↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大剣の冒険者  作者: beck2026


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

43/59

第四十三章:亜麻色の銃士

「おい、レイ! その子をとりあえず岩陰に運ぶぞ!」

 

アレンの緊迫した声に、レイはハッと我に返った。

腕の中の少女は、完全に意識を失っている。背負った魔導銃の金属的な冷たさが、レイの腕を通じて伝わってきた。

 

ボルグが手際よく、照りつける陽光を遮るような巨岩の影を見つけ、そこに外套を敷く。

レイは少女をゆっくりと横たえ、自身の水袋から水を数滴、彼女の乾いた唇に垂らした。

 

「……ひどい脱水症状だな。この荒野を、まともな補給もなしに彷徨っていたのか?」

 

ボルグが彼女の様子を覗き込みながら、痛ましそうに眉をひそめる。

アレンもまた、彼女の傍らに置かれた魔導銃を興味深そうに値踏みしていた。

 

「この銃の造り、ルミナスのものじゃないな。もっと北の……魔導技術が進んだ大国のものだ。そんな場所の銃士が、なぜこんな国境の荒野に一人でいる?」

「う……ん…………」

 

二人が言葉を交わしていると、少女の長い睫毛が微かに震え、ゆっくりと瞼が開かれた。

現れたのは、深い湖の底を思わせるような、澄んだ琥珀色の瞳だった。

 

「気が付きましたか? 無理に動かないでください。まだ体が冷え切っています」

 

レイが穏やかに声をかけると、少女はぼんやりとした視線を彼に向け、それから自分の状況を把握したように、急に顔を強張らせて身を起こそうとした。

 

「あ、あなたたちは……! 私の、魔導銃は――」

 

「落ち着けって。銃ならそこにある。俺たちは怪しい奴じゃない、ルミナスの冒険者だ」

 

アレンが両手を挙げて敵意がないことを示すと、少女は自身の横に置かれた愛銃を抱き締め、ようやく小さく息を吐き出した。

しかし、その警戒の光が完全に消えたわけではない。

 

「私は……シェリア。この先の国境を越えて、ある『探し物』のためにルミナスを目指していました。ですが、途中で例の覇竜に遭遇してしまい……」

 

シェリアと名乗った少女は、悔しそうに唇を噛んだ。

 

「私の魔導銃の威力なら、足止めくらいはできるはずだった。でも、この流れる砂のせいで、全く照準が定まらなくて……。恥ずかしながら、弾を撃ち尽くして逃げ回るのが精一杯だったのです」

 

彼女の言葉を聞き、レイは深く納得した。

この砂塵の荒野は、大剣の踏み込みだけでなく、精密な射撃を行う銃士にとっても最悪の環境だったのだ。

 

「そんな化け物からよく生きて逃げ延びたよ。……で、その化け物を真っ向から叩き潰したのが、そこにいる大剣使いのレイだ」

 

アレンが親指でレイを指すと、シェリアは再び驚愕の眼差しをレイへと向けた。

身の丈を超えるほどに無骨な、血と砂に汚れた鉄塊。

それを背負う少年が、自分を窮地に追い込んだあの覇王を討ち取ったという事実が、未だに信じられないようだった。

 

「あなたが……。ただ重いだけの武器だと思っていましたが……この流砂の上で、それだけの質量を扱えるなんて」

 

シェリアの琥珀色の瞳に、これまでの警戒とは違う、純粋な驚きと、どこか射手としての知性的な好奇心が混ざり合っていく。

新たな同行者、そして異なる武器の使い手との出会い。

レイの旅路に、これまでとは違う、新しくも確かな風が吹き込み始めていた。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

謎の魔導銃士「シェリア」が登場し、物語はさらに賑やかになっていきます。

大剣と魔導銃、全く異なる武器を持つ二人がどんな連携を見せるのか、これからの展開も応援していただけると嬉しいです。

「続きが気になる!」

「シェリアちゃん、これからどうなるの?」

と思ってくださったら、

下にある【ブックマーク追加】や、

評価の【☆☆☆☆☆】をポチッと押し、

応援していただけると、執筆の凄まじい励みになります!

それでは、また次回の更新でお会いしましょう!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。