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グランサンクチュア〜地底天空都市の伝説〜  作者: 大森六
第三章 ガイアの大地

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第108話 ダンジョンの幻獣 06

《マナの塊を放った?》


《おそらくね。とんでもないやつだ……イフリートが言うようにコイツは魔土術まとじゅつの直接的な攻撃を全てはじき返す耐性があるみたいだしね》



《ティア! 水魔土術を試してくれ! リリーは竜巻をぶっ放してほしい》


 ノアの指示で魔土術を放ってみたが水は跳ね返り、トルネードは喰らって舞い上がって落下する程度だった。一部は泉の中へ落ちて、他は広場に叩きつけられ、少々ダメージを負ったようだが有効な攻撃とは言えない。



《なるほどな…………決めたぞ。もうこれしかない》



《ノア、どんな作戦? 指示をくれ!》


 ヘンリーがロングソードを構える。


《アイツの魔物名を<ゴールデンドロイム>と名付けよう!》


《……はぁ?》


《多分コイツは新種の魔物だ! これは早速王国に報告だな! いやもしかするとこのガイアの大地で人族だけじゃなく他の種族でも初めて遭遇する魔物かもしれない! 貴重な発見だ!》


《おいおいノア! 俺が先に見つけたんだぞ! 命名は俺がつけるべきだろ! 黄金レアラドロイムってのはどうだ!》


《ダメだ! ここは譲れない! ゴールデンドロイムで決定だ!》


 ドガン!


 イフリートとノアが命名権でもめているところに鬼の形相でエミラがマナの塊をノアの顔面に投げつけてノアを吹っ飛ばす。


《くだらないことで揉める前にあのドロイムをなんとかしろ馬鹿リーダー!》


『あ、頭が壁にめり込んだぞ……おい、大丈夫か?』


《……す、すごいなエミラ。早速マナの塊を投げる技術を身につけるなんて……》


 顔面血だらけのノアが自分でハイソイラを唱えて回復する。


《エミラお姉様、本当にすごいわ! どうやって塊を飛ばしたの?》


《無我夢中でよくわからないわ。兎に角ゲンコツが届かない遠くにいるあの馬鹿リーダーに向かってぶん殴りたい気持ちをマナに解放したらこうなったわ》


 大笑いするイフリートと恐怖を感じるノア。ボスは本気を出せばなんでもできる存在のようだ。


《よし皆。気を取り直してあのゴールデンドロイム攻略の作戦を今から伝えるぞ!》


 皆がノアの念話に集中する。


《理想は十匹中、五匹をテイムする。残り五匹は倒して武器か防具に使用する!》


《いいねぇ! そりゃ名案だ!》


 相変わらずイフリートだけが喜んでいる。エミラが怒りのマナ弾を放つが、ノアは上手くかわしながら話を続ける。


《リリーはヘンリーとティアに風バリアを継続して張る。その時に全面じゃなくていい。ゴールデンドロイムとティアたちの間に一枚の分厚い風の板を張るイメージだ。それをティアたちが攻撃する際に支障が出ない様に形をコントロールしてほしい。できるか?》


《必ずやります! 絶対に()()()()()()傷つけさせないわ!》


《ぼ、僕は? リリー、僕の存在も忘れないでね!》


 最近、リリーもノア化している気がして不安に思うエミラ。


《それからエアルヴァは全力でリリーと……ついでにエミラにも全面バリアを張って守ってほしい。あと、ヘンリーと僕が攻撃する際のサポートも忘れずにお願いね》


《任せろ。余裕じゃ》


 それを聞いて安心するノアと怒りがおさまらないエミラ。そしてイフリートにはティアの中に戻るように指示を出し、準備を整える。


 ゴールデンドロイムが一気に攻撃を仕掛けてきたが、ティアたちをなんとか風のバリアで守ることができた。しかし、ものすごい衝撃だ。リリーの負担が想像以上に大きい。


「リリーありがとう! イフリート、いくわよ!」


 躊躇なくゴールデンドロイムの群れの中へと突っ込んでいくティア。それを追うようにヘンリーが続く。


 ドドドッ!


 連続してティアに集中砲火するがなんとか一部をかわし、残りを風のバリアで防ぎつつティアの打撃範囲まで距離を詰めた。


《ティア! まずは普通の打撃で相手のスピードと動きを観察しろ! イフリートも焦るなよ!》


 ノアのアドバイスを聞いて普通の打撃で攻撃するティア。パンチと蹴りをあっさりかわすゴールデンドロイムが逆にティアの顔面に強烈な打撃。なんとかリリーのフォローで防いだ。


《隙ができたわ! イフリート!》


 ボッ!


 ティアの声と同時に拳に炎が宿る。


《喰らえ! 炎拳!》


 渾身の一撃が油断していたゴールデンドロイムのコアを完璧に粉砕した。


《やったわ! 打撃なら攻撃が通じるみたい!》


 周囲のゴールデンドロイムが動揺する様子はない。再びティアに向かって攻撃を仕掛けようとしたところにヘンリーショット(風パンチ)が完璧に決まる。一旦距離を置いて様子をみるゴールデンドロイム。希望の剣が強いことに驚いているのかもしれない。


《二人ともナイスだ! ヘンリー! 他のゴールデンドロイムは僕に任せて。その隙にアイテム袋に倒したゴールデンドロイムを収納しちゃって!》


《了解!》


 手際よくせっせと袋に詰め込むティアとヘンリー。ノアが他のゴールデンドロイムに向かって攻撃を仕掛ける。


「水槍、10000くらい!」


 ドドドドドドドドドドドッ!


 雨が降るかのように水と風でつくられた大量の槍がレアラドロイム八匹の頭上から襲いかかる。


 ものすごいスピードで降り注ぐ槍だが、レアラドロイムも負けていない。衝撃波を上部へ放ちながら槍の雨を素早く躱してしのいでいる。


(今だ! 最初は一瞬で威嚇するイメージを持って)


 ゴールデンドロイムからはまだ距離があった。しかしノアは左拳を引いて狙いをつけて一匹に狙いを定めてジャブを二発撃ち込む。


 ドシュ! ドシュ!


 右手は槍の雨を降らせつつ、左手で防御一辺倒のゴールデンドロイムのコアを的確に撃ち抜いて二匹倒した。自分たちよりも素早い攻撃を受けたことに流石に動揺しているようだ。


(よし。あいつら焦っているな。ここで更に圧倒的な力を見せつける!)


 槍の雨が止み、ゆっくりと近づいていくノア。ゴールデンドロイム6匹が衝撃波を同時に放つ。


 しかし、ノアは左手にリリーの風を纏って全て撃ち返して衝撃を相殺する。ニヤリと笑いながら更に近づいていく。



 ブルブル震えだしたゴールデンドロイム。そのうちの1匹がノアを避けてティアに向かって衝撃波を放った。


「え?」


 ドン!


 無防備なティアの身体に直撃! バリアで守られていたものの、衝撃で吹っ飛んで泉の中へ落ちてしまった。



「ティアーーーー!」





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