2−6 フィールドワーク④
隆と徹は、シビックに乗って市街へ向かっていた。まずは図書館と区役所に行って情報収集だ。ここでは市役所と市立図書館が併設されていて、移動の手間がなくて助かる。駐車場に車を停めた後、違和感を覚えた。
「おい、徹」
「ああ、わかっている」
まばらではあるが、街の人がいる。その街の人が、明らかに隆たちを見ている。まるで、異端のものを排除するような、イヤな目つきだ。
「なあ、俺たちって、場違いか?」
「まあ、あまり若者もいなさそうだし、珍しいだけじゃね?」
そうか。そうかな? それにしては、突き刺さるような目つきだが。
「おい、隆、これ」
徹の指差した先には、市役所の入り口の掲示板があった。
「これって、さっきニュースで言っていたヤツじゃないか?」
見ると「探しています」と言う文字と共に、小学生女子と思われる写真と名前が印刷されたポスターが掲示してあった。
『河田みゆき(かわた・みゆき)さん 小学二年生 黄色の服にピンクのズボン姿で、赤のランドセル』
「こっちも」
ポスターはもう一つあり、そちらも「行方不明」として、小学生男子と名前が印刷されていた。
『津山陸くん 紺のトレーナーにグレーのズボン姿で、所持金は数百円程度』
「この近くだったんだな」
「そうだな、こんな事件があれば、よそ者に警戒するのは当たり前か」
隆と徹は、黙って行方不明のポスターを眺めた。
「まあ、堂々としてよう。ビクビクしているとかえって怪しいぜ」
「そうだな」
そう言いながら、得体のしれない居心地の悪さを感じていた。
◇◇◇◇◇
あの子は、今朝も、モリモリ食べてくれていた。
やはり新鮮な肉の方が喜んでくれる。
食べて、元気になって。
あの子は、私のご飯しか食べない。
わがままな子かもしれないけど、それが愛おしい。
私がいなければ。私だけの子。
さあ、今夜は何にしようかね。
ハラミもいいけど、やはりモモ肉。食べ応えがあるからね。
いっぱい食べておくれよ。
愛しい我が子。
<つづく>




