビジネスパートナー』になっていただく必要があります……か。フッ、面白い。私をここまで手玉に取る人材が、まさか隣の弱小国に隠れていたとはな」

皇帝カイルは、不敵な笑みを浮かべて背もたれに寄りかかった。

有能なトップほど、耳の痛い正論を完璧なデータと共に突きつけてくる部下を欲するものだ。シルバの圧倒的な実務能力は、完全に大国のトップの心を掴んでいた。

一方、リトアニア王国の宰相執務室。

「シルバ様、本当に帝国へ逆提案の書類を送ってしまうなんて……。おばあちゃん、いえ、シルバ様の度胸には毎度驚かされます」

秘書官のアルが、感心したようにハーブティーを注ぐ。

「アルさん、ビジネスの基本は常に『攻めの姿勢』です。相手がこちらを評価している瞬間こそ、こちらの条件を呑ませる最大の好機なのですよ。これで帝国は、しばらく我が国に無茶な圧力をかけてこられなくなります。……さて、外の憂いが消えたところで、次なる社内改革に取り掛かりましょうか」

シルバは不敵に微笑み、新たな国家プロジェクトの書類を開いた。

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