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超板金 山形ロボ ―ロボットがランドマークになった街で、怪異が目を覚ます―  作者: bobson3b


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128 2026年5月16日(土)_01 白王帰還

朝。


まだ空気が冷たい時間。


鬼ども三人と、いつもの筋トレ。


腕立て。

スクワット。

体幹。


……あの人たち、毎回きっちりレギンス履いてくるんだよな。


ピチッと。


「洗濯とか面倒じゃないのかな……」


横目で見る。


隠れヲタの今田まで、ハーフパンツの下にレギンス。


「メンズのくせにマメとか許せないんだけど」


「聞こえてますよ先輩」


「気のせいです、聞こえてません」


「……先輩、腹筋追加行きます?」


「アイムソーリー」


今日も平和だ。


朝食。


鯛の塩焼き。

麦飯。

豆腐の味噌汁。


ぺろり。


おかわりは自重。

今日は短期決戦。


午前中で決める。


ブリーフィングは簡潔だった。


ワイヤーは余裕を持たせていた。

昨日の切断は想定外だが、致命的ではない。


問題は――


「私がヘマしない前提なんだよね」


緊張で、手のひらが少し汗ばむ。


>いっしょに がんばりましょう


「ありがとう、ハコ子」


本当に、いい子だ。


今日の引き上げ対象。


ブランロンダシュ。


防御特化機体。


両腕に展開型エネルギーシールド兼ソード発生器。

ここまではいい。


問題は、背中。


河童みたいな巨大甲羅。


超硬質レドーム。


運用時は頭部に接続。


「やっぱり河童じゃん」


ハコ子が沈黙する。


東北六機。


みんなウエストがくびれてる。

八頭身。


顔もヒーロー顔。


ガンダム寄り。

マクロス寄り。


対して山形ロボ。


箱。

丸目。

ずんぐり。


「デザイナーに文句言いたい……」


前に斎藤さんに見せてもらったグレート山形ロボ。

あれは人型だった。

なんか仏像みたいだったけど。


――


深海。


今回は慎重に。


レドームが引っかかる。

甲羅が重い。


浮力制御、角度調整、ワイヤー固定。


集中。


同期率は安定。

ハコ子の補助も滑らか。


四時間半。


予定より三十分オーバー。


だが。


無事、引き上げ完了。


――


夕方。


いずも型護衛艦三番艦「しなの」を離れる。


高速艇に、警備班、整備班、観測班、児島さん、

そして少しだけよぼよぼの浮雲さんが乗り込む。


警備班の二人にウィンクされた。


「……え?」


私に?


「惚れたか?」


一秒後、自己否定。


「うん、ない。世界は冷たい」


知ってる。


山形ロボに乗り込み、洋上ホバリング。


そのとき。


「総員、敬礼っ!!」


――


振り返る。


しなの。

かげろう。


甲板いっぱいに並ぶ隊員たち。


知ってる顔。

知らない顔。

包帯を巻いた腕。

額の絆創膏。


司令官も。


まっすぐ。


言葉にならない。


胸の奥が、ぎゅっとなる。


四月。


適当に返した敬礼。


武田と今田と槌谷に、

なんとなく返したあの動き。


違った。


これは。


命を預け合う人たちの、

敬意の形。


重い。


でも、あたたかい。


ゆっくりと。


背筋を伸ばす。


ぎこちなくならないように。


でも、心を込めて。


一葉は、敬礼を返した。


今度は、ちゃんと。


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