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神威(カムイ)の流転と聖なる詩片  作者: カムイ ピリマ(神はひそかに教える)
第壱部 『神威息衝く古代國』編
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詩片の狭間 乙女の想い(メノコ・ピリマ)

 その日の夜……根源神威之妹(イザナミ)の神威で三柱に分かれたスセリ、根源神威之妹(イザナミ)、そして楓……。

 ヤチホコは、囲まれるように抱きつかれ、自神も神威を脱ぎ捨てて、「竜輝」として眠りについた。


(……そうか……今は、民衆(ウタラ)にさえ届くのですね……。

 『神威之啓示(カムイピリマ)』……。

 いいえ、『神威之祝福(カムイノミ)』……。

 まさに、ヒメさんの言う、恍惚……なのでしょう……ね……)


「……ヤチのエパタイ(おバカ)。どうして最後に『想う』のがヒメちゃんなのよ!」


 幸せそうな寝息を立てて、夢路へと誘(いざな)われていった彼にぶつける可愛らしい「嫉妬(ピリマ)」。


「ほほ……『誘(いざな)われやすき』故……『いざなぎ』……であるやもしれませんわ」


 根源神威之妹(イザナミ)の口からは意外にも、スセリを慰める「冗談(ピリマ)」。


「ふふ、だぁって『竜輝』だもの。『遊び疲れ』たら、ぐっすりよ」


 当然とばかりの楓の「自慢(ピリマ)」。


「……もぅ。せっかく久々の二人? の夜なのに」


 ぼやくスセリの声に誰かが応える。


(それなら、みんなで『肴(さかな)(眠りし王)』を前に話しましょ)


 聴こえてきたのはミチヒメの想い(ピリマ)。


(寝息を立てるヤチホコ殿の御前で、その御姿を拝見賜り、剰え乙女(メノコ)たちで話に花を咲かせるなど……!

 ワラワを混ぜないのは、『言語道断』でございます……!)

 

 ヒメの必死の「懇願(ピリマ)」。


(わぁ、眠っちゃったお兄さま(おにいさまぁ)、きっと可愛らしいと思います(思いますのっ!)。

 ミヅキ(ミヅチ)も参ります(ゼッタイ参りますの!))

 

 ミヅキとミヅチからの断固たる純粋な「宣言(ピリマ)」。


(あらぁ、そんなにあの寝所って入れるかしら? まぁいいわ。

 ……アタシは特製のおやつ持参で向かうから、待っていると良いわ)

 

 広さの心配の裏に憂いを秘めたキクリの伝言(ピリマ)。


「……皆さま、御戯れは結構ですが、『我が愛すべき主』……起こさぬようご注意を。

 万一の場合……『法理の極み』の錬をご提供いたしますので……!」

 

 最後、静かに顕現したカンナの忠告(ピリマ)。


(わたくしの愛すべき『我が背(ナギ)』よ……。

 咲き誇らん華であり囀りし愛告鳥(ピリマ)たち……。

 其はまさに、そなたの真寧なる想い故育まれしもの……誇りに想いますわ)


 そう言うと、静かに根源神威之妹(イザナミ)は竜輝の額に唇を押し当てた。

 赤子の様に笑みを浮かべ、幸せそうに竜輝は眠る。

 幾日か過ぎれば永劫の旅路が待っている。

 だから彼女たちは静かに過ごす。

 かけがえのない共に過ごせる夜を。

 眠りし王の傍らでは、愛の共謀者たちの、甘やかで切なくも幸せそうな「語らい(ピリマ)」が、彼を起こさない様に静かに咲き誇っていた……。


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