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大剣の冒険者  作者: beck2026


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第四十一章:砂塵の決着

「ギャァァァァァッ!!!」

 

アレンの放った渾身の双剣が、その柔らかい逆鱗を深く抉り取る。

『砂塵の覇竜デザートレクス』は、これまでにない苦悶の絶叫を荒野に響かせた。

結晶化した紅い鱗から、鮮血が激しく吹き飛ぶ。

 

しかし、生態系の頂点に立つ獣の生命力は、それしきで尽きるものではなかった。

致命傷を負いながらも、覇竜は狂乱のままにその巨腕を激しく振り回した。

凄まじい風圧がアレンを直撃し、彼の身体は砂の上を数十メートルも弾き飛ばされる。

 

「がはっ……!」

 

「アレンっ!」

 

ボルグが叫び、駆け寄ろうとするが、激しい砂嵐が彼らの行く手を阻む。

覇竜の紅い瞳が、未だ冷徹な光を失っていないレイを捉えた。

狂気と殺意に染まった巨躯が、最後の手負いの猛突進でレイへと肉薄する。

 

(まだだ……まだ、終わらせない!)

 

レイの両腕は、限界を超えた負荷で感覚を失いかけていた。

手のひらから滴る血が、大剣の柄を赤く染めていく。

足元の砂は激しく流動し、まともな踏み込みなど到底不可能な状態だった。

 

しかし、レイの心は驚くほどに静まり返っていた。

ギルムの廃鉱山で変異種を屠った、あの感覚。

ルミナスの霧の中で掴んだ、気配の理。

そして今、この流砂の地で得た、重心の真髄。

 

すべてが、この一瞬のためにあった。

 

レイは無理に砂に抗うのをやめ、むしろ覇竜の突進が巻き起こす激しい地響きに、自らの身体の芯を完全に同調させた。

大剣の自重、そして砂の底にある確かな岩盤。

その力を頭のてっぺんから爪先まで通し、最後の一歩を深く、深く踏み込む。

 

「これで……終わりだァァァッ!」

 

――ドガァァァァァァァンッ!!!!!

 

荒野のすべてを吹き飛ばすかのような、今日一番の破壊音が炸裂した。

 

レイの大剣は、突進してきた覇竜の脳門を、真っ向から叩き割っていた。

いかに頑強な結晶鱗であっても、極限の軸から放たれた圧倒的な質量の一撃の前には、ただの脆い硝子に過ぎなかった。

 

バリバリと音を立てて鱗が粉砕され、衝撃波が周囲の赤砂を完全に消し飛ばす。

 

「ガ、ァ…………ッ」

 

覇竜はその巨体を激しく痙攣させ、地響きを立ててその場に崩れ落ちた。

巻き上がった砂煙がゆっくりと収まっていく中、荒野の覇王は二度と動かなくなった。

 

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……っ!」

 

静寂が戻った荒野の真ん中で、レイは大剣を地面に突き立て、かろうじてその場に立ち尽くしていた。

全身の気力が底をつき、視界が激しく揺れている。

しかし、その瞳には、自らの力と仲間との連携でもぎ取った、圧倒的な勝利の光が確かに宿っていた。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

レイの大剣使いとしての旅、そして成長を

これからも応援していただけると嬉しいです。

「続きが気になる!」

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