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敏腕秘書歴50年のおばあちゃん、弱小国の宰相に転生する 〜孫のような幼王様を泣かせる悪臣は、容赦なく書類の山に沈めます〜  作者: ペクチン21時


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第25話 新たな波乱の予感(定年退職はまだ遠い)

こうして、弱小国リトアニア王国を蝕んでいた三大病巣――財務のボルドー、軍事のバルカ(現在は忠実な部下)、そして宗教のマクシミリアンは、最強のおばあちゃん精神と無敵の事務処理能力によって、わずか数週間で完全に解体・再編成された。

宮廷の役人たちは効率的な「DXシステム」によって生き生きと働き、定時になれば家族の元へと帰っていく。前線の兵士たちには温かい食事と新しい装備が速やかに支給され、王都の市場は安価な物資で溢れかえっている。

国庫は潤い、リトアニア王国は今や、大陸で最も「ホワイトで活気のある国」へと生まれ変わりつつあった。

数日後の夕暮れ。

シルバは執務室の快適なロッキングチェアーに腰掛け、完璧な温度で淹れられたハーブティーを口にしていた。

「ふぅ……。社内のゴタゴタとお掃除は、これでようやく一段落ね。これからは、レオン様の成長を見守りながら、のんびりとセカンドライフを楽しませてもらいましょうかねぇ……」

中身がおばあちゃんであるシルバは、満足げに目を細めた。

しかし、世間は彼を放っておかない。

完璧に整頓されたデスクの上に、アルが「失礼します、シルバ様。至急の案件です」と、一通の重厚な書状を置いた。

その封蝋には、隣国の大国――『ガルディア帝国』の紋章が刻まれていた。

「シルバ様、ガルディア帝国からの特使が、我が国が抱える『過去の債務(借金)』の即時返済、およびそれが不可能な場合の『領土の一部割割譲』を求めて、近々王都へやってくるそうです。……いよいよ、外敵が動きました」

アルの言葉に、シルバはハーブティーのカップを静かに置いた。

氷の瞳が、帝国の紋章を冷徹に見据える。しかし、その端正な唇の端は、最高に不敵に吊り上がっていた。

「ガルディア帝国、ですか。他国の弱みに付け込んで、理不尽な買収を仕掛けてくるブラック大企業のようなものですね。……フフ、面白いじゃないですか」

シルバはエレガントに立ち上がり、官服の袖を再び、カチリとまくり上げた。

「前世でもね、調子に乗った大企業の若手エリートや、横暴な買収交渉人を何人も書類の山に沈めてきました。大国だろうが何だろうが、我が社……いえ、我が国への不当な要求は、おばあちゃんが絶対に認めません。……アルさん、ガルディア帝国の過去の通商条約書をすべて集めてちょうだい。二分でね?」

「はいっ!!」

国内の掃除を終えた最強の宰相が、次はいよいよ国際政治という「最大の修羅場」へと、笑顔で殴り込みをかける。


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