表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
敏腕秘書歴50年のおばあちゃん、弱小国の宰相に転生する 〜孫のような幼王様を泣かせる悪臣は、容赦なく書類の山に沈めます〜  作者: ペクチン21時


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
11/43

11話 おばあちゃん、職場環境(ブラック厨房)の改善を命令します

バルカ伯爵を『黒革の手帖』で完全屈服させた翌日、シルバの姿は再び王城の厨房にあった。

薄暗く、油汚れがこびりついた調理台の前に立ち、シルバは官服の袖を美しくまくり上げて、鋭い視線を室内へ走らせる。

「……ひ、ひぃっ……! し、シルバ宰相閣下……!」

昨日、財務大臣に続いて軍の巨頭までをも笑顔で叩き潰した「鉄血の若き宰相」の降臨に、料理長をはじめとする料理人たちは全員、床に額をこすりつけて震えていた。彼らは悪徳貴族たちから賄賂を掴まされ、レオン王にわざと劣悪な食事を出していた張本人たちだ。

元のシルバなら「国家反逆罪で即刻処刑だ!」と激昂していたかもしれない。だが、今のシルバの魂は、酸いも甘いも噛み分けた敏腕秘書である。

シルバは冷徹な美貌に、フッと全てを見透かしたような不敵な笑みを浮かべた。

「皆さん、そんなに怯えなくとも、首をはねにきたわけではありませんよ。……ですが、この厨房の衛生環境(5S)の悪さ、そしてレオン様に出されていた食事の『クオリティ』。これらは明確な業務怠慢、企業で言えば即刻解雇に値する不祥事ですわ」

「そ、それは……上の指示に逆らえず……!」

「分かっていますよ。だからこそ、チャンスを差し上げます」

シルバはトントン、と調理台を人差し指で叩いた。

「本日より、厨房の全権は私が握ります。私が提示するレシピと、徹底的な清掃マニュアルに従っていただきますよ。もし、これに不満がある、あるいは再びどこぞの貴族に情報を流すような『情報漏洩』を働くネズミがいたら……」

シルバの氷の瞳が、ギラリと冷たくきらめいた。

「その時は、あなた方のこれまでの『食材費のピンハネの証拠』をすべて公表し、文字通り書類の山に沈んでいただきます。……さあ、返事は?」

「は、はいっ! 喜んで働かせていただきます!!」

料理人たちは弾かれたように返事をした。

こうして、宮廷のブラック厨房は、シルバの圧倒的なトップダウンにより、一瞬にして「ホワイトな超一流レストラン」へと強制変革されることとなったのである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ