↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

24/25

エピローグ―1 二人の妻の手料理を食べた後の「彼」の直接の想い

 エピローグになります。


 尚、エピローグは視点が変わり、「彼」の視点で、僕という形で独話します。

 土方鈴とジャンヌ・ダヴ―それぞれの馬肉料理を食べた後、「彼」は一人きりで暫く物思いに耽った。

 

 二人が会津に行く、と言い出したのは、僕に馬肉料理を食べさせるためだったか。

 恐らく僕が長命した異世界では、彼女達が作った馬肉料理を、僕は好物として食べたのだろう。

 更に言えば、その異世界なりの事情があって、僕は馬肉料理を好んだのだろう。


 異世界なりの事情か。

 僕は、それなりに二人から、僕の前世の野村雄が、その異世界では長命したのを教えられた。

 そして、どんな人生をたどったのかも。

 更に言えば、ジャンヌの赴いた異世界には、共に岸澪や村山愛も赴いていたので、その二人からもそれなりのことを教えられているが。


 僕は、二人の作った馬肉料理を想い起こし、余りにも対照的だ、と少し他所事を考えた。

「女性とワインは古いほうがいい」、「女房と畳は新しいほうがよい」だな。

 更に言えば、余りにも対照的な料理を作ったモノだ。


 鈴の方は、本当にお互いの前世を思い起こさせる馬肉料理だった。

 それに対し、ジャンヌの方は、新たな馬肉料理を勧めて来た。

 ジャンヌなりに鈴に勝とうとして、フランスでの馬肉料理を勧めてきたのだろう。

 更に言えば、共に異世界の僕が、鈴やジャンヌの傍で好んで食べた料理ではないだろうか。


 僕は前世では、そう馬肉料理を好んで食べた覚えがない。

 勿論、会津の名物料理である以上、馬肉を食べたことが無い訳では無いのだが、それこそ戊辰戦争のことを想い出すとして、両親等が馬肉を余り好まなかったことから、自分も余り食べなかったのだ。


 だが、鈴やジャンヌの言動からすれば、異世界では、僕は鈴やジャンヌの傍で馬肉料理を好んで食べていたようだ。

 何故に、僕の、自分のし好が変わってしまったのだろうか。


 恐らくだが、様々な戦禍や肉親、故郷との別離から、異世界の僕は、馬肉を好んで食べるようになったのでは、そう鈴やジャンヌ、及び岸澪や村山愛の言動から、そう僕は想われてならない。


 鈴が赴いた異世界では、僕は陸軍大学校を卒業して、第二次世界大戦では、将官として様々な武功を挙げたこと等から、営門大将まで出世して退役した。

 更に言えば、陸軍に止まれば、三顕職に補されるのは、ほぼ確実とも目されていたらしい。


 そんな僕が営門大将で退官したのは、鈴の言葉に依れば、全ての子ども、特に娘の千恵子までが戦死したことから、とのことだった。

 更に言えば、第二次世界大戦の戦禍も相まって、軍人という仕事を、自分が厭うようになったからかも、とも鈴は言っていた。


 この辺りの鈴の言葉は、それなり以上の真実なのだろう。

 全ての子どもを戦死させ、更に第二次世界大戦の多大な戦禍を、間近で見続けていては。

 今の自分の感覚からしても、退官という決断を自分が下してもおかしくない気がする。


 又、ジャンヌ、及び澪や愛が赴いた異世界では、僕はジャンヌと駆け落ちして、フランス人になり、更にはフランス軍の将軍として、更にはフランスの英雄として、人生を終えることになった。

 だが、その一方で、日本に残した3人の子とは完全に断絶した、と言っても過言ではない関係になってしまったのだ。


 完全に断絶したとはいえ、異世界の僕は、子ども3人が成人するまで養育費をそれなりに払い続けたのは間違いない。

 ジャンヌはそう主張するし、愛はそれを肯定して、澪も顔を背けつつ、認めざるを得ない。

 だが、子ども達3人にしてみれば、銭金の問題じゃない、と言いたいことだったのだろう。


 そんなことを、鈴とジャンヌが作った馬肉料理を食べた後、異世界の僕やその周囲のことを、僕は考えざるを得なかった。


 更に僕は考えた。

 本当に色々と違うことが起きたものだ。

 御感想等をお待ちしています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
 ヒロインたちの隠された悋気すら可愛げに感じているような「彼」(´・ω・`)安楽など望めず国家の歯車として磨り潰された凄惨な戦場を最期と現代に流転した「彼」には先天的に哲人級の平常心が備わっているよう…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。