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護国神社の隣にある本屋はあやかし書店  作者: 井藤 美樹
第三冊 夏衣

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序章



『…………ここ、どこ? パパ、ママ、どこにいるの? まっくらなの……こわいよ……ママ!! パパ!! ぼくいいこになるから、おねがい、ここからだして!! もうなかないから……うるさくしないから……ちゃんということきくから………おねがいだして……こわいよ…………』


 いくら泣いて助けを求めても、誰も僕を助けてくれない。


 僕の声、聞こえないの?


 パパもママも僕を嫌ってた。ママはいつも言うの。「僕を生むんじゃなかった」って。「弟の方が可愛い」って、言いながら叩くんだ。


 ババもママが僕を嫌うから、僕の事嫌いになっちゃった。


 いらない子だから、嫌うの?


 嫌われる程、僕、悪い事したの?


 もししてたのなら、教えて、お願い。直すから。


 もう……一人は嫌だよ…………




 暗闇の中でじっと座ってるとね、時々、人の話し声が聞こえてくるの。  


『ママ!! パパ!!』


 ママとパパが迎えに来てくれたと思って顔を上げても、真っ暗で何も見えないの。


 だからね。


 話し声がする方向に、必死に手を伸ばすの。ババかママかもしれないからね。もし違っていても、ババとママの所に連れて行ってくれるかもしれないから。


 でもね……誰も、僕の手を握ってくれないの。話し声も聞こえなくなっちゃった。


 お願い。


 誰でもいいから、僕の手を掴んで……真っ暗な世界から出して……お願い。もう一人は嫌だよ……


 

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