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牛乳を買いに出ただけなのに、異世界で白境《はっきょう》の聖女と呼ばれました 〜守るだけの魔法だと思っていたら、世界を分ける最強能力でした〜

作者:風宮亜矢
最新エピソード掲載日:2026/06/05
牛乳を買いに出ただけだった。

スーパーの品出しバイトを終えた女子大生・風宮亜矢は、疲れた夜に泡コーヒーを飲もうとして、牛乳を切らしていることに気づく。

「やっちゃった……最悪だ……」

近くのコンビニへ行こうと玄関のドアを開けた瞬間、そこにあったのはアパートの廊下ではなかった。

二つの月。
白い石畳の広場。
見たことのない人々。
そして、魔獣の毒に苦しむ一人の少年。

剣も魔法も知らない。
戦う力もない。
帰り方も分からない。

それでも、目の前で苦しむ子どもを見捨てられなかった亜矢は、バイト先で使っていた小さなミルクフォーマーで、現地の山羊の乳を泡立てる。

ただの白い泡。

そのはずだった。

けれど、亜矢自身の中からあふれた白い光が泡に混ざった瞬間、少年の身体を蝕んでいた黒い毒が押し返されていく。

人々は亜矢をこう呼んだ。

――白境《はっきょう》の聖女。

だが、その力はただの癒やしではなかった。

毒と命。
呪いと魂。
魔力と世界。
そして、異世界と現実。

あらゆるものの「境界」を分け、守り、時には切り離す白い魔法。

帰りたいだけだった亜矢は、聖女と呼ばない獣人の少女、呪いを抱えた騎士、滅びを待つ王女と出会い、壊れかけた世界の真実に巻き込まれていく。

守ることしかできなかった白い魔法は、やがて魔王さえ恐れる“境界”の力へと変わっていく。

牛乳を買いに出ただけの夜、私は異世界で聖女にされた。

これは、戦えない女子大生が誰かを守るたびに、世界の運命と、自分が帰るための扉に近づいていく物語。
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