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世界を3つに分けるモノ

連投です。

ぜったい読み飛ばしてる。

ぜったい読み飛ばしてる(;^ω^)(笑)



「イニィさ~~ん、その方と知り合いなのぉ~~?」

「イニィさんって言うんだ……」


{{ ちょ!! ちょっと黙ってて!! }}

『 が、ガルルん!! 』


 えええ~~?

 何なのよ~~!

 どうせ、変態の客でしょぉおお~~?


{{ くっ……! }}

『 ガルルルル…… 』


「……アンティ。あの黒いのなぁに?」

「ガルンって言ってね? 優しい魔獣」

「かわいい……」


{{ 店長!! 助太刀します!! }}

『 ガルルア!! 』


 チャキ……!!




「 ま た れ よ !!!!! 」




{{ ───!? }}

『 ガル……!? 』


 変態が、手を前に広げ、制する。

 イニィさんとガルンは、困惑してるみたいだった。


{{ 店長!? 何故…… }}

『 ガルン…… 』


「イニィ殿、ガルンよ……ここは我に任せてくれぬであるか……?」


{{ …………はぃ }}

『 ……ガルー 』


 イニィさんは、十字杖を下ろした。


「アンティ! あの人、ほとんど服きてないね」

「そうね。あれがここの店長なのよ」

「うそぉー」


「さて……では、仕切り直そうか、エロメイネス・P・シャイニングよ……」

「ふぉは……もう私は貴族ではない……今は、"エロP"と名乗っている……」

「ほ、ぅ……? "エロピー"とな……? 何やらせくすぃーさが漂う愛称であるな……」

「ふっ……」


 クソみたいなあだ名ですね……。

 なんだ? この人、変態のマブダチかな……?


「では、"エロピー"よ……。かつて敵であった貴公が、何故に我が城に舞い降りた……!」


 城ってなんだよ。

 常キワモノ装備のバーゲンセールじゃねぇか。

 ざけんなよ変態半裸。


「……"新人生娘発掘アイドル選手権"……」

「──……!?」

「私が発足させた事務所"エロティカルプロ"の新人アイドルグループを、そのコンテストに出場させようと思うのだ……」

「──"エロティカルプロ"、だとっ……!?」


 クソみたいな企業名ですね……。

 いち女性として……げ、下品だわ……。


「──!! まさか!? そのグループというのは──!!」

「ふぉはは……気づいたか……。そう!! 我が事務所、エロティカルプロが打ち出すアイドルグループ、"15エンジェルズ"は……貴公もよく知るあの娘たちがメンバーとして組み込まれている……!」

「なん、と……!」


{{ ──ッッ……!! ふ、ふざけるなっ!? つまり……!! ラミエリ(・・・・)さん達のアイドル活動を、貴様がプロデュースするのいうことなのっ!? }}

『 ……ガルルん? 』


 え、イニィさん。

 この変な人の事務所のアイドルさん、知ってんの。


「……よしよし」

『 がる? ガルルん♪♪ 』


 あ、マイスナが、ちっちゃくなったガルン撫でてる。

 私もやろ。


「……かのせくすぃーガールが、アイドルを目指していることは知っていた……」

「ふぉぅ……流石だな」

「……。して、エロピーよ……。何故、ここに参ったのだ……」

「……」


「よしよし……♪」

「あらあんた、ちっちゃくなったらめんこいわね」

『 がるーん♪ 』


「……"15エンジェルズ"のッ──!! "舞台コスチューム"の制作を依頼したいっ───!!!」

「!!!!!」

{{ なっ……!! ふ、ふざけるなぁぁ──!!! }}

「──イニィ殿!! 待つのであーるぅ!!!」

{{ ぐっ……!! しかし……!!! }}

「……頼めぬか、アブノ・マールよ……」

「エロピーよ……。わからぬ。彼女たちの舞台コスを、何故貴公が我に頼むのだ……」

「ふぉは……。私も、前は貴族の端くれだった……。この店の噂は轟いていたよ……! とても素晴らしい武具や肌着を作る者がいる……そして、その男は、ほとんど裸だとな!!!」

「!!!」


 クソみたいな噂ですね……!

 あーガルン? よしよーし。


『 がるがるがるーん♪♪♪ 』

「でれでれだぁ」

「でれでれねぇ」


「私には、すぐにわかったよ……! なぜなら、既に私は貴公に会い、倒された後だったのだからな!!」

「……」

{{ て、店長……!! そんなの、虫が良すぎる……!! この男は……!!! }}

「……わかっている」


「アンティ、この子なに食べるの」

「え? ああー……イニィさんが、暗闇を食べるって言ってたわ」

「くらやみ?」

『 ガルガル♪ 』


「エロピーよ……話はわかった。貴公はラミエリ殿たちとアイドルグループの売り出しを計画し……その衣装製作を我に依頼しにきた……そうだな?」

「……その通りだ」

「我に、貴様の覚悟が見えぬ」

「──……!!」

{{ っ! 店長…… }}


「ふふっ」

「な、なによ……」

「ガルンを撫でる時の、アンティかわいい……」

「な、なんだよぉー!」

『 がるん? 』


「……貴公は……確かに一度、この街の人々を危機に晒した……!! 今の貴公のやりたい事は、聞いている分には無害に見え、輝いているように捉えられる……! しかぁし!! 何故、どのようにして、我に貴公を信じよと言うのだ!!! 貴公は確かに罪人だった!!! 貴様が輝く道に舞い戻る、その覚悟はどこにある──ッッ!?」

「──!!! ぐ…………」


 んだよ変態、うっせーな……。

 なんか真面目そうな話してるわねぇ……。


「アンティ……なんか熱い感じになってるよ……」

「いーのいーの。いつも半裸だから体温高いのよ」

『 ガルガルー! 』


「……。……貴公の……言う通りだ。私は、罪人だ……!! しかし……!! 私にも覚悟が無いわけではないっ……!! やり直すための、覚悟が……あるっ!!」

「……!! ほぅ……。それは、目に見える形となっているのであるか……!?」

「──!! 貴公には、見せようっ──!! その、"覚悟のカタチ"を──!!!」


「??」

「??」


 なんの話してんだ? こいつら……。

 とっとと要件済ませてよー。

 服、ほしいんだけどー。

 ……ぅん?



 カチャカチャ……──────ババッ!!



「「──ひっ!?」」


「な……!?」


{{ ちょ……!? }}




 白いジャケットの人がッッ……!!


 ズボン(・・・)下ろしやがった(・・・・・・・)────!!!!!




「や、やぁぁ……!」

「チッ……クラウン。私の右腕ガトリングに変えろ。傷んだヨロイでどこまでやれるかわかんなぃけど、このクソ変態だけは地獄に送ってやらぁ……!!」

『────レディ(準備完了)

 ────戦闘バックアップを開始します。

 ────ご武運を。』

『>>>待て待て待て待て……』



 白ジャケットのクソ変態は、


 ソレ(・・)を見せつけながら、高らかに(のたま)った。



「────見よっ!!! アブノ・マール!!!」


「なん、と……!」


「私は今、今……!! ────トランクス(・・・・・)、なのだっ……!!!!!」


「 …… な ん 、 だ 、 と …… !? 」



 だからどーしたんだってんだクソが。

 そこへ直れ。

 ぶっとばしてやんよ。

 てかアブノさんは、なんでそんな驚愕してんの?



「貴公が……ブリーフではなく……、トランクスを、はいている、だと………!!!?」

「く……! 見よ、アブノ・マールよ……! この滑稽な私の姿を……!」

「……!! え、エロメイネス……!!」


 ……つーか、この白い変態、なに泣いてんの……。


「ふ、ふ……き、貴公に、反省の意を示すには……!! これが、一番いいと、思ってな、ぁ……!」

「ば、馬鹿者め……!!! 貴様ぁ、な……なんという無茶を……!!!」

「笑ってくれ、アブノ・マール」

「く、くそぉ!!! もうよいっっ!!! 我の負けだっっ……!!」

「ぐおっ……」


 ……ど、さ、ぁ……。


 ズボン下ろして下着を見せつけたクソは、

 力尽きたみたいに、ガクリとヒザをついた。


「……アンティ、終わった?」

「……まだ。目ぇ閉じてな」

「わかった。アンティ勇気ある」


 ……変態の耐性ついちまったかんな。


「おーい、イニィさーん……この現状はなに?」


{{ コイツがブリーフじゃないなんて……!? 自分のポリシーを、曲げて……!? }}


 ……今日のイニィさんダメだな。


「ふぉ、は、は……。引き受けて、くれないだろうか……」

「ば、バカめ!! いくら贖罪が求められるからといって……!! 自分を、(ないがし)ろにしすぎであるぞぉぉ!!」

「ぐ、ぅ……!」

「ホレ!! とりあえず、これをはくのであーる!!!」

「……? これ、は……!?」


 アブノさんが、奥の戸棚から黒いの出した。

 ……あれって、男性モノの肌着だよね……下の。


「……ふぉ!? この、このデザインはっ!? アブノよ!! これは何なのだ……!?」

「!! き、貴様……まさか、知らぬのか……!?」

「え……?」

「……っ、これは、"ボクサーパンツ"だ!!!!!」

「……───ぼ、ぼくさー、ぱんつ……!?」


 白ジャケットの変態は、呆然と下着を見ている。

 ……ま、女の私が見ても、一般的な男性肌着だわな。


「…………! …………!! ふぉは……アブノ・マールよ……! お……愚かな私に……お、教えて、くれぬだろうか……」

「……!! あ、あぁ……!!」

「もしかして…………この素晴らしいデザインの下着はっ……い、一般的なのか…………!?」

「………っく! そ……そうだ…………!!! それはっ、世界を三つに分断するっ……! "ブリーフ"! "トランクス"に次ぐ……! もうひとつの、存在だっ……!!」

「ふぉ、ふぉはは、ふぉはははははっ……、……!」


 なに、わろうとんねん。


「わ、私は……!! 私は……己の無知を、呪いたい……!! こ、こんなすばっ、素晴らしい下着があったとは……!! これっ、この崇高な存在を知っていたら……!!! 私はっ……恐らく道を踏み外さずに済んだ……!!!!!」

「……!! くっ……」


 ちょとアブノさん、何が「くっ……」なんすか。

 ──えっ!? ちょ、なぜにイニィさんも涙目!?!?


「──何故!? 何故、誰も私に"ボクサーパンツ"なる存在を、教えてくれなかったのだろうか……!!! もし、誰かが教えてくれていたならば……! 私は、私は……!! トランクスとブリーフの間で……!! あのような地獄の選択をせずに済んだ……! き、聞いてくれ、アブノ・マールよ……!! 私は、男は皆、大人になればッッ!! トランクスに支配されると本気でっ!! 今の今まで、思い込んでいたのだ……!! こ、滑稽だろう!! ふぉは、ふぉは、ははははは……!!!」

「──もういい!! もう何も言うなぁぁ!!!」


 う、うっせーなぁ……。

 アブノさんにまさか、変態友達がいるとはねぇ……。


「ふぉは、ふぉは……! いや…………。私がもし人格者であったならば……誰かがボクサーパンツの存在を、伝えていてくれたのやもしれん……。結局は、私の罪だな……アブノ・マールよ……」

「……ッ、我は、我は感動しているッッ!! 貴様の、己を戒める覚悟に!!」


「アンティ、あの人ら泣いてるよー」

「あ、こら。まだ目ぇ閉じときなさいって」


「……仕事の件、確かに承ったのであーる!!」

「……!! で、では……!!」

「品質の良い、グランカプラの翼膜が手に入ったのだ……15人分くらいのせくすぃーコスなど、お手のものよ……」

「ぐ、げほっ……! す、まない…………すまない…………!!」

「……そのボクサーパンツは、くれてやる!! それに……よっと。このブリーフも、もっていけ!! 貴公の、新しい門出への手向けであーる!!!」

「お、お、お!!」

「……貴公のアイドルグループが大舞台に立った時……! 堂々と、貴様のパンツをはいてやれ──!!!!!」

「とっ──!! 友よッッ────……!!!!!!!」


 白い変態は、黒い変態からガシリと下着を受け取り、

 めっちゃ涙した。


「立て!!! エロピーよ!!! 貴様は、ここから始まる!!! さぁ笑え……! 笑うのだ──!!!!!」

「……この恩は、忘れはしない!!! ふぉは、ふぉは! ふぉは、ふぉはははははははは!!!!!」


 変態同士が親友になる所を目撃してしまった。


「アンティ、よかったねー」

「……はぁ。ドア蹴破っといてよかったわー」

『 がるるん♪ 』

{{ う、う……! }}



「ふぉは……さらばだ、友よ……!」

「……うむ! 次は、せくすぃーフィールドにて会おう……!」

「……!! あぁ……!!!」


 おい。

 ズボンはいてから帰れ。




「!! これはこれは、姫!! 大変お待たせしてしまったであるなぁ──!! お、おや!? そ、その銀色の姫君はっ───!?」


「わぁ──……、ほとんど裸だぁ──……」

「…………………ふぅ───────……」


「……? ん? 姫? どうしたであー………」





「──どるぉぉおるァァああああああああああ!!!!!」


「ぐぉおあああああああああああああああああ!!!??」


{{ 店長ぉぉおおおおおおおおおおおおおおお!!!?? }}



 ド っ ゴ ー ン 。




 今日は、


 本人も蹴り飛ばしといた。




『 がーるがるんっ♪ 』




けったった(笑)((´∀`*))

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― 新着の感想 ―
[良い点] 変態って、いいよね…
2022/02/27 09:00 次郎左衛門尉
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