表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
敏腕秘書歴50年のおばあちゃん、弱小国の宰相に転生する 〜孫のような幼王様を泣かせる悪臣は、容赦なく書類の山に沈めます〜  作者: ペクチン21時


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
17/43

第17話 おばあちゃん、宮廷の「DX(業務効率化)」を断行します

「いいですか、皆さん。仕事というものは『長く席に座っていること』ではありません。『成果を出すこと』です」

シルバは、役人が激減して大混乱に陥っている財務部のオフィスへ、自ら乗り込んでいた。

残された真面目な下級役人たちは、鉄血の宰相の突然の登場に背筋を凍らせて直立不動している。

シルバは、彼らの前に一冊の薄い冊子を提示した。

「これは、私が作成した新しい『実務簡素化マニュアル』です。これまでのリトアニアの書類仕事は、あまりにも無駄が多すぎました。例えばこの、一つの予算を通すために七人もの上司のサインが必要なシステム。……これ、何の意味がありますか?」

役人たちは、顔を見合わせた。

「え、あ、それは……昔からの慣例で、責任の所在を……」

「全員がサインをするということは、誰も責任を取らないということの裏返しです。こんな無駄な稟議ルートは本日をもって廃止します。これからは、実務担当者の起案、課長の確認、そして私の最終承認。この三段階のみとします」

シルバはさらに、宮廷の魔導具師に特注で作らせた、いくつかの小さな魔導水晶を机に並べた。

「それから、これ。文字を入力すれば、自動で過去の納税記録と照合して計算してくれる『簡易演算魔導具』です。前世でいうところの『表計算ソフト』のようなものですね。これを使えば、今まで三日かかっていた帳簿の計算が、わずか三分で終わります」

「さ、三分……!? そんな馬鹿な……」

ベテランの役人が半信半疑で魔導具を操作し、数字を入力していく。すると、水晶が淡く光り、一瞬にして完璧な合計金額と、誤差のチェック結果を弾き出した。

「な、何だこれは……! 本当に、一瞬で計算が終わったぞ!?」

オフィスに、驚愕のどよめきが広がる。

「これまでの皆さんは、悪徳上司たちの無駄な会議や、利権を守るための複雑な手続きのせいで、過度な残業を強いられていました。ですが、システムを合理化すれば、人員が半分になっても業務はむしろ十倍速になります」

シルバは官服の袖を整え、役人たちを見渡した。その氷の瞳には、かつてのような冷酷さはなく、部下を導く一流の指導者の輝きがあった。

「残ってくれた真面目な皆さんの給与は、クビにした不穏分子たちの予算から削って『二倍』に引き上げます。その代わり、定時にはきっちり仕事を終わらせて、家族の元へ帰りなさい。……さあ、ホワイトな職場の始まりです。効率よく、片付けてしまいましょう」

「は、はいっ! 喜んで!!」

役人たちの目が、現金なまでに輝いた。恐怖の対象でしかなかった宰相が、自分たちの待遇を劇的に改善してくれる「最高のボス」へと変わった瞬間だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ