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グランサンクチュア〜地底天空都市の伝説〜  作者: 大森六
第三章 ガイアの大地

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第92話 新しい装備品 01

「何を言っているの? ガイアは大地でしょ。エターナル・マナレインが降り続いたことでもともとの大地の上に魔素が溜まって、それが魔土として蓄積してガイアの大地が生まれた。歴史がそう語っているわ」


 エミラの認識は正しい。そう、少なくとも人族の子供達は先生や親からそう教わるのだ。ノアもそれはわかっている。


「ノアは何か変だと思ったの?」


 ヘンリーの言葉に首を振るノア。


「いや、エミラの言う通り、ガイアは確かにそうやって形成されたはずだから変だとは思わないんだけど。ちょっと矛盾があるように思えて……」


「お兄ちゃん、その言い方は何か大きな事実が隠されてそうで怖いからやめて」


 ティアの反応に思わず頷くリリーとエミラ。


「……おそらくグランサンクチュアの上層へと辿り着いた時に分かる気がする。それに僕が想像する仮説が正しいなんてありえない。だとしたらあの天空の塔が建てられた真の目的は……」


 気になるところで話を止めるノア。それ以上話そうとはしなかった。イフリートはノアの表情を観ながら、自身への奇妙な感覚について思い返していた。


《そう、俺は何故このガイアがある状況からの記憶しかないんだ? 精霊の魂は引き継がれていくはず。以前のイフリートの魂の記憶も俺の中に宿しているはずなのに》


《そなただけでは無い……わらわもじゃ》


 エアルヴァがイフリートの念話に入ってきた。


《なんだと? じゃあ、一つ聞くけどよ……エアルヴァは光と水の精霊に会った記憶は今も残っているのか?》



《…………無い。全く思い出せないでいる。妾が精霊同士で集うべきだと考えた理由は正にそれじゃ。妾に残された記憶の断片にあのアジールの一族が残っておった。妾の精霊としての勘が囁いておる。あのノアがこれらの謎を解明してくれるとな》


《違いねぇ。アイツは面白えヤツだ。俺もこのパーティーを全力で支えると決めたぜ》


 ノアがあれこれ考えるのをやめて、骨つき肉を持って立ち上がる。


「この久々のBBQはエアルヴァとイフリートの歓迎パーティーだな! 改めて、精霊さん、希望のつるぎへようこそ! これからの長旅を一緒に頑張ろう!」


「いいね! その通りだ! 二人ともよろしくね!」


 ノアとヘンリーが大量の肉で上機嫌だ。エミラたちも笑って頷いている。


「リリーとティアをしっかり守ってね!」


 お姉さんらしい一言にエアルヴァも姿を現す。


『安心しろ。妾がいればリリアナは安全じゃよ』


『ティアは俺がいなくても大丈夫だな』


「ちょっと! あんたしっかり私を守りなさいよ! 放置したら許さないからね。最近お兄ちゃんと仲が良すぎてこまってるんだから。私が主人なんだからね!」


「ティアが嫉妬するからモノづくりの話はほどほどにしないとね」


「ヘンリ−! 嫉妬なんかしてないわよ!」


 ガイアの大地に響く弱小であるはずの人族の笑い声。

 久しぶりのBBQパーティーを新しい精霊の仲間とともに楽しんだ希望の剣だった。




 * * *



 マリーボイドで一晩過ごし、早朝に日課のトレーニングを始めたノア。そこにヘンリーとティアも同行する。


 最初は信じられないと思うほどハードに思えたメニューだったが、徐々に慣れてきた。そしてティアとヘンリーが剣術訓練をしている時にノアがふと思う。二人に剣を新調するべきではないかと。


「ティアもかなり剣術が上達してるよね! すごいや……その上、魔土術まとじゅつは精霊にも認められるレベルでしかも水と火と風を充分な威力で放てるなんて」


「剣の技術はヘンリーのおかげよ。そう言うヘンリーも魔土術の訓練の成果が出てるじゃない。風属性だけだったのが炎まで使えて魔剣はどの属性も纏うことができる。私は今のところ炎しか無理だわ。これもイフリートのおかげだと思う」



 珍しく二人が褒め合っている。ノアはそれくらい二人が努力していることを知っているから特に不思議な気持ちはない。しかし、どこか惜しいとも感じていた。


「ヘンリーの一撃の威力はソイラボアを真っ二つにできる技術がある。ティアの魔土術もかなりのレベルにまで洗練されてきた。そこに足せる要素と言えば……」


『新たな武器だな』


 ティアから離れていつものようにノアと会話するイフリート。本当に二人は仲が良い。


「おぉっ、さすがイフリート。やっぱりそう思うよね? リリーやエミラの分も含めて武器を新調しようと思うんだけど」


『良いじゃねぇか! ちなみにどんな素材をストックしているんだ?』


 ノアがアイテム袋からお宝の素材を出してイフリートに披露する。


「レアラブロックが10個と、ハイソイラのブロックが200個。ソイラグリズリーの皮と爪、キラーソイラパンサーの爪と肉球。それからキングガイアスコーピオンの甲羅とハサミと尾っぽの針。あと、使えるかどうかわからないけど四大魔軍の軍長コア」


『おいおい! キングガイアスコーピオンに遭遇したのか? やるじゃねぇか! 俺でもなかなか出会えないから諦めていたんだぜ。他の素材もそれなりって感じだな。魔人のコアはここで使うのは勿体無いからグランサンクチュアまで残しておけよ。きっと何かの役に立つからよ』


 ホクホク顔で笑いながら話す二人をティアが不満そうに見ている。


「ティア! 今は訓練に集中だよ!」


「あ、うん。ごめん!」


 ヘンリーの剣をさばくティアの様子を見ているノア。ティアには短剣の方がいいのではないかと感じている。実はそれはヘンリーにも話をしていたことがある。ヘンリーも同意見だ。ティアの身軽さと魔土術との相性を考えると短剣を装備させるべきだと。


「イフリートはどう思う? ティアに短剣を装備させるっていいと思う?」


『……双剣だな。短剣二本で理想は合体して使うこともできるようなものはどうだ?』


「合体! それいいな! なるほど……両手の短剣使いか。片方は炎の魔剣、もう片方は水とかもできるといいなぁ」


『いや、ティアには炎以外の魔剣は難しいだろうな。流石に魔土術士ソレイジの資質がでかいから。剣の才能もあるが魔土戦士ソレイヤーのヘンリーほどじゃねぇよ』



「確かに。だとするとダブルファイヤーソードだな」


『なんだ? そのお子様みたいなネーミングセンスは』


 大笑いする二人。まさか自分の武器のために話をしているとは思っていないティアは余計に集中できない。



「イフリート! あんたちょっとは私の訓練をサポートとかしてよ!」


『いや、だから今ティアをサポートするための新しい武器をノアと考えているんだよ!』



「…………え? 私のための新しい武器? 本当に?」



 ポカンとするティアの顔を見てヘンリーが笑った。


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