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グランサンクチュア〜地底天空都市の伝説〜  作者: 大森六
第三章 ガイアの大地

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第83話 巨大クレーター 02

 クレーター付近にマリーボイドを仮設して、しばらく様子を見る希望のつるぎ。しかし特にクレーターに変化は起こらない。


「ボイドさんの言うように、ダンジョンと同じような地底の魔素が大いに含まれた魔土ソイラでできている。しかしここ数日魔物がこのクレーターから出現した形跡もない……そろそろ先へ進むか。いつまでもここにいるわけには――」


 ピカッ!!!


「ノ、ノア! クレーターの中心から光が!」


 ヘンリーの言葉を聞くまでもなく、パーティー全員がその光景を注視していた。そしてノアは最悪の状況を思い浮かべてしまう。



「まさか……このクレーター、S級を超える大型の魔物を生み出す過程だったんじゃないか?」


 ノアの言葉を聞き、エミラが青ざめる。


「ちょっと、それってここから避難したほうがいいんじゃないの?」


「……とりあえず急いでマリーボイドを撤収だ!」


 ヘンリーがクレーターの様子を見張っている間に急いでマリーボイドを折りたたんで片付ける。


《光が強くなって中心から何かが形成されているみたいだ。ノアの言うようにアレは魔物っぽいよ!》


《ヘンリー! 後10分は必要だ。魔物が生まれるまで時間は……》


《サソリだ! ものすごくでかいサソリが生まれた! キングソイラコングの3倍はあると思う……ヤバそう》


 ヘンリーの話を聞いてエミラがつぶやく。


「もしかして……キングガイアスコーピオンなんじゃ……」


「……間違いないね。ヘンリーのいう大きさが正しいなら、それしか考えられない。皆、急ぐぞ!」


 珍しくノアが焦っているように見える。その表情がティアとリリーにも伝染してしまう。そんなに強敵なのか。


《砂煙が上がってよく見えないけど光が消えた! おそらく生まれたんだと思う! 皆、そっちはどう? もうフルーゲで脱出できそう?》


 ヘンリーが当たり前の質問をする。そう、いち早くここから脱出しなければ……


《ヘンリー! 絶対にその魔物を見失っちゃダメだ! 魔物が持つ魔素の強さで索敵して位置をしっかり把握してくれ》


 ノアから明確な指示が飛ぶ。


《う、うん! やってみるよ! そっちはもうフルーゲを出して準備はできたの?》


《ちょっと! あなたいい加減にしなさいよ! パーティーを全滅させる気か!》


《大丈夫だって! 兎に角、僕の言う通りに――》


《できるか! そんなに死にたいならお前がやれ!》


「何があったんだ?」 


 ヘンリーがどうしたんだと後ろを振り返って見た光景は想像をしなかった展開だった。


 リリーゴーレムが起動され、ノアたちがゴーレムの肩に乗っている。



「…………え? まさか……アレと戦うの?」


 と、その時キングガイアスコーピオンが突如クレーターを駆け上がり、ヘンリーは背後をとられてしまう。


「し、しまった!」


 巨体からは想像できない程のスピードだった。


 尻尾の針でヘンリーを狙って突き刺そうとした瞬間、ノアが現れてヘンリーを担ぐ。


「よっと!」


 そしてヘンリーと共にその場から消えてスコーピオンの攻撃をかわす。ゴーレムの肩に戻ってきたノア。テレポートで上手くヘンリーを救出できたが……


「はぁ、はぁ、はぁ……つまり、戦うってことなのかな?」


「そうだね。アイツを倒すよ」


 ノアの決定に不満そうなエミラと戦う気満々のティア。リリーはゴーレムの操作に集中している。


「ノア。逃げることだって戦略のうちよ! 何も現れる強敵を全て倒していかないとダメなんてことはないでしょ? リスクを冒す必要なんてないわ」


 真っ当な指摘だが、ノアは決定を変えない。


「キングガイアスコーピオンはガイアを縦横無尽に駆け巡ると魔物図鑑に記されていた。もしもこのまま逃げたとして奴が僕らを追ってきたとしたらどうする? マリーボイドを襲われたら終わりだよ? 今ここで叩いておくべきだよ。それに……」



「「「それに?」」」


「あの両腕のハサミ、背甲、尾っぽの針は絶対にいい素材になる!」


「絶対そっちが一番の理由でしょ!」


 エミラのツッコミを完全スルーで作戦を立てる。


「リリー! ゴーレムの攻撃はスコーピオンの動きの速さからして当てるのは無理だ。いや、当てても粉々になりそうだから逆にダメだ。そこでアイツが逃げないようにゴーレムでウインドウォールを放って周囲を風で囲って欲しい」


「わ、わかった。逃がさないようにって、S級越えの魔物相手にすごい自信……」


「あなたね……いい加減にその倒し方に注文つけるのやめなさいよ!」


 エミラがいつものように呆れている。


「エミラはゴーレムの肩から僕たちに補助系魔土術(まとじゅつ)と回復系魔土術でサポートして」


「いいけど、本当に3人でやる気?」


 サムズアップする笑顔のノアとティア。そして状況がイマイチわかっていないヘンリー。問答無用で二人の手を握る。


「それじゃあ行くよ! テレポート!」


 そしてパッと消えてしまった。


「本当に行ったわよ……信じられない」


 エミラがため息をついた時、ノアたちはすでにキングガイアスコーピオンの前にいた。



「二人ともあのでかさに惑わされないようにね! スピードが異常に速いから」


 ヘンリーの言葉に頷く二人。


「クアトロ!」


 ノアが3人に身体強化4倍の魔土術クアトロをかける。



「二人は尾っぽを斬り取れるか試してみて。多分、一般の魔土術は甲羅には効かないから、ティアは関節部分に一点集中で狙うイメージでいこう!」


「了解! お兄ちゃんはどうするの?」


「僕はアイツのでっかいハサミを斬り取る!」



 そして3人が動き出す。周囲はリリーゴーレムのウインドウォールで囲われてスコーピオンも脱出できない。リリーは徐々に風の囲いを狭めていく。スコーピオンの自由を奪うためだ。


《いいぞ、リリー。そのままどんどん狭めていってくれ》


「ここだ! 炎弾!」


 尾っぽの関節部を狙った炎の弾丸は外された。想像以上に素早い。そして斬りかかったヘンリーの一撃はズラされて甲羅面で弾かれ、すぐさま振り回す尻尾アタックをガードの上から喰らってしまう。


 ティアは素早い尾っぽの針攻撃をギリギリかわす。しかし、かわしたところをハサミで地面に叩きつけられてしまう。ガイアの大地がめり込むほどの威力だ。


「ガハァ!」


 風魔土術でバリアしてなんとか直撃を防いでいたがかなりのダメージだ。


「ヘンリー! ティア! 死なないで! ハイソイラ!」


 エミラの回復魔土術で再び復活。いつの間にか同時に複数人に唱えることができるようになっていた。


「いや……ノア、やっぱりこれを相手にするのはかなり無理――」


 ズバッ!


 炎の一太刀で巨大なハサミの付け根を切断するノア。


「よくやった! ティア、ヘンリー。アイツに一瞬隙ができたよ」


「いや……一瞬の隙であのでっかいハサミの付け根を斬るってどういうこと? もう変態レベルだわ……」


「何倍もある巨大な魔物のとてつもなく硬い箇所をどうやって一振りで斬ったの? 意味がわからないよ……」



「負けていられないわ! ヘンリー! 私たちもいくわよ!」


 再びキングガイアスコーピオンの尻尾に向かって突っ込むティア。今度はギリギリまで攻撃せずに針攻撃をかわしながら距離を詰めていく。


 ダンダンダン! ティアの炎弾が見事に関節に命中した。


「ヘンリー! 余所見してないで早く斬って! 今ならいけるはずよ!」


「り、了解!」


 ヘンリーが尾っぽを斬ると同時にノアも2本目のハサミを斬り落とす。そしてノアがそのままの勢いでコアを狙ってロングソードを突き刺して魔物の動きが止まる。



「やった! 僕らの勝利だ!」









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