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グランサンクチュア〜地底天空都市の伝説〜  作者: 大森六
第三章 ガイアの大地

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第84話 ガイアの祠 01

 15メートルはあるスコーピオンの殻を嬉しそうに解体しているイカれたリーダーを観ながら休憩するティアたち。


「ちょっと死んだわって思ったけど、クアトロのおかげで大分ダメージを軽減できていたみたい。あのでっかサソリ相当強かったわね」


「正直、僕は太刀打ちできなかったよ。あれはノアとティアがダメージを与えていなかったらおそらくサソリは喰らってくれなかったと思う。とんでもないスピードだった」


「そのでっかサソリを上回る動きだったのがお兄ちゃんのスピード。4倍になったとはいえ、私の感覚も4倍で対象を捉えることができるはずなのに、全く見えなかったわ……」


「旅を続けている中でも朝一、寝る前の訓練を怠らないからね。ノアは努力の人でもあるよね。僕も見習わないと……」


 二人はノアを美談にしているが、エミラは少し違う。


「ただのソイラマニアだから。モチベーションが高いのよね。強い魔物に対する興味というか。恐怖心が無いのよ。意味わからない。あんな巨大な魔物を目の当たりにして、倒そうと思う方がおかしいって。スピード云々の話じゃなくて、何か重要な感情が欠落しているわ。とんでもないリーダーよ」


 違いないと皆が笑う。


「よっしゃあ! キングガイアスコーピオンの甲羅とハサミ、それに尻尾の針もゲットだ! いやぁ、ここにもしも工房があればなぁ……後でマリアに自慢しよう!」


 これでガイアの大地で起こる謎の一つ、S級を超える魔物が地上に現れる原理を解明できた。


「それじゃ、先に進もうか!」



 その日からティアたちの日々の過ごし方が変わる。自主練の時間を増やしたり、ノアとの模擬戦でセンスを磨き、ダンジョンでは目標を設定して踏破する。


 旅をしながらも必死で鍛錬を積む希望のつるぎパーティーはいつの間にかストイックな冒険が当たり前のようになっていた。


 そして二ヶ月の月日が流れる。


 * * *




「ノア、おそらく突風が来るわ。そろそろフルーゲを着陸させた方がいいと思う」


「わかった。すぐに着陸させるね」


 リリーの一言でノアはガイアの大地にフルーゲを着陸させてリリーの指示で巨大な岩陰にある横穴洞窟に避難する。十分後に強烈な突風が何度も通り過ぎていく。しばらく続きそうだ。


「リリー本当に風を感じとれるようになったのね? すごいわ!」


 二週間ほど前にティアはリリーから奇妙な感覚があることを相談される。何かが囁いて教えてくれると。ノアもエミラも興味津々で話を聞くとどうやらガイアに吹く風の動きを教えてくれるというのだ。


 最初は半信半疑だった。しかし竜巻き、突風、嵐など次々と的中させて被害を出すことなく回避できたことから、ノアはリリーのそれを()()()()()と呼んでいた。


「でもどうして急に? もしかしてお母さんがボソッと言っていた精霊がどうとかっていう話と繋がるんじゃない?」


「うん。なんかそんな気がする。私にもよくわからないけど、否定されていない気がするわ」


「次回リモートスクリーンで話すときにその話題にも触れてみよう! 報告したいことが色々あるしね!」


 突風が収まって、出発しようとしたそのとき、ヘンリーが何かを発見する。


「ねぇ、これって何かのボタンかな?」


 ソイラの地面が一部分隆起してできた凸面にキューブ状の真っ白いソイラが置かれている。いや、くっついて外れない。


 エミラが触れてみるが何も反応しない。


「サーチライト<スキャン>」


 ノアがそのキューブを調べてみるが特に変わったものでは無さそうだ。洞窟の先は壁で閉ざされている。明らかにこのキューブが何かの仕掛けになっていそうな雰囲気ではあるが……


「このキューブ自体はエンプティラ(魔素が完全に抜けた魔土ソイラ)だよ。ただ……ここまで正確で美しい立方体の形っておかしい。明らかに人為的に手を加えたものだよ。そして固定されているのも変だ」


「じゃあ、マナを注いでみようか。何かが起こるかもね」


 エミラの提案に同意して早速エミラがマナを注入してみた。ボワンと柔らかい光をまとってすぐに消えてしまった。元の白いエンプティラに戻っている。


(…………おかしいぞ。そんなはずは……)


 次にティア、リリー、ヘンリーと試してみたが同様の反応だった。


「リリー、マナを注ぐときにマナの量は意識して抑え気味にした?」


「あっ、全く意識せずにマナを放出した気がする……ごめんなさい」


「いやいや、いいんだ。これでわかった」


 ん? というわけがわからないという表情でノアをみるティアたち。


(ウサ爺に学んでおいて本当に良かった。(から)の概念、ここでも活用させてもらうよ)


 ノアがキューブに手を触れてエンプティラに注入できるマナの量を正確に注入する。


 ガコン! ゴゴゴゴゴ……


「えっ! 地面から地下へと続く階段が!」


 ノアたちの前に現れたのは美しくカットされて敷き詰められたソイラブロックで作られた地下へと続く空間だった。


「すごいわ! 秘密の空間ってことはきっとガイアの秘宝か何かが……」


「なんか、エミラも大分お兄ちゃんみたいになってきたわね」


「アハハハ! お姉さまがノアみたい!」


 ティアとリリーにからかわれて赤くなるエミラ。思わぬ失態だ。こんなソイラマニアと自分が同じだなんて。


「ちょっと、ビックリしただけよ。ねぇ、ヘンリー」


「え? 僕は特に何も……」


「ねぇ? そうでしょ? ヘンリー?」


「あ、はい。そうです」


「皆、どうする? この階段を降りていくか? それともやめておくか?」


 珍しくノアが慎重に事を進めている。余計に恥ずかしくなるエミラ。


「ノア、それってこの先に何か危険な魔物がいるって事?」


 ヘンリーの問いに首を振ってわからないと答えるノア。



「ただ、この仕組みは正確にこのエンプティラを埋める分だけのマナを注ぎ込んだときだけ階段が現れる仕組みになっていた。そしてこの先の階段通路だけど、とにかく綺麗だ。こんなに一つ一つのブロックを正確にまっすぐカットできる技術をこのガイアの大地で見つけた時点で普通じゃない。瞭らかに実力を持つ誰かが作り上げたものだ」


「なるほど。何かトラップがあるかもしれないってことね?」


「うん。何が目的かはわからないけど。ただ、エミラがいうように、おそらくすごいお宝が眠っていると思うんだけど。ここは皆の意見をまとめて決断しようと思う」


「私は……行ってみたいわ!」


 ティアが真っ先に手を挙げた。エミラも同じだと手をあげる。


「僕はエミラとリリーを守る。ただそれだけだ。どちらに決まってもそれに従うよ」


「私は……みんなで挑戦したい。心の声が進めと言っている気がするの」


 リリーとヘンリーも意見を述べて、ノアが頷く。



「よし! それじゃあ今から希望の剣は、ガイアの謎の地下迷宮に挑むぞ!」









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