第205話 トルナ村から来た母の手紙
総括記録を閉じた翌朝、ミレーヌは寝坊した。
正確に言えば、寝坊ではない。
王弟府の勤務開始には間に合っている。
髪も整えた。
服も乱れていない。
記録官補の徽章も、曲がらず胸に留まっている。
ただ、朝食のパンを手に取ったまま三度ほどぼんやりし、紅茶へ砂糖を入れたかどうか分からなくなり、結局甘すぎる紅茶を飲む羽目になった。
それを見たオスカーが、記録室の入口で言った。
「おはようございます。顔が封印済みの記録みたいですよ」
「どういう意味ですか」
「閉じて、紐をかけて、しばらく開けたくない顔です」
「朝から失礼ですね」
「比喩としては正確だと思います」
「記録に残しますよ」
「撤回します」
軽口を返しながらも、ミレーヌは自分でも分かっていた。
少し、終わった気になっていたのだ。
南施療院未着布および問無運用に関する総括記録。
――消された名前を戻すために――
その表紙に封印補助印を押した時、胸の奥で何かが一区切りついた。
ハーゲンの名は戻った。
問無は禁止された。
照会監査室も動き始める。
南施療院の布も届いた。
もちろん、全部が終わったわけではない。
それは分かっている。
分かっているのに、身体のどこかが「少し休ませて」と言っていた。
だから、記録室に置かれた新しい木箱を見た瞬間、ミレーヌは思わず足を止めた。
木箱は小さい。
前に財務院から届いた抗議箱のように大きくも重くもない。
だが、蓋の上に貼られた紙を見た瞬間、嫌な予感がした。
西北領トルナ村・返信
ミレーヌの眠気は、一瞬で消えた。
オスカーも軽口をやめる。
「届きましたか」
「……はい」
ミレーヌは木箱の前に立ったまま、すぐには手を伸ばせなかった。
あの手紙。
うちの村の薬も、紙では届いたことになっていました。
春の熱病で、子どもが三人死にました。
薬が来なかったせいだけとは言えないと村医者は言います。でも、届いたと書いてあった薬がどこへ行ったかは聞きたいです。
総括記録を閉じる前に届いた、あの短い訴え。
王弟府は返書を送った。
薬の行方を調べてよいか、もう一度あなたに聞きます、と。
その返事が来たのだ。
オスカーが低く言う。
「クラリス顧問を呼びますか」
「はい。あと、ハーゲン様も」
「医官の許可が必要です」
「分かっています」
ミレーヌは木箱を持ち上げた。
軽い。
中には、たぶん一通か二通しか入っていない。
それなのに、両腕にずしりと重さが残った。
◇
王弟府の小会議室に集まったのは、クラリス、グレゴール、オスカー、ミレーヌ、そして照会監査室準備協力者としてのハーゲンだった。
ハーゲンの勤務はまだ半日である。
今日は本来、午前は休養、午後から資料整理の予定だった。
しかし、トルナ村から返事が届いたと聞くと、彼は自分から出席を希望した。
エリオス医官は渋い顔をした。
「昨日、総括記録を閉じたばかりです」
「はい」
「疲労が残っています」
「分かっています」
「分かっている人は、もっと寝ます」
「それは、分かっていますが実行できない方の分かっていますです」
「最悪の分類ですね」
それでも、エリオスは出席を完全には止めなかった。
条件をつけた。
一刻以内。
途中休止可。
本人に関わる内容で体調が悪化した場合は即退席。
そして、発言しない時間があっても「混乱」と記録しない。
最後の条件を聞いて、ハーゲンは少し笑った。
「医官殿まで、記録の言葉に厳しくなりましたね」
「患者に鍛えられました」
「私は患者ですか」
「今は、厄介な協力者です」
「それは病名ですか」
「ほぼ」
ミレーヌは、つい笑いそうになった。
ハーゲンも少しだけ笑った。
だが、小会議室で木箱が開かれると、全員の表情は変わった。
中には、紙が三枚入っていた。
一枚目は、代書人による正式な同意書。
西北領トルナ村、薬草番ラウラ・ベンテの妻、マーヤ・ベンテは、三年前の春季薬草費支出について、王弟府照会監査室準備班による調査を望む。薬の行方を調べてよい。
署名欄には、本人の名らしい文字があった。
震えている。
代書人の整った字とは明らかに違う。
マーヤ本人が、名だけは自分で書いたのだろう。
二枚目は、村代書人の補足。
本人は読み書きに不慣れなれど、内容を口頭で確認し、調査希望の意思を示した。本人は「子どもが戻るわけではないが、薬がどこへ行ったかだけは死ぬ前に知りたい」と述べた。
ミレーヌの手が止まった。
死ぬ前に。
その言葉が、紙の上で重かった。
クラリスが静かに尋ねる。
「ミレーヌ様。読めますか」
「読めます」
声は少し震えた。
でも、読める。
三枚目は、村医者による簡単な症状記録だった。
春の熱病。
発症者二十七名。
子ども九名。
死亡三名。
成人死亡なし。
不足した薬草は、解熱用のミルガ草と、咳止めに使う青根皮。
最後に、村医者の追記がある。
薬が届いていれば全員が助かったとは断言できない。ただし、不足が治療の選択肢を狭めたことは事実である。
グレゴールが小さく唸った。
「慎重な医者ですね」
エリオスが同席していたなら、同じことを言ったかもしれない。
ハーゲンは、村医者の追記を長く見ていた。
「薬があれば助かった、と書いていない」
ミレーヌは頷く。
「はい」
「でも、薬がなかったことは事実」
「はい」
「この書き方は、信用できます」
クラリスも頷いた。
「ええ。感情を抑えて、事実を分けています」
ミレーヌは、マーヤの同意書を見た。
「この方は、子どもを亡くしたのですよね」
「おそらく」
「それなのに、村医者は“助かったとは断言できない”と書いている」
言いながら、ミレーヌは少し胸が痛んだ。
冷たいようにも見える。
けれど、それが必要なのも分かる。
怒りだけで書けば、王宮は逃げる。
感情的だと言われる。
証拠が薄いと言われる。
だから、村医者は厳密に書いた。
その厳密さが、かえって悲しかった。
ハーゲンが静かに言った。
「泣きながらでも、正確に書く人はいます」
ミレーヌは彼を見る。
「そうですね」
「泣いていないから冷たいわけではないし、泣いているから不正確なわけでもありません」
クラリスが少しだけ目を細めた。
「よい言葉です」
ハーゲンは苦い顔をした。
「また記録されますか」
「必要なら」
「では、少し直します。感情と正確さは、敵ではありません」
ミレーヌは、私的手帳に書いた。
感情と正確さは、敵ではない。
◇
トルナ村の件は、照会監査室準備班の初めての正式調査対象となった。
まだ監査室は完全には設置されていない。
看板も仮。
人員も仮。
規程も施行直後で、実務の穴だらけ。
それでも、最初の照会番号が振られた。
照監準一号――トルナ村春季薬草費支出照会。
グレゴールは番号を見て、微妙な顔をした。
「照監準一号、ですか」
オスカーが言う。
「仮設部署なので」
「後世の人間が見た時に分かりにくい」
ミレーヌが提案した。
「では、通称を」
全員が彼女を見た。
「毎回私を見るのはやめてください」
ハーゲンが真面目に言う。
「薬草照会、でよいのでは」
「普通ですね」
「普通がよい時もあります」
クラリスが頷く。
「正式番号は照監準一号。通称はトルナ村薬草照会。これで進めます」
ミレーヌは記録した。
総括記録を閉じた翌日に、次の照会番号が振られる。
あまりにも早い。
少し、息が詰まる。
彼女が手を止めたことに、クラリスが気づいた。
「ミレーヌ様」
「はい」
「休みますか」
「大丈夫です」
そう答えてから、ミレーヌは少し迷った。
大丈夫ではない時に大丈夫と言うのは、あまりよくない。
「大丈夫ですが、少し嫌です」
ハーゲンが顔を上げる。
「嫌」
「はい。昨日、記録を閉じたばかりなのに、もう次の子どもの死が出てきました。嫌です。正直、もう少しだけ、終わった気分でいたかったです」
言ってから、ひどいことを言った気がした。
トルナ村の母は、三年待っている。
死ぬ前に薬の行方を知りたいと書いている。
それなのに、自分はもう少し休みたかったと言っている。
「すみません」
ミレーヌが言うと、ハーゲンは首を横に振った。
「謝らなくてよいと思います」
「でも」
「閉じた記録が、次の問いを開いたのですね」
その言葉に、ミレーヌは顔を上げた。
ハーゲンは、同意書を見ていた。
「総括記録を作ったから、トルナ村の方は返事を出せたのかもしれません。問うてよいのだと、思えたのかもしれません」
「はい」
「でも、作った側は疲れます」
「はい」
「疲れたまま次の問いを受ける仕組みも、考えなければならないですね」
クラリスが、すぐに頷いた。
「照会監査室の運用規程に、担当者交代と休養義務を入れましょう」
オスカーがぼそっと言う。
「また仕事が増えました」
「休養義務の仕事が増えるのは、少し矛盾していますね」
ミレーヌが言うと、オスカーは肩をすくめた。
「休むためにも紙が要るのが王宮です」
ハーゲンが真顔で頷く。
「休む理由が書けないと、休めない人がいます」
「実感がこもっていますね」
「かなり」
そのやり取りで、少しだけ空気が緩んだ。
ミレーヌは深く息を吸う。
嫌だ。
疲れる。
でも、ここで止めれば、また問無の親戚になる。
「続けます」
彼女が言うと、クラリスは短く頷いた。
「では、最初に財務院記録を取り寄せます」
◇
財務院から届いたトルナ村薬草費の支出記録は、表面上は整っていた。
三年前、春季熱病対策として王妃基金の村落医療補助枠から支出。
対象、西北領トルナ村。
品目、ミルガ草乾燥束、青根皮、熱冷まし油。
金額、銀貨百二十枚相当。
支払先、北風薬種組合。
受領印あり。
処理欄には、短くこう書かれている。
既済扱。再照会不要。
ミレーヌは、その文字を見た瞬間、背中が冷えた。
「問無ではありませんね」
オスカーが言う。
「ええ。問無ではありません」
グレゴールが続ける。
「しかし、意味は近い」
ハーゲンは支出記録の写しを受け取り、じっと見つめた。
「既済扱」
その声は低い。
「便利な言葉です」
クラリスが尋ねる。
「財務院で使われていましたか」
「はい。通常は、支出と受領が確認され、細かな再確認を不要とする時に使います」
「正当な使い方もある?」
「あります。全ての支出を何度も照会していたら、仕事が止まりますから」
「では、この場合は」
ハーゲンは記録を指した。
「村側の実受領確認がありません。北風薬種組合の受領印だけです」
「組合が薬草を買って村へ届けた、という形ですね」
「はい。問題は、その後の村受領印がないことです」
ミレーヌが資料をめくる。
「代書人の補足では、村は薬を受け取っていないと」
「少なくとも、必要な量は届いていません」
ハーゲンは慎重に言った。
「完全にゼロか、一部だけかは調査が必要です」
「北風薬種組合とは?」
オスカーが別紙を探す。
「財務院登録では、薬草仲介業者。西北領の複数村へ納入実績あり」
「現存していますか」
「登録上は……」
そこで、オスカーの手が止まった。
「二年前に解散届が出ています」
部屋が静まった。
ミレーヌは思わず聞き返す。
「解散済み?」
「はい。ただ、この支出は三年前なので、当時は存在していたことになります」
ハーゲンが首を横に振った。
「解散届の日付だけでは分かりません」
「どういうことですか」
「帳簿だけ残っていた可能性があります。実態がなくても、登録上は存在する組合はあります」
クラリスの目が鋭くなる。
「空の器」
「はい」
「支払いを受けるための器ですか」
「その可能性があります」
ミレーヌは、支払先欄を見た。
北風薬種組合。
いかにも地方にありそうな名だ。
だが、薬は届いていない。
届いたことになっている。
どこかで金だけが通った。
「受領印は本物でしょうか」
クラリスが尋ねる。
グレゴールが拡大写しを出す。
「北風薬種組合の印影と、財務院登録印は一致しています」
「組合印は本物」
「はい。ただし、村側の受領印ではありません」
ハーゲンは、支出記録の端に目を留めた。
「この旧印」
ミレーヌも覗き込む。
紙の右下。
薄れてはいるが、王妃基金の旧印が押されている。
南施療院の件でも見た印だ。
クラリスが言う。
「王妃基金村落医療補助枠」
「はい」
ハーゲンは、もう一つの小さな記号を指した。
「ここに、“調”の字があります」
「調?」
「調整費の略かもしれません」
ミレーヌの背筋が冷えた。
王妃基金調整費。
次章プロットの本丸へ繋がる言葉だ。
オスカーが慌てて別の資料を探す。
「支出明細には、薬草費銀貨百二十枚。内訳、薬草本体九十枚、運搬費十枚、調整費二十枚」
「調整費が高いですね」
ミレーヌが言うと、ハーゲンは頷いた。
「高すぎます」
「どれくらいが普通ですか」
「村落医療補助なら、運搬費込みで総額の一割以下が多いです。これは六分の一です」
「六分の一……」
クラリスは記録を見ながら言った。
「調整費の支払先は」
オスカーが顔をしかめた。
「北風薬種組合と同一です」
「薬草も、調整費も同じ組合へ」
「はい」
「なら、調整費は仲介料ですか」
ハーゲンは、少し考える。
「名目上はそうでしょう。でも、薬草が届いていないなら、仲介したものがありません」
沈黙が落ちた。
ミレーヌは、マーヤの同意書を見た。
震えた署名。
死ぬ前に薬の行方を知りたい。
その薬草費は、紙の上では支払われていた。
組合は受け取っていた。
調整費まで付いていた。
そして、村には届いていない。
ハーゲンは、低く言った。
「これは、南施療院よりも厄介かもしれません」
ミレーヌは顔を上げる。
「なぜですか」
「南施療院の布は、少なくとも物として白鴎館にありました。辿れば戻せた」
「はい」
「薬草は、消費されます。三年前の薬草は、もうありません」
クラリスが続ける。
「つまり、現物確認では戻れない」
「はい。金の流れ、人の証言、当時の病気の記録で追うしかありません」
「そして、子どもは戻らない」
誰もすぐには言葉を返せなかった。
ハーゲンは、その沈黙の中で、支出記録をもう一度見た。
「既済扱。再照会不要」
声には、抑えた怒りがあった。
「誰かが、ここで問いを止めました」
クラリスは頷いた。
「では、戻しましょう」
「はい」
「最初に、北風薬種組合を確認します」
カレル調査官が呼ばれた。
彼は記録を見るなり、短く言った。
「空家の匂いがするな」
ミレーヌが眉を寄せる。
「匂いで分かるのですか」
「比喩だ」
「そうですか」
「だが、たぶん空家だ」
カレルは地図を開く。
「北風薬種組合の所在地は王都北門外、旧薬種商通り。明朝、現地確認に行く」
クラリスが頷く。
「同行者は」
「王弟府調査官二名、財務院監察補佐一名。ハーゲン補助官は連れて行かない」
ハーゲンが顔を上げる。
「なぜですか」
「半日勤務の者を、空家かもしれない場所へ連れ回す趣味はない」
「しかし、帳簿を見るなら」
「現地確認後、帳簿は持ち帰る。逃げない建物ならな」
「建物は逃げません」
「中の紙は逃げる」
ハーゲンは黙った。
カレルの方が正しい。
エリオスがいれば、間違いなく止めただろう。
ハーゲンは少し不満そうに言った。
「では、持ち帰った帳簿を確認します」
「頼む」
カレルは、彼を一人の協力者として扱った。
保護対象でも、病人でもなく。
それが少し嬉しかったのか、ハーゲンは小さく頷いた。
◇
その日の夕方、ミレーヌはトルナ村への第一報を書いた。
内容は簡単ではない。
調査を始めたとだけ書けば済むのか。
支出記録では支払済になっていると書くべきか。
北風薬種組合という名を出すべきか。
まだ確定していないことを、どこまで伝えるべきか。
彼女は下書きを三度破った。
四度目に、ハーゲンが横から言った。
「長くなっています」
「分かっています」
「でも、短くすると隠しているように見えます」
「それも分かっています」
「難しいですね」
「はい」
ミレーヌは、少し苛立っていた。
「ハーゲン様、見ているなら手伝ってください」
「手伝ってよいのですか」
「今さら遠慮しないでください」
「では」
ハーゲンは椅子を少し近づけた。
「まず、分かっていることと、まだ分からないことを分けましょう」
「はい」
「分かっていること。王宮の紙では薬草費が支払済になっている」
「はい」
「支払先は北風薬種組合」
「はい」
「村の実受領記録はまだ確認できていない」
「はい」
「分からないこと。組合が実際に薬草を買ったか。村へ届けたか。調整費が何に使われたか」
「はい」
「次にすること。組合所在地の確認。支出経路の追跡。村側への追加聞き取り」
ミレーヌは、それをそのまま構成にした。
文面は、できるだけ分かりやすく。
マーヤ・ベンテ様。
あなたの同意書を受け取りました。王弟府照会監査室準備班は、トルナ村の春季薬草費について調査を始めました。
王宮の記録では、薬草費は三年前に支払済とされています。支払先は北風薬種組合という薬草仲介業者です。けれど、今のところ、村で薬を受け取った記録は確認できていません。
まだ分からないことがあります。組合が本当に薬を買ったのか。村へ届けたのか。調整費という名のお金が何に使われたのか。これから調べます。
分かったことは、順にお知らせします。あなたが聞いた問いを、王都で止めません。
最後の一文を書いた時、ミレーヌは手を止めた。
「強すぎますか」
ハーゲンは読んだ。
「いいえ」
「約束しすぎでしょうか」
「止めません、は約束してよいと思います。すぐ答えます、とは書いていません」
「確かに」
「それに、止めないための部署です」
ミレーヌは頷き、署名欄を書いた。
王弟府記録官補 ミレーヌ・フォン・エルディア
照会監査室準備協力者 ハーゲン
ハーゲンがそれを見て、少し驚いた。
「私もですか」
「一緒に考えましたので」
「よいのでしょうか」
「嫌ですか」
「嫌ではありません。ただ……責任がありますね」
「あります」
「では、署名します」
ハーゲンは、自分の名を書いた。
ハーゲン。
その文字は、総括記録の時より少しだけ安定していた。
ミレーヌも署名した。
二人の名前が並ぶ。
正式な任命書ではない。
大きな裁定書でもない。
村の一人の母へ送る、第一報の手紙。
けれど、そこに書かれた約束は重かった。
あなたが聞いた問いを、王都で止めません。
その夜、王弟府の伝令が西北領へ向かった。
そして翌朝、カレル調査官が北風薬種組合の所在地へ出発した。
王妃基金の古い印。
既済扱。
再照会不要。
そして、調整費。
総括記録を閉じたばかりの王宮に、次の問いが戻ってきていた。




