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參拾玖
康太と沢田はクズ親子を玄関から放り出し、敷地から出て行くのを見届けた後、母屋へ戻った。
「ご苦労様」
玄関で待機していた凛子が二人を労った。
二人は軽く頷いて玄関を上る。
「二人共、お茶にしましょう。台所に用意したから」
凛子は台所へ向かい、二人は後に続いた。
台所のテーブルの上にはお茶と羊羹が用意されていた。凛子は二人に席に勧め、自分も座った。
「さっきはお疲れ様。それにしても親よりも息子の方がもっとクズだったなんてびっくりしたわ。両親がクズだと子供もクズなのは当然かしら。ふふふっ」
凛子はお茶を飲んで喉を潤す。
康太は目の前の茶と羊羹には手をつけず、渋い顔をしながら何かを考えている様だ。
沢田は黙々と羊羹を食べている。
康太は意を決したのか思い詰めた様な顔を凛子に向けた。
「どうかした、康太さん」
凛子は微笑を浮かべて問う。
康太は口を開いたが、目を逸らして「なんでもありません」と答えた。
「そう」
凛子はそう言って、羊羹をきれいな所作で口に運んだ。
康太も一口茶を飲んでから、羊羹を食べた。
口の中に広がる上品な甘さと共に、込み上げた苦い思いも一緒にとけてしまえばいいと思いながら羊羹を飲み込んだ。




