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大剣の冒険者  作者: beck2026


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第五十七章:始まりの街の窮状

岩肌の連なる尾根を越えた瞬間、レイの視界に懐かしいギルムの街並みが飛び込んできた。

 

しかし、かつて活気に満ち溢れていたその場所は、今や緊迫した空気に包まれていた。

街を囲む頑強な石壁の外側には、いくつもの即席の防護柵が建てられ、遠目からでも数多くの冒険者たちが武器を手に走り回っているのが見える。

 

「……ひどい有様だな。防衛線が街の目と鼻の先まで押し込まれてやがる」

 

ボルグが眉をひそめ、大盾を構え直しながら低く呟いた。

街道には、命からがら逃げ延びてきた周囲の開拓村の住民たちが、荷車を引いて次々と街の中へと転がり込んでいる。

 

「急ぎましょう。ギルドの防衛網が完全に崩壊する前に、状況を把握しないと」

 

シェリアが魔導銃の機関部を軽く叩き、琥珀色の瞳を引き締める。

彼女の放つ魔力(MP)の残滓が、周囲の乾いた空気をかすかに震わせた。

 

四人は一気に防衛線の中心へと駆け込み、そのままギルムの冒険者ギルドへと足を向けた。

酒場を兼ねたギルドの扉を開けると、そこには、かつてレイが見たことのないほどの重苦しい沈黙と、血生臭い匂いが充満していた。

 

床には傷ついた冒険者たちが横たわり、神官たちが必死に治癒魔術を施している。

かつてレイを「ただ重いだけの鉄塊を振り回す未熟者」と笑っていた顔なじみの冒険者たちも、今は誰もが疲れ果て、絶望に満ちた表情で床を見つめていた。

 

「おい……嘘だろ、あれ……」

「大剣の……レイ、か?」

 

入り口の喧騒に気付いた数人の冒険者が、信じられないものを見るようにレイへと視線を向けた。

 

かつて、体格に見合わない大剣に振り回され、泥まみれになっていた少年。

しかし、今彼らの前に立つレイの立ち姿は、頭のてっぺんから爪先まで、一本の強固な芯が通った圧倒的な安定感を放っていた。

背負う無骨な鉄塊は、ただ重いだけの代物ではなく、数々の死線を修羅の如く潜り抜けてきた本物の「武器」としての覇気を帯びている。

 

さらに、その後ろに控えるアレン、ボルグ、そして異国の洗練された魔導銃を背負うシェリアの放つ佇まいは、一目で彼らが一線級の凄腕パーティーであると告げていた。

 

「レイ……! 本当に、レイなのか!?」

 

奥のカウンターから、ギルドの責任者である初老の男性が、驚愕に目を見開きながら駆け寄ってきた。

 

「はい。ルミナスでの依頼を終え、ギルムの危機を聞いて戻りました。……一体、何が起きているんですか?」

 

レイの静かで、しかし揺るぎない力強い声が、静まり返ったギルド内に響き渡る。

泥をすすり、挫折を乗り越え、新天地で真の質量を掴んだ少年の凱旋。

始まりの街を包む絶望の闇を切り裂くため、新星の大剣使いが今、再び故郷の土を踏みしめた。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

大きく成長した姿でギルムへと凱旋したレイ。

かつて彼を侮っていた周囲の冒険者たちも、その圧倒的な変貌ぶりに言葉を失います。

ギルムを脅かす魔物の正体とは一体何なのか、これからの激闘の展開もぜひ応援していただけると嬉しいです!

「続きが気になる!」

「レイの成長っぷりがカッコいい!」

と思ってくださったら、

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それでは、また次回の更新でお会いしましょう!

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