↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者ですが、聖女とだけ会話ができません  作者: ゲント・カイ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
10/15

第十章 魔王の切り札

 魔王は、人間とそれほど変わらない姿をしていた。


 黒い髪。


 青白い肌。


 長い角。


 巨大な玉座へ座り、四人を静かに見下ろしている。


「よく来たな、異界の者たちよ」


 蓮には完璧な日本語に聞こえる。


「お前が魔王か」


「いかにも」


「話が早くて助かるよ」


 クレールが何かを言う。


 魔王は普通に答える。


 蓮にはクレールの言葉だけ分からない。


「そこはやっぱりそのままなのかよ」


「何を言っている?」


「こっちの話だ!」


 魔王が立ち上がる。


「だが、貴様らがどれほど強くとも、我には勝てぬ」


 両手を広げた。


 城全体が震えた。


「人は言葉によって群れ、言葉によって命じ、言葉によって戦う。ならば、その言葉を奪えばよい」


 黒い波が広がった。


 蓮の身体を通過する。


「……?」


 何も起きない。


 いや。


 扉の外から悲鳴が聞こえる。


 王国兵たちが互いに叫んでいる。


 だが意味が通じていない。


「《言語封鎖》」


 魔王が笑った。


「この城にいる全ての者は、他者の言葉を理解できぬ。指揮系統を失った軍など、烏合の衆にすぎん」


 確かにその通りだ。


 クレールが蓮を見る。


「Ren?」


 英語。


 分かる。


 シポが何かを言った。


 元から分からない。


 アウリも同じ。


 蓮は瞬きをした。


 クレールも同じことに気づいたらしい。


 四人で顔を見合わせる。


「……いつもと変わらなくない?」


 当然、日本語は三人には伝わらない。


 だが全員、同じ結論に達していた。


 魔王の笑顔が消える。


「なぜ混乱せぬ」


 蓮は聖剣を構えた。


「最初からまともに通じてねえんだよ!」


 魔王には完璧に伝わった。


「何?」


「半年ずっとこうやって戦ってきた!」


 クレールが蓮の右側へ。


 シポが後方へ。


 アウリが柱の陰へ移動する。


 指示はない。


 それでも四人は自分の位置を理解していた。


「行くぞ!」


 蓮が駆けた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。