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超板金 山形ロボ ―ロボットがランドマークになった街で、怪異が目を覚ます―  作者: bobson3b


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134 2026年5月17日(日)_03 侵入、一葉宅

とりあえずフライング土下座からのモナカ献上。

床に額をこすりつける勢い。


「ごめんなさい!既読だけして寝ました!」


陽葵は腕を組み、ぷいっと顔を背ける。


が。


白松がモナカの箱をそっと差し出すと、

一瞬だけ視線が揺れた。


「……大納言?」


「はい。大納言でございます」


沈黙。

三秒。


「……ひとつだけだからね」


許された。

たぶん。


実家を出て城北町。

我が愛しのマイホームへ帰還。

駅西の二十四時間スーパーで買い込んだ総菜をテーブルに並べる。


レモンサワー開封。


テレビのリモコンを押し、

配信サービスへ。

溜まりに溜まった録画と配信。

消化するだけの自堕落タイム。


最高。


今日の残務処理も終わった。

明日は代休、第九、歓喜の歌。


完全勝利。


でね、聞いて。


……できちゃった。


新しい推し。


『機動戦士ガンダム』シリーズのキャラ!


もう無理。

好きすぎる。

あの筋肉。

服の上からでもわかる厚み。

なのに無口で誠実。

ギャップで死ぬ。

シゴデキ。

兄弟想い。

仲間想い。


あぁぁ……てぇてぇ……語彙力どこいった。


しかも完結済み。


「次回更新いつ!?」って悶えなくていい。


精神衛生に優しい。

後半戦突入。

レモンサワーよし。

つまみよし。

今日はオール確定。

最高にかわいいマーモットが叫んでいるプリントのトレーナー。

グレーのスウェット。

ドカリと床に座る。


「鎌田さんマジでサンキュー……ガンダムおもしれー……」


至福。

そのとき。

背後から。


>これが ひとはの ほんしょう なんですね


ふぁぁ!!!!!!!!!!


振り返る。

あまり使っていないiPadが勝手に起動。

画面の中からハコ子がぬるっと覗いている。


「おまえ!マスコット!不法侵入!」


>よいのです

>わかってます

>ひとは は だめな子


「誰がだめな子だ!」


>かんそく けっか

>れもんさわー にほんめ

>すでに だらけています


「観測するな!」


ハコ子の言葉が、妙に滑らかだ。


>ひとは は

>かみ になりかけたり

>ゆうしゃ を めざしたり

>でも ほんとうは

>きんにく と ぎゃっぷ に よわい


「やめろぉ!」


>しかし

>この じょうたい

>ひとは は いちばん あんてい しています


一葉、ぴたりと止まる。


>しんぱく あんてい

>どうきりつ ていか

>いんが ちくせき なし


「……え?」


>ひとは が かみ にならない りゆう

>おし が あるからです


一瞬、言葉を失う。

画面の中のマスコットが、首をかしげる。


>すき は

>ひと を ひと に とどめます


「……」


レモンサワーをひと口。

ちょっとだけ、目が潤む。

「それでもだめな子って言ったよな?」


>はい

>だめなこ ですが

>とても よい ひと です


「どっちだよ!」


iPadを持ち上げる。

「あと配信履歴見るなよ!? それ以上深掘ったら消すぞ!この世から消すぞ!?」


>ぱすわーど は かくほ ずみ アクセスします


「武田ァァァ!!!!今田ァァァ!!!槌谷ァァァ!!!」


夜の自室。

ガンダム後半戦。

レモンサワー三本目。

マスコットと推し語り。

世界は今日も、なんとか平和だった。


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SF / ロボット / 地方都市 / 行政・公務員 / 都市伝説
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