2−7 フィールドワーク⑤
「おい、隆。見つけたぞ」
徹が古地図を持って、古い地図を広げてきた。
「この地図に載っている。あの神社は熊野神社って名前だったらしいな。明治時代の古い地図に載っていたぞ」
指差した先に鳥居のマークがある。
「ただ、新しくなった地図にはそれが載っていないな。多分あの神社は遷座された後ってことなんじゃないかな」
「遷座?」
「つまり、神社の引っ越しってことだな。あと、神社の奥に家があったらしいな。今もあるのかわからないが」
「家?そんなのあったか?」
「多分神主さんか宮司さんが住んでいたんだろうな」
「気付かなかったな?」
「もう建物がないのかもな。あったとして今は廃墟だろうよ」
「まあそうだろうな。近くに熊野神社ってのがあるから、そこが遷座先だろうし、神主さんがいるとすればそっちだろ」
「そこに行けばもうちょっと資料があるかもな、隆の方は?」
新聞縮小版の過去の記事を指で示した。
「フィールドワークとはあまり関係ないけど、例の事件の記事だ。そして、こっちは最近の新聞記事。この辺で子供の行方不明事件が相次いで起こっているみたいだ」
唸るように徹が新聞の文字を追っていた。
「十月下旬に女の子、十一月上旬に男の子の行方不明か、さっきのポスターの子か……」
「それだけじゃない」
もう一つの縮小版から古い新聞記事を引っ張り出してきた。
「これは……去年?こっちは一昨年?」
「どうも、毎年行方不明が起こっているらしいな。しかも時期は十一月ごろ」
「郷土歴史には関係なさそうだが、現在の記事の紹介として使えるんじゃないか?」
「呪いとまではいかないが、土地の因縁ってことか」
<つづく>




