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グランサンクチュア〜地底天空都市の伝説〜  作者: 大森六
第三章 ガイアの大地

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第117話 ゴールデンドロイムたち

 リモートスクリーンを介しての勉強会。ノアの銀龍ルミノアを見ていきなり驚いてしまったが、ロイやボイドを始め王国の研究者たちとウサ婆がソイラ談義で盛り上がっている。ロイとしてもなかなかない機会とあって様々な疑問や仮説をウサ婆にぶつけていた。


 その脇で食事の支度をする者と工房で製作に勤しむ者。皆が聖なる祠に集まっている。ウサ婆はこのワイワイガヤガヤした感じが200年ほどなかっただけに、嬉しくて仕方なかった。


「食事ができました! 王宮の皆さまも一緒にいかがですか?」


 リリアナ王女の呼びかけで再び双方で賑やかな食事会が始まる。ノアとイフリートが美味しそうな香りにつられて工房から出てきた。


「「「いただきます!」」」


 国王と王妃も参加してリラックスした雰囲気でミラ王女とリリアナ王女に話しかける。


「ミラよ。その後、聖女への修行はどうじゃ? 順調に精進できておるか?」


「はい。国王。順調に手応えを感じながら進めております。ウサ……ウサバ様の話によると、あと二ヶ月ほどではないかと」


 おぉ〜と歓声が上がる。いよいよ具体的な数字が見えてきた。


「うむ。楽しみにしておるぞ。リリアナは元気にやっておるか?」


「はい! 毎日お姉様とティアと一緒に魔土術の修行に励んでおります。大分、風の精霊エアルヴァさまとの意思疎通もできるようになり、その力を十分に発揮できるようになってきました」


 またしても歓声が上がる。特に王妃はリリアナ王女の内面の変化に驚いていた。こんなにハキハキと自分の意思をはっきりと言えて、笑顔でコミュニケーションをとれる日が来るなんて想像もしなかったのだ。


「リリアナ。焦らずにあなたらしく精進しなさいね。ミラにはミラの人生があり、リリアナにはリリアナの人生があるということを忘れないで」


 王妃の言葉に胸を打たれる二人の娘。その横でうんうんと深く頷いているティアがいる。同じように考えているのだろう。そう、あの兄貴と自分を比較してはならない。


「じゃあさ、とりあえず表面をマナでコーティングするイメージでいいのかな?」


『あぁ、そこに溶かして生成した液体レアラをぶっかけて二重膜構造にすれば……』


 ノアとイフリートはずっと新たな発明のクオリティを上げるために工房にこもって研究している。食事の時もその話題で持ちきりだ。


「何ができるか楽しみだね」


 ティアの隣でヘンリーが微笑みながらノアたちを見ている。


「ティア! その後訓練は順調か? イフリートが忙しい時は剣術も磨いておくといいぞ。ティアは両方の職種で最強を目指せる素質があるからな」


「うん! ここ最近はそんな感じだよ。ヘンリーと聖水滝の中で負荷をかけて模擬戦するのが一番楽しいわ」


 ロイが羨ましそうに笑う。この場へ訪れてみたいという気持ちが伝わってくる。


「ヘンリー! だいぶ強くなったみたいだな。マナの纏い方が以前とは比べ物にならない。さてはウサバ様にアドバイスしてもらったな?」


「は、はい! これでより一層王女護衛の任務を全うできそうです!」


 その後も食事会は楽しく続いた。



 * * *



 朝、ノアはいつものトレーニングを終えた後、ティアとヘンリーと話をしていた。いよいよ滝の下でモグるという前代未聞の探掘を始めるためだ。


「ティアとヘンリーは特にここ数ヶ月この聖水の圧力がある中で模擬戦をしていたくらいだから魔物が出てきても対処できるはずだ。僕がモグっているときに二人に背中を預けたいんだ」


「いいわよ。イフリートは外に出れないしね。私の中にいなさいよ」


『おう。ティアのサポートに徹するぜ』


「リリーは()()()()()()を守る役として一応待機させておく。聖水の中に侵入してくる魔物なんていないと思うけど、神獣クラスが仮に出てきたら聖水とか関係ないしね」


「確かにね。あとゴールデンドロイムが出るかもしれない。あいつらの生態も謎過ぎてよくわからない」


 ヘンリーの意見も正しい。そもそもドロイムレベルでこんな深層に存在すること自体が謎過ぎるのだ。


「そういえばね。お兄ちゃんがテイムしたドロイムたちが言ってたよ。ここの聖水を飲んでたら黄金になったって」


「な、なんだって? 喋ったのか? あいつら」


「うん。お兄ちゃん名前すらつけてないでしょ。寂しがってたよ。エアルヴァがそう言ってただけで私は直接話していないけど」


「すっかり忘れてた……よし、今から名前つけるか」


 ノアはそう言ってアイテム袋から五匹のゴールデンドロイムを呼び出す。


「お前たち、名前つけてなくてごめんな。でもちゃんと助かってよかったな」


 ドロイムたちが喜んでいるような動きを見せる。


「じゃあ、真ん中の君。ゴールドノア。君はゴールドティア。その隣の君がゴールドヘンリー。その隣の君がゴールドリリー。そして最後の君がゴールドエミラ」


「ちょっ、ちょっとノア。それってどういうこと? 僕たちの名前が入っているの?」


「そうだよ。だって彼らはそのためにテイムしたんだ」


「え? 私たちがもらっていいって事?」


 頷くノア。


「もともとそれぞれを護衛する存在としてテイムしたんだよ。この子たちは魔土術を無効化するし、素早い。皆それぞれ好きなように育てたらいいと思うよ」


「何それ! 最高じゃないか! ありがとうノア! そのためにテイムしたなんて」


 ヘンリーが大喜びする。ティアも初めてのペット。しかもかなり最強属性だ。


「えっと……イフリートの炎を凝縮してそれをゴールデンティアで包み込んでぶん投げるって大技が……最初に打撃を与えてその後大爆発……ウフフフ」


 早くも攻撃に活用するイメージを浮かべるティア。ゴールドティアがビクビクしている。


「面白そう! お兄ちゃんありがとうね!」


「よし、それじゃあ探掘のサポートよろしくね!」


 ノアは起きてきたリリーとエミラにゴールドリリーとゴールドエミラを渡して探掘のことを話した後、すぐに滝壺に潜っていった。



 ペタペタとウサ婆が歩いてエミラの元へやってきた。最近ウサ婆も一緒に寝ている。あのベッドが気に入ったみたいだ。



「ヒャッヒャッヒャッ。ノアたちは探掘に行ったがね?」


「はい。3人で行っちゃいましたね。何か採れたらいいんですけどね」


 エミラが軽い気持ちで答える。するとウサ婆はニヤッと笑って言葉を返した。



「ヒャッヒャッヒャッ! 沢山採れるがね。レアラも、()()()()も」



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